もくじ
カッコ悪い振られ方
1994年、私が二十歳の頃の話だが、友人のMというのが同窓会で再会した元同級生を好きになってしまい
猛烈にアタック。
当時公開された〝ヒーローインタビュー〟という、映画好きなら決してみない作品の前売りチケットを二枚購入。
「チケットがあるので一緒に観に行きませんか?」
と、古風極まりなく誘ったところ
「彼氏がいるので」
とフラれてしまった。
その後、Mから泣きながら電話があり、近所の居酒屋に集められた友人数人で急遽慰労会を行い、はじめは慰めたりしていたが、
「っていうかさ、よりによってヒーローインタビューってことはないわ」
「実は彼氏なんて居なくて、映画のチョイスにセンスのかけらも無いからフラれたんじゃないか?」
などとからかい始めたところ、ベロベロになったMが
「うるせえ!」
「女なんかくそくらえ!」
といって居酒屋を出て行った。
「バカじゃねえの?」
と言いながら残ったメンバーで楽しく呑んでおったら十数分後にMが帰ってきた。
話を聞くと街に一件だけあるピンサロに行ったものの、0時を回り閉店しておったのですごすごと帰ってきたとのこと。
この時、我々は、これほどカッコ悪いフラれ方もないなと、大江千里の〝恰好悪い振られ方〟を全員で大合唱したのである。
※振られ方の前に、まずCDのジャケットが恰好悪い
よくいるカッコ悪い振られ方のヤツ
まあ、フラれるというのはそもそも恰好が悪いものであり、恰好の良いフラれ方なんてないと思うのだが、中でもよくいる恰好が悪いフラれ方しているヤツは、Mと同じように相手に既に彼氏がいるために恋が叶わなかったヤツに
「まあ、相手の子が幸せになればいいじゃん?」
などと励ます男友達に対して
「俺が幸せにしたかったんだよ!」
と言うヤツ。
これ言われると励ましてるほうも、
「知るか!」
と言いたくなる。
キレたように
「俺が幸せにしたかったんだよ!」
と言って、キッ!という感じで睨んだりする。
「俺に当たってどうする!?」
「そういう風だからテメーはフラれるんだよ!」
などと言って喧嘩になったりする。
慰める人にあたるフラれ男はよくいるので注意しましょう。
街で見かけたカッコ悪い振られ方
またあるとき原チャリで信号待ちをしている時に見たのは、
横断歩道で男を振り払ってズンズン歩いていく女を必死に追いかけて腕を引っ張って引き止め
「俺、お前のことが心配なんだよ!」
と言った男をさらに振りほどいて女がスタスタと歩いて行ったところを見たことがあるが、これもまあ、恰好悪い振られ方だよなあと思ったものである。
私の恰好悪い振られ方①
告白直後、
「なんであなたが好きになれないんだろう?私B専(ブサイク専門)なのに・・・」
と言われたことがある。
いや、それは俺がブサイクじゃないってことじゃねえのか!
と未だに腹が立つ。
私の恰好悪い振られ方②
放送作家の見習いをしていた当時、それを聞きつけた旧知の美人から連絡があり、夜の10時に居酒屋で待ち合わせ。
期待に胸を膨らまして会うと
「放送作家の〇〇さん(超売れっ子)と合コンで連絡先交換したんだけど」
「最近、連絡が帰ってこない」
「ツテを使って連絡を寄こすように伝えて欲しい」
と言われたことがある。
カッコ悪い振られ方列伝
フラれた直後、相手に対して
「俺の負けか」
と言ったダサいヤツ。
「好きな人より好きになってくれる人と一緒になった方が幸せになれるらしいぞ」
と聞いた風なことを言うヤツ。
『そろそろ彼氏と別れたのではないか?』
と、間違ったふりをしてメールやLINEを送るヤツ。
日本一周の旅に出てしまうヤツ。
世界一周の船旅に出てしまうヤツ。
全員カッコ悪い振られ方な上、非常にバカだが、最終的に立ち直るそういうバカどもを、日本海ぱんく通信は応援していまーす。
(すれば?)
つりばんど 岡村
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