【新潟シティマラソン2017】リベンジレポート 3/4

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だいたい人は18キロから歩き始める

 

先述のカップルの彼氏が言った通りにトンネルを抜けた18キロ地点から歩く者の姿が目立ち始める。

 

もう走っている人より歩いている人の方が多い気がする。

 

スポーティーな感じの女性とかも普通に歩いているので

 

『こんなスポーティーな人が歩いてるんなら、俺も歩こうかな』

 

などと頭によぎるが、やはり先述の彼氏の言葉を思い出し

 

『30キロまではガマン』

 

と走り続ける。

 

脚が痛くなり始めたので、持参していたエアーサロンパスを吹きかけようと一瞬足を停めたら

 

ガクガクガクガクッ

 

と震え始めたので、これはいかんとすぐに走り出し走りながらエアーサロンパスを吹き付けるという技を習得した。

 

「歩くと二度と走れない気がする」

 

「歩くくらいなら、例え歩くより遅くても走る」

 

を30キロまでの自分への戒めにする。

 

※写真では躍動感がなく、とても走っているようには見えないが、本人達はあくまで走っている。

 

お仕事いろいろ

 

地方局の女子アナも同行のカメラクルーを連れて走っている。

軽快に走っているが、途中で停まって生放送の中継に答えたりして、とても辛そうである。

 

『仕事とは言え、42キロも走るなんて本当にご苦労さまだよなあ』

 

と慈愛の気持で見ていたが、よく考えたら42キロを一万円支払って出ている俺の方が、何を好き好んで走ってるんだかと自虐的になってくる。

 

それでも、とにかく走る。

 

 

28キロ地点でボランティアのおじさんが大声で

 

「ほら、走ればいーんだよ!走れば!」

 

と応援ともなんともつかぬことを言っている。

 

そんなことは、全員わかってんだこの野郎、と思う。

 

ようやく30キロ

 

30キロ地点に到達。

 

結構、貯金も出来たはずだ、と、もう歩くことにする。

歩くと、今までそこまで感じなかった脚の痛みが猛烈に感じるようになる。

走ることで痛みを感じにくくなるものと思われる。

 

すると、そこへダースベーダーのコスプレの男が仮面を脱いで走ってきた。

沿道から

 

「仮面被んなきゃダメじゃん」

 

の声がする。

 

このクソ暑いのに、ひでえこといいやがる、と思う。

 

 

ゴールまで12キロ、残り時間2時間半。

 

途中で

 

「間に合うかな?」

 

「このペースだとギリギリアウト」

 

と話し合っている声がする。

 

貯金しているつもりだが、実はギリギリであるらしい。

 

しかしながら、再び走りだす元気がない。

とりあえず、休憩がてら、しばらく歩くことにする。

 

歩いていると、35キロ地点で当初一緒に走っていたSと合流した。

 

試しに1キロ歩いて時間を計ってみたら15分かかった。

 

キロ15分。残り12キロ×15分=180分。

三時間。

 

タイムアウトである。

 

「7時間あればスタートからゴールまで歩いても完走できるとか言ってたヤツ(俺だが)いたけど、やってみろってんだよなあ」

 

とSに話しかけると、すぐ横に居たおじさんが

 

「本当にそうだよねっ!」

 

と激しく同意してきたので驚くと同時におかしかった。

 

(つづく)

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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