もくじ
肉体の門なわけ
「五社作品の世界観が好きなのだ」
という顔を作っている中学二年の私が、なぜこの映画を選んだのか?
退廃的で、滅びの美学の世界に惹かれていたのか?
や、単純に女の裸が観たかっただけなんである。
一人で観に行ったのか?
四人で観に行ったのである。
当時、この映画がとてつもなくエロいらしいと話題になっており、私が
「観に行かないか?」
と誰かを誘って、どこからかそれを聞きつけた者たちが
「俺も」
「俺も」
と、お互いよく知らない、クラスもバラバラな四人が集まったのである。
エロが結んだ縁とはこのことか。
(そんな縁ありません)
いよいよ観に行く
土曜日、四人集まって電車に揺られながら名古屋駅に到着。
みんなあまり口をきこうとしない。
上映している映画館に恐る恐る入って行く。
「子供同士でこんな映画みるんじゃない!」
と、止められるんじゃないかと思っていたからである。
「誰かが止められても、その隙に残った者達で突破しよう」
「一人が犠牲になればいい」
「One for all, All for one」
などと言い合っておったのだが、年齢制限がある映画ではないのですんなり入れて全員肩透かしをくらう思い。
上映開始
映画が始まったが、誰一人、芸術的な観点から観ているものはなく、まじめなシーンになると
『はやくベッドシーンになれ!』
と念じるように観ておった。
映画は必ず終わる
で、知る人ぞ知る、肉体の門のラストシーン、主人公が不発弾で、自らの命を、アジトもろとも爆発させる名シーン。
感動的なシーンである。
が、西川峰子の口に爆風が入り、スローモーションで、頬がぶわんぶわん揺れるのを観て、こらえきれず我らだけ全員大爆笑!
※写真は爆風時の西川峰子。このスローモーションを笑わずに観られる人はすごい!
「五社英雄も、二時間かけてすごいオチをつけるね」
などと言って帰ってきた。
※写真は平常時の西川峰子
後日談
もともと、お互いによく知りもしない同級生同士だったが、なぜかその後、その四人は疎遠になった。
同族嫌悪な上、思春期丸出し欲望丸出しのところを見せあった者同士で、どこか後ろめたかったのかもしれない。
この話、日本版スタンド・バイミーとして、来春に上映予定である。
ウソだが。
つりばんど 岡村
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