【長い自己紹介の続き】続・此の馬の骨はかなりアホ也②

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女だらけの職場で働きたい!

会社を辞めたはいいが、今時の引きこもりとか、ニートなどと呼ばれる者のような生活を許してくれるほど、うちの母親は甘くなく、

「お前をここまで育てたのは」

「稼いで金を家に入れるためだけだ」

とでも言うように、就職後からは手取り12万のうち、家に金を7万入れろという鬼のようなルールを敷き、あまりにも厳しすぎる旨を訴えるも

「嫌なら出ていけ」

の一点張りで聞く耳を一切持たないのである。

出ていく金があるならば、とっくに上京しているのである。

なので、早く仕事を見つけねばと焦っていたのだ。

そもそも上京する資金を稼ぐための仕事であり、正社員というものは、退職するのに嫌に気を遣うことが分かり、カラオケ店を辞めたKの話からも、

「バイトというのは簡単に辞められるもんなんだな」

とある意味誤解しながらも思い、また手取り12万は、各種の保証があり、ボーナスもあるとは言え、単純に時給に直してみると当時の最低賃金をも大幅に下回る、420円程度でもあったので、

「バイトでいいから稼げる仕事を探そう」

と思い

「どうせなら、女だらけの仕事がいい」

と思った次第である。

「女だらけの職場ってどんな職場があるか?」

と考えてみて、

「女子高なら女だらけだぞ!」

「女子高で働こう!」

と、バカ丸出しのようなことを真剣に考えつくも、教員免許などは勿論持っておらんので、どうするべきか考えておったが

「用務員なら雇ってもらえるぞ!」

「わだば、女子高の用務員さんになる!」

と、18歳のいい若いもんがなあにを抜かすかということを考え

「どうせ女子高ならお嬢様高校がいい!」

と、名古屋で有名な超名門女子高の用務員になることを決意したのである。

決意したはいいが、どうすれば女子高の用務員になれるのかサッパリわからん。

ネットもない時代であり、今時のように

「用務員 なり方」

などで検索することも出来ない。

もちろん、用務員に知り合いもいないので、どうしようか思っていたが

「迷った時は正面突破だ!」

と、思い切ってその高校に電話をかけたのである。

女子高に電話をかける!

震えるように実家の電話のボタンを押し、呼び出し音が鳴る。

数コール待つと、男性が

「はい、〇〇学院です」

と電話に出た。

「あ、あの~」

と恐る恐る言い

「そちらで用務員を募集していませんか?」

と聞くと

「ええ、今募集中ですよ!」

などと言うはずもなく

「してません」

とぶっきら棒に言われた。

イタズラ電話と思われているかもしれない、イタズラなどではなく、俺の気持ちは真剣なんだ、真剣なことを分かってほしいと思い

「では、募集の予定はありませんか?」

と尋ねるも

「ありません」

とニベもない。

ここで引き下がっては話にならん、と

「では用務員になるにはどうしたらいいですか?」

と食い下がるも

「知りません」

と吐き捨てられて撃沈し

「どうもすみませんでした」

と言って電話を切ったのである。

相手の私への応答が

「してません」

「ありません」

「知りません」

と、わずかに15文字であったことに、我ながら驚いたものである。

(つづく)

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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