もくじ
東直己著 小説、ススキノ探偵シリーズ
まず、ススキノ探偵シリーズですが実の所、探偵というか便利屋です。
そのため、ススキノ便利屋・俺シリーズなどとも書かれることもあります。
このシリーズ、1992年のスタートから2017年12月現在は、以下の12作品があります。
『探偵はバーにいる』
『バーにかかってきた電話』
『向こう端にすわった男』
短編集:掲載作品は「向う端にすわった男」「調子のいい奴」「秋の終わり」「自慢の息子」「消える男」
『消えた少年』
『探偵はひとりぼっち』
『探偵は吹雪の果てに』
『駆けてきた少女』
『ライト・グッドバイ』
『探偵、暁に走る』
『半端者―はんぱもん―』
『旧友は春に帰る』
『猫は忘れない』
どれも、センスのいいギャグと切ない物語とで、本は分厚いのに一気に読めるという最高のエンターテイメント作品です。
このシリーズの主人公は〝俺〟であり、作中にも名前は登場しません。映画でも呼ばれません。
〝俺〟は、ススキノ探偵シリーズの主人公ですが、東直己の他のシリーズ、榊原健三シリーズや他にもフイに脇役として出て来たりするから東作品の横の繋がりで読者としては楽しみなんですよねー。
映画では、探偵はBARにいるシリーズ
さて、ご存知のように、2012年9月に大泉洋主演で映画、『探偵はBARにいる』が制作され大ヒット!
2013年5月には第二作の『探偵はBARにいる2―ススキノ大交差点―』、そして2017年12月に第三作の『探偵はBARにいる3』が公開されました。
斜陽と言われる映画界において、どれも貴重なヒット作となっています。
原作ファンとしても札幌が舞台だし、大泉洋も大好きだし、
『とにかく例えスベったとしても、みんなで暖かく見守って、長く長く続いて欲しい!』
と願うシリーズなのです。
楽しみなのは、映画の原作を想像すること!
原作ファンとして、映画化が発表されるたびに楽しみにしていたのが、映画の原作がどの作品になるか?ということ。
第一作と、第二作の原作は、第一作が、電話でしか登場しない依頼人のコンドウキョウコに翻弄される『バーにかかってきた電話』。
第二作が、ニューハーフバーで働くマジックが得意なマサコちゃん殺害事件を調査していく中で大事件に巻き込まれていく『探偵はひとりぼっち』。
で、第三作の公開決定!
発表と同時に
「なんだなんだ?」
「次は何だ?」
「消えた少年やってほしいけどー」
「いや、ここは探偵は吹雪の果てにでしょー!」
と盛り上がり(といっても一人でだけど)
〝探偵はBARにいる3 原作〟
とかで検索をかけるがヒットせず。
で、公開まじかになって
「原作をもとにしたオリジナルストーリー」
であるらしく、ズッコケたりしてたんだが、公開初日に観に行ってみき、小説を読み返して、どこがどんな風に原作をもとにしたオリジナルストーリーなのか原作ファンとして分析してみました。
探偵はBARにいる3の原作は・・・
原作は、なんと、小説第一作の『探偵はバーにいる』がだいたい30%、小説第11作の『旧友は春に帰る』が2%、残りの68%が全くのオリジナルだという結果になりました。
%の割合は、私の独断と偏見です。
独断と偏見の塊です。
ので、苦情は恐いので、広い心でお願いしまーす!
探偵はBARにいる3のあらすじ(ネタバレ注意!)と、私的な原作含有率
大学の後輩にあたる現役大学生の男、原田誠(前原滉)から、同棲している短大生の彼女である諏訪麗子(前田敦子)が行方不明になり探して欲しいと依頼を受ける。
困っている人を助けずにはいられない性分の主人公、俺(大泉洋)は、軽い気持ちで調査に乗り出す。
で、依頼人の原田誠へ報酬の要求は「払えるだけでいいよ」と言うところ。
一方、行方不明の諏訪麗子は彼氏に内緒でデートクラブで働いており、大事件に巻き込まれていたのであった。
でも、事件解決後にのほほんと帰ってきて、探偵が彼氏に適当な理由をつけて無事元サヤに収まる。
というのが、原作の『探偵はバーにいる』の30%。
また、
現役を退いて何年も経った伝説元娼婦、モンロー(鈴木砂羽)が登場するところ、と、
「忙しくなる前に、まずたっぷり寝る」
という意味合いのセリフのその部分だけ、『旧友は春に帰る』のエッセンスが2%配合されているのです。
また、映画では原作の『探偵はバーにいる』にモンローのヒモである〝ハル〟というクズが登場しますが、映画では志尊淳演じる、波留(ハル)という名の敵役の用心棒が登場します。
が、ただただ名前がハルなだけで原作とは無関係につき、%には含めませんでした。
改めまして、『探偵はBARにいる3』の原作は、小説第一作の『探偵はバーにいる』がだいたい30%、小説第11作の『旧友は春に帰る』が2%、残りの68%が全くのオリジナルであるとして、当ブログの結論といたします。
(すればー?)
これから原作を読む人へ
映画が面白くて、これから原作を読もうって人は、まず主人公の〝俺〟のイメージが崩れてガッカリする可能性がありますので、あらかじめ注意が必要です。
まず主人公の俺は、映画では大泉洋さんが演じ細身でスポーティーですが、原作では、デブです。
想像では東直己さんに近い体形です。
※写真は、映画『探偵はBARにいる3』にカメオ出演している東直己氏。
映画同様、派手に動きまくりますが、すぐに息切れしたりします。
大泉版の俺が好きな人は脳内で洋ちゃんに置き換えて読みましょう。
そして、映画ではネクタイは信条としてしない的で、ラフな格好をしていますが、原作では非常にこだわってダブルのスーツなどを着用しています。
見方によってはただただガラが悪いチンピラですので用心しましょう。
※〝俺〟は、どちらかというと、画像のリリー・フランキーさんのような恰好です。
原作好きはそこが好きなんだけどねー。
つりばんど 岡村
最新記事 by つりばんど 岡村 (全て見る)
- 保護中: テスト104 - 2023年10月21日
- 舞いあがれ!片づけいらずの紙ふぶき - 2021年2月26日
- コサックダンスが踊れるマシーン! - 2021年1月3日
最近のコメント