差し押さえは突然やってくる
忘れもしない2013年9月16日、月曜、祝日、敬老の日。
その日、私は休日であり、当時の私の休日の過ごし方としてルーティーンになっていたスーパー銭湯へバスに乗って向かった。
スーパー銭湯の最寄のバス停で降りると、財布の中が130円になったので
「サウナに入る金含め当面の生活費を引き出しておかねば」
と、近くにあった銀行のキャッシュコーナーに入る。
毎月15日が給料日だが、9月15日が日曜ということで、前倒しの9月13日の金曜日に振り込まれている。
「さて、今月はいくら入ったかな?」
と思いながらキャッシュカードをATMに挿入する。
「三か月に一回支払われる交通費も入るはずだからいつもより多いはずだぞ」
と思い、ATMの画面の〝お引き出し〟を選択して押す。
「さあ、今日はサウナに入って、夜は寿司を食べよう!」
と思い、ATMに求められるままに暗証番号を入力。
「寿司もいいけど、焼肉もいいなあ」
などと思い、引き出し金額を3万円と入力した。
すると
〝しばらく、そのままでお待ちください〟
という女性っぽい機械の音声が流れ、ATMの中で札が
ガガガガガガガ・・・・
と数えられる様な音がする。
で、少しすると
〝恐れ入りますが、もう一度はじめからやり直してください〟
という音声が流れて、差し込んだキャッシュカードが押し戻されてくる。
画面には銀行員の男女が頭を下げているイラストが表示される。
「はて?」
「3万円程度で残高不足のはずはないが?」
まあ、何かが間違ったんだろう。
「まあいいや」
と深く考えず、差し戻されたキャッシュカードをもう一度、ATMに挿入。
「さて、今月はいくら入ったかな?」
と思いながらキャッシュカードをATMに挿入する。
「三か月に一回支払われる交通費も入るはずだからいつもより多いはずだぞ」
と思い、ATMの画面の〝お引き出し〟を選択して押す。
「さあ、今日はサウナに入って、夜は寿司を食べよう!」
と思い、ATMに求められるままに暗証番号を入力。
「寿司もいいけど、焼肉もいいなあ」
などと思い、引き出し金額を3万円と入力した。
すると
〝しばらく、そのままでお待ちください〟
という女性っぽい機械の音声が流れ、ATMの中で札が
ガガガガガガガ・・・・
と数えられる様な音がする。
で、少しすると再び
〝恐れ入りますが、もう一度はじめからやり直してください〟
という音声が流れて、差し込んだキャッシュカードが押し戻されてくる。
画面にはさきほども登場した銀行員の男女が頭を下げているイラストが表示された。
何か、ただごとでない気がする。
とてつもなく嫌な予感がする。
急に残高0!
とりあえず、残高を確認しようと、みたびATMにキャッシュカードを挿入。
〝お引き出し〟ではなく、〝残高照会〟のボタンを押す。
求められるままに暗証番号を入力。
数秒待たせれたのち、ATMの画面になんと、残高が0円である旨が表示された。
「ちょっと、外の風に当たろう」
と思い、キャッシュコーナーを出た。
(つづく)
つりばんど 岡村
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