【映画〝勝手にふるえてろ〟】ネタバレあり。感想、及び勝手なイチャモン。

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松岡茉優 映画初主演作品、綿矢りさ原作、『勝手にふるえてろ』

ある映画評論家が

「映画とはイイ女を観るためのもんである」

というようなことを書いていたが、そんなことを言ったら、藤山直美主演の『顔』を観に行った俺の立場がねーんだよ!

むしろ見どころがイイ女というだけのアイドル映画なんぞは観てらんねーの!

と常々思っている私が、主義主張を一切無視して

「ただ単に松岡茉優を観たい!」

有名人にちゃん付けのヤツが嫌いなくせして、そういうイデオロギーも一切無視して

「松岡茉優ちゃんを観たい!」

という、いい年をして気持ちの悪いことを考えながら映画館に潜入。

偉そうに感想を書きていくことにします。

※画像は藤山直美主演、タイトルはずばり『顔』。別に許してもらわんでもええよ。

この映画、不気味だけど面白いよ。

あらすじ

24歳のOLヨシカは、絶滅した動物への変質的な愛と、まともに会話をしたことさえない中学の同級生〝イチ〟への10年にも及ぶ脳内片思いを引っ張り続けて恋愛経験の無い女。
そんなヨシカに会社で働く同僚〝ニ〟から突然、人生初の愛の告白を受ける。
告白を受けたことは素直に嬉しいが、片思いのイチへの執着抑えがたく、ニに対しての恋愛にも本気になれぬ状態が続く。

脳内恋愛の彼氏か、リアルな彼氏かの間に挟まれ、何を信じていいのかもわからぬまま思いつくままに暴走する、空耳アワー大好き女の恋愛コメディーである。

40を超えたオヤジが一人で観に行くにはまことに似つかわしくない作品だが、ハッキリいって観ていて泣きそうになったのである。
(生き恥)

なので、オッサンが一人で観に行っても大丈夫です。
(それはオッサン自らが決めることではないような気がする)

勝手にふるえてろへの感想

小気味良いリズムでジャブのように繰り出されるギャグと、カッコいい映像で、まあ、一言でいえば、オシャレ映画。
且つ、松岡茉優の演技力の高さ。
飽きのこない鬼ごっご的なストーリー。

ギャグもストーリーも女性向け。
同年代の女性なんかは身につまされたりしてなかなかに高評価ではないかと思われる。

松岡茉優を大画面で、ドアップでこれでもかと観続けられるのでファンは必見である。

あえて映画にイチャモンをつける

私としては、映画を楽しめた半面、観に行った目的が松岡茉優を観るためだけだったとは言え、正直、脳内彼氏(イチ)にも、リアル彼氏(ニ)にも感情移入できず。
彼氏役に感情移入できない恋愛映画は、観ていてただただ彼氏に対して

「なんでこんな野郎に!」

とムカついて悔しいだけ。
『モテキ』にしても、同様。

男性陣に感情移入てきない理由①~ニの振舞い~

私なんかこいつが初めて二人で行ったデートで、クラブで酒飲んで吐いて

「もっと他のところ行きたかった」

だの

「安酒がどうのこうの」

などとクダまいてるシーンで、このキャラが嫌いになりましたからね。
ここでこいつを嫌いにさせる必要があったのかと。

「すみませ~ん」

とかっこ悪く吐く程度でよかったではないか。

それがあって、まったく感情移入できん。
もうちょっと、冒頭の段階でこいつに愛すべき要素をいれておくべきだったのでは?

男性陣に感情移入できない理由②~ニがヨシカに惹かれたのは顔だけでしょ?~

そもそも主人公ヨシカに対して、こいつが告ってきたのって、ただ単に可愛いからだけでしょう?
他に対した接点もないわけだし。

胸に付箋がどうのこうのというのは、あくまで後付けの理由である。

「ただ、可愛かっただけ」

で近寄ってきただけなのである。

それなのに正直ここまで面倒くさい主人公に一生懸命愛を注いだりするか?
もっと明確に

「こうこうこうだから、ニはヨシカに対して強く惹かれていったのである」

が無いので、物語としてヨシカとニの恋愛が、薄っぺらくなってしまっている。

男性陣に感情移入できない理由③~イチのキャラが謎すぎる~

で、脳内彼氏のイチだが、こいつは最初から最後まで何者だったのかが不明である。

いじられキャラでいじめられっ子でミステリアスで終始よくわからんヤツ。

で、最後は、なんかヨシカの名前を知らなかったというだけで、なんとなく嫌な奴で締めくくられてしまったが、実はイイ奴なんじゃないか?

ヨシカとの趣味は合うし。
名前を覚えればいいわけだし、10年間にも及ぶ強い片思いの意味は?!

名前を知らなかっただけでは、つじつまがあわんだろうが!やいやい!

と思ってしまった。

映画『勝手にふるえてろ』全てを根本から覆すイチャモン

こんなことを言いだしたら、まったくすべてを台無しにしてしまうのだが、だいたい松岡茉優のようなイイ女が、24年間恋愛経験が無く、誰からもまともに相手にされていないなんていうところが腑に落ちん。
今まで誰にも相手にされなかったキャラなんだから、先述の藤山直美に主演してもらえ!

って、それじゃ誰も観に来ないか?
俺は観に行くけどね。
多分。
っていうかまあ、行けたら行くけどね。

松岡茉優の魅力全開!

映画を観終わった率直な感想は、

松岡茉優よ!イチもニも捨てろ!
二人とも捨てて俺んところへ来い松岡茉優!

俺んトコへ来て、女優でますます頑張って俺を食わせてくれ!

と虫がいいにもほどがあることを思ったのである。

(思えばー?)

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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