【教えたことを、教え返してくる】「それ、私が言ったんですけど?」

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「それ、私が言ったんですけど?」

 

例えば、誰かに何か知っていることを話すとする。

 

聞いたそいつは、

 

「へえ!そうだったんですかー!」

 

などと言っているが、数日経つと

 

「ねえ知ってます?」

 

などと言って自分に教え返してくるケースがある。

 

巡り巡って、いつの間にか自分の知識として話しているのである。

 

そいつの話を聞きながら、一応

 

「へえ」

 

なんて言って相づちをうっているが、心の中では

 

『それ、俺が言ったんですけどー!』

 

と思うことになる。

 

大勢相手に言うヤツもいる

 

また、会議の席などで、自分が前に話したことを誰かが

 

「この間、思いついたんですけどー」

 

などと言って、あたかも自分が思いついたことのように言い、その説明に入ることがある。

表面上は一応、

 

「うんうん」

 

なんて聞いているが心の中では、

 

『それ、俺が言ったんですけどー!』

 

と思うことになる。

 

こういうことってありますよね?

 

腹が立つ。

 

 

後輩の「ワーカホリック」の誤認識

 

ある日、職場の後輩が、ある人に

 

「あなた、ワーカホリックですね~」

 

「すばらしい!」

 

などと言っているのをみて、あとで

 

「あのさ、ワーカホリックって仕事中毒ってことだから、褒め言葉じゃないよ」

 

と正したところ

 

「あ!そうだったんですかー!」

 

「俺、褒め言葉と思ってました!」

 

と言って胸ポケットから手帳とペンを取り出し、

 

「え~と、ワーカホリック、褒め言葉じゃない、っと」

 

と言いながらメモしておった。

 

数日後

 

それから数日経ったある日、私が仲間に

 

「俺、なんだか最近、ワーカホリック気味になってきたかも」

 

と言ったところ、それを聞きつけた件の後輩が、私のそばにツカツカとやってきて

 

「岡村さん、ワーカホリックって、褒め言葉じゃないんですよ~」

 

と私の肩に手をまわし、やれやれ、と言った感じで首を左右に振りながら

 

「あんまり人に言わない方がいい」

 

と、諭すように言ったのである。

 

あまつさえ、往年の宍戸錠のように

 

「チッチッチッ」

 

と、人差し指を左右に振ったのである。

 

 

我慢の限界を超えたので、

 

「や、あのさ、俺自身がワーカホリック気味でいかんな、と言っただけで」

 

「別に褒め言葉として使ってないし」

 

「だいたい、それ、俺がお前に教えたんだけどー!」

 

 

と言うと

 

「あ?そうでしたっけ?」

 

と言って鼻水を垂らし

 

「スンマセ~ン」

 

と言い、心ここにあらずの表情をしながら立ち去り、

 

『どこかでワーカホリックと口に出す者はおらんかな?』

 

と思いながら職場内、ワーカホリックの誤使用パトロールに出かけて行ったのである。

ムカつく。

 

 

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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