【新入学直後に注意せよ!】一学期早々人気者になる危険性について考える!

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スタートダッシュの危険性

『一学期早々クラスの人気者になる者は、夏休み前までに没落する』

という格言をご存知だろうか?

恐らく知らんだろう。
なぜかというと、この格言は、私が今、勝手に作ったものだからである。

しかし、この格言、聞いたことがなくっても、なんとなく内容には納得いただけると思うがいかがか?

よくわからないという人のために、どういうことだかを、説明していくことにする。

入学直後が特に危ない!

入学式が終わると教室に連行され、ホームルームが執り行われ自己紹介などをさせられる。
これが、とてもめんどくさい。
こんなよく知らない人に自分のどこまでを紹介していいやら。

などと思っているとクラスの担任になったと言う男性教師が

「じゃあ、そっちの列から~」

と言って、自己紹介が始まっていく。

あんまり真面目に自己紹介してディープな部分まで紹介するわけにはいかないし、かといってウケを狙いに行ってもスベる確率が高いし、ま、適当にお茶を濁そう、と考え
せいぜい

「〇〇〇〇です。」

「趣味は音楽鑑賞です。」

「よろしくお願いします。」

程度でみんな済ませることになるのだが、この入学早々人気者になる者は、この自己紹介をきっかけとして人気者へのし上がるのである。

入学早々人気者になるヤツ風景

いよいよそいつの自己紹介の番がくる。

「え~と、〇〇〇〇でっす!」

「イタズラと給食のおかわりなら誰にも負けませ~ん!」

「でも勉強は苦手で~す」

「先生、ごめんちゃい」

などと抜かし、教室中にクスクス笑いが起こる。

教師も教師でそれを受けて

「まったくお前は~♡」

「面白いヤツだよっ!」

「ったく」

と答える。

その暖かな反応で、クラスの人気者になることを確信したそいつは

「でへっ」

といい、

「4649!」

といって着席する。

悲しいことだが、このクラスで最初の自己紹介でスラスラと自分のことを述べられること自体、その空気の読めなさ加減は、そいつの人気が二学期までには没落することへの裏付けとなっているのである。

なんで一学期早々人気者になるのが危険なのか?

なぜならこの時、クラスの中にはクスクス笑いの中で

『なんだアイツ?』

と忌々し気に思っている者が複数人おるからである。

『相手の素性もわからんで、よくもまあベラベラと』

『くそつまらんことを並べたてやがって』

と思っている者が少なからずおるのである。

こういうヤツらはだいたい陰険な者である。
つまり私のようなヤツである。

人気者は調子に乗りがち

で、その後もその人気者は、クラスではますますはじけ飛び、授業中に担任の男性教師から

「この問題分かる者~?」

と言われるや否か

「ハーイハーイ!!」

と元気よく、椅子からジャンプするように挙手をし、当てられると

「わっかりまっせ~ん!」

と抜かし、またまたクラスの仲間たちからのクスクス笑いを得、そいつの人気はますます上がっていく。

教師も教師でそれを受け、バカの一つ覚えのように

「まったくお前は~♡」

「面白いヤツだよっ!」

「ったく」

などと言い

『去年のクラスは学級崩壊に陥ってしまったが今年はうまく行きそうな気がする』

『こういうヤツがいるとクラスがまとまっていいなあ』

などと心底思い、満面の笑みで教室中を見渡すのである。

入学早々人気者に上り詰めたそいつは、勢いにのって入学早々彼女らしきものもでき、この世の春を謳歌し始める。

謳歌して、さっそく変形学生服などを着て学校にやってくるようになる。

『世の中ってちょろいな』

と思い込み

『そろそろ次のステップいくか?』

と学校にタバコを持ち込むようになり、授業中の態度も悪化。
イタズラも暴力を伴う度が過ぎたものが多くなる。

没落への階段

そうなってくると、こいつのことを入学式後の自己紹介の際から苦々しく思っていた者達が動き始める。

そのうちの一人が、ちょっとしたきっかけで

「あいつ、ちょっと鬱陶しくないか?」

という話を持ち出すと

「そうそう!」

「それそれ!」

という流れとなり、

「なあにが、〝イタズラと給食のおかわりなら誰にも負けませ~ん!〟だ」

「〝わっかりませ~ん〟じゃねえんだよ!」

と、それまでの人気者の愚行で話は持ち切りとなり、そいつに暴力を振るわれた者達賛同し、そいつ批判でクラスが結束していくことになる。
そうすると、人気者はあっという間にクラスでは浮いた存在となり、授業中のギャグも一切ウケなくなる。

自分批判でクラスが結束していることなどとは思いもよらぬそいつは、これまでウケていたギャグが、急にウケないので不安になり

「おい!お前笑えよ~」

と言って、前の席のヤツの背中をゲンコツで殴ったりするがウケるわけがなく、仕方なく苦肉の策で

「だっふんだ!」

と変顔で言ってみるも、白々しい空気にも拍車がかかり、教室中は遠くで鳴る救急車のサイレンが聞こえてくるような静寂に包まれたのをきっかけとして、夏休み前に没落したのである。

 

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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