もくじ
焼かないビビンバが食べたい!
邪道であったものが、時を経て王道になることが有る。
何の話かというと、石焼ビビンバの話である。
私、ビビンバ大好きです!
でも、石焼ビビンバ許してません。
ビビンバといえば、石焼ではなく、ビビンバであり、何の意味でああして熱して食べるのが意味のわからん石焼ビビンバに対しては
「なんだこの新参者め」
「すっこんでろ!」
と言いたいくらいである。
消えつつある普通のビビンバ
にもかかわらず、最近は焼肉屋で石焼ビビンバしかない店が多い。
ので、ビビンバが食べたいときには
「あの~、普通の、焼かないビビンバありますか?」
などと確認せねばならんことになる。
「あの~、普通の、焼かないビビンバありますか?」
と確認すると、店員さんも店員さんで
『焼かないビビンバってなに?』
『石焼きこそがビビンバでしょ?』
『焼きそばを焼かずに出してって言ってるのと同じだよ?』
『もしかしてこの人バカ?』
というような表情になり
『あんまり関わらないでおこう』
『常連になられちゃ困るから、怒らせない程度に失礼に接しよう』
という様な態度で、ひきつったような笑いで
「焼かないんですね?」
「出来ます出来ます」
と言って石焼ビビンバの石を熱せずに出されたりする。
ああ、許せん!
石焼ビビンバではなく、ただのビビンバを忘れてもらっては困るのだ!
混ぜて食べるのが嫌い!
だいたい石焼ビビンバの何が気に食わないかと言って、はじめから混ぜて食べることを前提にしている点が気に食わない。
と言うと
「え?焼かないビビンバだって、はじめから混ぜて食べるの前提なんだよ?」
「お前バカ?」
などと韓国料理通ぶった者が必ず現れる。
あのねえ、私はねえ、なんでも混ぜないで食べるのが好きなんだよ!
ビビンバもなるべく混ぜずに、そぼろ肉ならそぼろ肉、ワラビならワラビとそれぞれの味をそれぞれに楽しむのに全部グッチャングッチャンにしちゃったら何が何だかわからんでしょうが!
だいたい私は卵かけごはんだって、あんまり混ぜずに白身なら白身、黄身なら黄身とそれぞれの味を楽しんでおるのである。
そうするとよく混ぜる派の人間は生卵をあまり混ぜない私のことを、気持ちの悪い人間と決めつけてくるので尚更腹が立つのである。
混ぜて食べる派
食べ物をぐちゃぐちゃにかき混ぜて食べる人間がおる。
もうなんでもかんでもかき混ぜて食べる。
冷やし中華、石焼ビビンバなどはまあいいとして、カレーライス、なかにはうな重なんかも全部ぐっちゃんぐっちゃんにかき混ぜてから食べる。
だからといってそれをどうこう言うつもりはない。
好きに食べればいいのである。
では、なぜ私が混ぜて食べる派何が許せないかと言うと、混ぜて食べる派は、混ぜずに食べる派の私に対してイチャモンを付けてくるから腹が立つのである。
どうイチャモンを付けるかと言うと、例えばそいつが冷やし中華もグッチャングッチャンに混ぜて食べている時に、混ぜて食べる姿を見ている私に対して急に
「あのねえ!」
などと大声をだし
「冷やし中華はもともと混ぜて食べるものなの!!」
などと言い放ち、
「誰がそんなこと決めたんだこのやろう!」
と言いたくなるようなイチャモンを付けてくるのである。
そっちがそうくるのであれば、本来混ぜて食べるべきものもなるべく混ぜずに食べるのが好きな私からも物申してやることにする。
混ぜて食べる派は、だいたい大雑把な人間が多い。
ステーキをあらかじめ全部切っておいてから食べるような奴である。
もうお前なんか寿司も桶に入っているのを全部かき混ぜて食べろ!
みんなで食べる鍋なんかもぜんぶグッチャングッチャンにかき混ぜて食べてれりゃいいわ!
つりばんど 岡村
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