【俺の時代上司】お前の時代など、無い!について考える。

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俺の時代おじさん

 

ことあるごとに

「俺の時代は」

と言って鼻息を荒くする上司がおる。

 

「俺が現場でやってた時代は」

などとも言う。

こういう者にまず言っておきたいのは、

「お前の時代など、無い!」

ということである。

そいつの時代など、過去に一度も、無いのである。

だがしかし、そいつの脳内には、文久・元治・慶応・明治・大正・昭和・俺・現在といった具合に自分の時代が存在し、それを信じ切っているので悪質な新興宗教の信者のようにタチが悪い。

 

俺の時代発言の聞こえてくる場所

 

まず、この〝俺の時代〟発言は、会社内では聞こえてこない。

どこで聞こえてくるかと言うと、居酒屋で聞こえてくる。

居酒屋で数人の部下をひきつれて飲んでいるオッサン上司が言う。

で、そいつは、「俺の時代は」と言った後、何を語るかと言うと、

「俺の時代は無茶やってさ」

「とにかく無茶苦茶だった」

と、せいぜいが無茶やっただけの、ただバカだった行動を、さも武勇伝のごとく語る。

ただもう無茶やって、たまたま上手くいったか、失敗したがお咎めがなかった程度の話を口角泡飛ばしするのである。

何かを成し遂げたとかそういう話ではない。 

俺の時代上司と部下たち

「俺の時代は無茶やったなあ。」

「上司にもケンカ腰だったよ」

「また、それが通る社会だった」

と、まるで自分が社会を動かしていたような物言いで

「もっと上司にぶつかって来いよ!」

などと言って部下達を鼓舞する。

言われた部下達も困って

「はは、そうすね」

と適当に作り笑いをしているが、俺の時代上司が

「そうじゃねえんだよ!」

「ぶつかってこいよ!ぶつかって!」

「おら、スケールのでかいことやろうぜ!!」

「今はお前らの時代なんだよ!」

と、あまりにもしつこいので、部下のひとりが

『だったら』

と思って、普段思っているそいつへの不満の百分の一程度のことを伝えると、茹でダコのように真っ赤になって怒り出し

「なんだその態度は!」

と言ってしまったが、さすがに自分で矛盾を感じ、必死で自己弁護するために

「お前らは、ぶつかり方が甘い!」

「もっと正面からぶつかってこい」

と抽象的な表現をし部下たちをけむにまいて

 

「まったくお前らはケンカのやり方もなっちゃいねえ」

 

「お前らの時代はゲームばっかりしてケンカもしたことがねえんだろ!」

「俺の時代は、殴りあってから仲良くなったもんだ」

 

「お前らの時代はカツアゲとかなかっただろう?」

 

「おい、お前ら何中だ?」

 

「西中の稲垣知ってるか?」

と訳のわからないことを言い出し

 

「俺の時代は、もうちょっと上司に対する思いやりがあったもんだ!」

「俺の時代は、刺身のいいところは上司に譲ったもんだ」

 

と、とにかく自分に都合のいいことの枕詞として、俺の時代とつけているだけの状態になり

 

「お前らの時代なんだからお前らがここの勘定を払え」

と言って金を払わせ、帰りたがっている部下たちを無理やり連れてカラオケに行く。

 

嫌な二次会

 

 

部屋に入ると

「なんか適当に、俺の時代の曲、入れといてくれ」

と言い放ち、言われた部下は仕方なく、適当に上司の好きそうな曲をデンモクで入力する。

上司の歌う順番が来たので、上司がマイクを持ってステージに立ったところ、

パッパーラッ パーラーララー!

(ドドンドドンドドンドドン)

パッパーラッ パーラーララー!

(ドドンドドンドドンドドン)

 

 

と、〝お嫁サンバ〟のイントロが流れてきたことに憤慨し

「バカにするんじゃねえ!」

「俺の時代は、お嫁サンバじゃねえ!」

と怒鳴り散らすも

「恋する女は奇麗さー決してお世辞じゃないぜー」

と、一応は、タンバリンを振り回し、

 

「花の咲くのはこれからなのにぃぃぃ!」

「つぼみのままで良いわというの!」

「ちょっとっ、ちょっと、待ってよちょおっと~!」

 

と、一心不乱に目を閉じて熱唱しているスキに、部下たちは全員帰宅したのであった。

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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