【明るい宿無し生活】健康ランド編

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精神崩壊寸前

 

それまで余裕で暮らしていたものの、駐車場の一件以来、毎日ビクビクビクビクして暮らすようになった。

 

精神的にもまいってきている。

 

事務所に潜伏しながらベッドで

 

『本格的に、別の住みかをさがさねばならんな』

 

と考えているが、考えて金ができるはずもなく

 

『やっべ~な~』

 

と思っていると

 

ガタンッ!!

 

と大きな音がした。

 

うすうす勘づいた社長が抜き打ちで来たのである。

 

 

『社長が来たんだ!!』

 

『・・・とりあえず土下座だ』

 

と思い、申し訳なさそな、情けなそうな笑顔を作って部屋を出ると社長はおらず、
換気扇フードにひっかけた洗濯ばさみがたくさんついた、あの干すヤツが洗濯物ごと床に落ちていたのであった。

 

 

「もーいや、こんな生活!」

 

 

※この洗濯ばさみのバケモノみたいなのはピンチハンガーというらしいです。

 

 

と、とにかく金はないが、自分は出ていくことにした。

 

 

知力・体力・時の運 三つ揃って健康ランド

 

 

※写真は私の心の故郷、スパ昭島(2010年惜しまれながら閉店。って、閉店したの知らんかった)。

 

原チャリでブラブラしておったら、いいことを思いついてしまった!

 

昭島市に当時、24時間営業の大型健康ランド、スパ昭島があった。

 

その健康ランドは入場料が大人、2,000円。

深夜0:00を過ぎると当時は、延長料金が1,000円取られた。

つまり一泊3,000円である。

一か月を30日としたら、90,000円であり、家賃よりずっと高い。

調べてみると、この健康ランドにはマンスリー会員という制度があり、当時は一か月10,000円を支払うと、入場料が無料になるのであった。

 

つまり、1,000円の30日分=30,000円、マンスリー会員費15,000円、しめて45,000円也。

これならなんとかなる。

これで、個室こそないものの、ゆっくり眠ることのできるレストルーム、映画鑑賞ルーム、TV見放題、
宴会場でカラオケ聞き放題(歌うと一曲200円)、ゲームセンターあり、図書館あり、食堂あり

バス・トイレ付、

〝付〟

なんてもんじゃない、大浴場!サウナ!滑り台つき流れる温泉!

トイレはもう数えきれないくらいある!

 

温泉とトイレ、レストルーム以外は男女別れていないので刑務所のようなむさくるしさもない。

 

健康ランドで仲間ができた!

 

 

何日もそこで暮らすと、顔見知りもでき、何人かと仲良くなった。

 

そいつらはみんな世界を旅するバックパッカーなんであった。

話してみると、この施設の隣には某宅配業者の集荷場があり、夜間は、その集荷場でバイトして
朝になるとこのスパ昭島で寝る。

夜また出ていく。

そうすると、夜間の延長料金を取られることなく、毎月のマンスリー会員費の15,000円だけで一か月生活できるのである。

そして金が貯まれば、再び海外に旅に出るのだそうだ。

 

なんと羨ましい。

 

海外に行くことがではない。

 

マンスリー会員費だけで生活できる点が羨ましい。

 

ということで、このスパ昭島、今はもう閉館したとのことだし、時効なんで書くが、
私は、ラミネートで簡単に作られたマンスリー会員証を偽造して、延長料金のみで生活し、一か月30,000円を支払い、
この施設を利用しておったのである。

 

私が金持ちになったあかつきには、恩返ししたかった施設だけに、閉店が悔やまれる。

(うそつけ)

 

当時、スパ昭島のテレビでクイズミリオネアという番組を観ながら、金の有難みのわからん連中め!と画面を睨みながらみていたことを思い出す。

 

(つづく)

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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