【突然のリストラ危機】 その時、私の右往左往②

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新潟では毎晩酒盛り

 

東京で働く後輩たちも一緒に新潟に来ていて、一緒のウィークリーマンションで生活しており、毎晩、誰かの部屋に集まっては酒盛り。

 

「岡村さん、俺たちは残ることにしたんですけど」

「岡村さん、うらやましっす!」

 

というので、思い切り二枚目の顔を作って

 

「まあ、私の場合、商社に決まったからねえ」

 

「商社マンなんで、商社のマンなんで」

 

「がはは」

 

と答える。

 

「俺たちにも紹介してくださいよ!」

 

 

と羨望の眼差しであるため

 

「まあ、私もこれからだが、絶対にのしあがるから」

 

「その時には君たちを呼び寄せるよ!」

 

「でも英語は勉強しなかればならんぞ!」

 

「何しろ買い付けにもいかなくちゃだからなあ!」

 

「がはは」

 

と毎晩おんなじ話で飲んだくれておったのである。

 

帰京

 

新潟出張が終わり、東京へ帰ると、会社残留組の後輩兼、上司のM君が

 

「岡村さん、新業務、一緒にやりましょうよ!」

 

「辞めないでくださいよ!」

 

と言う。

 

この言葉は、当時の私を一番喜ばせた。

なぜかと言うと

 

「まあ、私の場合、商社に決まったからねえ」

 

「商社マンなんで、商社のマンなんで」

 

「がはは」

 

と答えられるからである。

 

なので、もちろんこの時も、一連のがはは笑いをしておった。

 

 

待ち合わせの喫茶店

 

さて、東京にも戻ってきたし、改めて商社の人に電話をして喫茶店で待ち合わせし、落ち合った。

 

「改めて上司に掛け合ったところ」

「今いる人材でがんばることになった」

「すまん」

 

すまんで済んだら警察いらねーんだよ!

 

と思いながらも、ごたごた言ってもどうにかなる話でもなさそうだし、ケンカして入社して、いい仕事になるとは思えないし、黙って引き下がってやろうと思って店を出た。

 

泣くに泣けないとはこのことを言うんだな。

と思いながら、店を出て数歩のところで会社に電話。

 

「M君はいますか?」

「今、代わります」

「もしもしMです」

「あ、M~?やっぱり新業務一緒にやるわー!」

 

ということで、会社に残留を決めたのである。

 

この後2年間、新業務を行ったのだが、これが未だに語り草の、楽しくて、得難き仲間を得られることになるのだから人間なにが幸いするかわからんもんである。

だからどんな時でも希望を捨ててはならないのである。

 

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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