【名古屋嫁入り物語のフォーマット】記憶だけでよみがえらせられるか?

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知っていますか?名古屋嫁入り物語

その昔、名古屋嫁入り物語という二時間ドラマのシリーズがあった。

シリーズといっても、キャスティングと設定がやや変わるだけで、言わば、まあ、毎回同じ話。

で、毎回、

「これが名古屋だ!」

「これが名古屋の嫁入りだ!」

と主役の植木等が、二階の窓からお菓子を放り投げながら言うシーンがクライマックスになるのだがこの話、周りの人間に尋ねても、誰もしらんので、全国的に嫌われている名古屋出身者として、ここでその毎回だいたい同じこのドラマの流れを説明することにする。

別にしなくてもいいのだが。

名古屋嫁入り物語冒頭

まず、植木等(三重県出身)と、山田昌(名古屋の名女優)が、名古屋在住の夫婦である。

この夫が主役である。

この夫は、異常なほどの名古屋愛に溢れている。

「そんな名古屋人いるかよ!」

というくらい名古屋愛が強い。
半面、名古屋人以外、特に東京人を毛嫌いしている。

で、この夫婦には一人娘がいる。
毎回決まって一人娘である。

で、この一人娘役はだいたい、かとうかず子か川島なお美である。
かとうかず子も川島なお美も、もちろん名古屋出身である。

で、このかとうかず子演じる一人娘は、だいたい東京者と恋に落ちている。
その上、結婚の約束をしている。

東京人嫌いな父親に東京者と結婚することを告げ

「なあにいぃぃ?」

「東京者だあぁぁ?」

「名古屋人とでなきゃ結婚は許さぁぁぁん!!」

などと言う親子喧嘩からこのドラマは始まる。

婿は、だいたいコニタン

で、この東京者のフィアンセは、空気の読めない男である。

空気の読めない義理の息子役といえば小西博之、コニタンである。

はぐれ刑事純情派でもこの空気の読めなさは発揮されている。

息子はだいたい動物園で働いている。

父親にとってこいつは、空気は読めずに忌々しい存在だが、まじめな態度にそこまで東京者も悪い人間ではないことに気が付きはじめる。

名古屋嫁入り物語中盤

娘の幸せを願い、結婚を許し、夫婦そろって東京の婿(コニタン)の実家に挨拶に行く。

挨拶に行く途中で、東京の蕎麦屋に立ち寄る。

毎回立ち寄る。

で味噌煮込みやきしめんを注文して、「無い」と言われる。

で、そこの蕎麦屋には隣の席の客として漫才師のおぼんこぼんがいる。

毎回いる。

で、おぼんこぼんが

「やっぱり蕎麦は東京だね」

「この間、出張で名古屋に言ったが、食えたもんじゃないよ」

「きしめんとかいって、鰹節をバンバンかけちゃって」

「その上、みゃーみゃー言っちゃって、名古屋人はまるで猫だね」

などと唐突に名古屋の悪口を言い始める。

それを聞いて

「なんだ、お前たち!」

「名古屋をバカにするのか!」

などと喧嘩になる。

で、

「やっぱり東京者は許せぇぇぇん!」

と怒り心頭に発し、なぜか娘の縁談も破断になりかける。

名古屋嫁入り物語終盤

が、よくわからんが、情にほだされる形で東京人の良さを知り、許すことになる。

で、いよいよ縁談もまとまり、結納の日になる。

が、ここで婿はぶっちする。

無断欠勤をかます。

いよいよ父親も

「やっぱり東京人に娘はやれーん!」

と怒り狂うが、半日くらい遅刻して婿がやってくる。

聞けば、動物園のゴリラかなにかの子供が急病になり、必死で寝ずの看病をしていたとかでの遅刻だと判明。

名古屋嫁入り物語クライマックス

それを知った父親は

「さすがワシの息子じゃ!」

などといって本格的に息子を愛し始める。

で、いよいよ結婚式当日、近所から集まった人々に対して、二階の窓から

「これが名古屋だ!」

「これが名古屋の嫁入りだ!」

とお菓子を撒くのである。

あとは、名古屋人が観たこともない名古屋の結婚のしきたりなんぞをふざけ半分で紹介し、後日、生まれた孫を抱いて喜ぶ老夫婦の姿があった終わりである。

って、名古屋嫁入り物語は、だいたいこういうドラマです。

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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