【青森→札幌】貯めた金をすぐに使い切る方法 2/3

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憧れのススキノ

翌日、仕事が終わるとさっそくススキノへ一人向かい、ススキノ中を流して回る。

「青森での鬱憤を札幌で晴らす!」

などと意気込み、ススキノ中のそのテのビルを物色して回る。

何しろ金は有る。
恐いものは無い。

店選びの秘訣として、まず、呼び込みのいるようなところはダメである。
呼び込みがいなければ誰も入らないような店だからである。

と、一件のイメージクラブなる店が目に留まる。

でかでかと壁に貼られたその店の女性陣たちが私好みの人々だったからである。
看板には

〝信頼の〇〇グループ直営店〟

などと書かれている。

〇〇グループなど知る由もなかったが、自ら〝信頼の〟と明言するところが清々しい。
風俗店の鑑だ!

などと思い、

『ここしかねえ』

と一応、周りをキョロキョロして、知人などおらぬか確認の上、素早く入店。

アンケートに答える

受付の男性店員にコースの確認、指名の確認を済ませ、料金の支払いを済ませると、プレイ内容について事前にアンケートを書けと言われ、バインダーに挟んだアンケート用紙とボールペンを手渡された。

そのアンケートには、

①自分がSかMかどちらのプレイを望むか?
②好きなシチュエーションは何か?
③言葉責めは有りか?
④分娩台に乗ることも辞さぬか?

などなど10項目以上の質問があったので、

①Mを望む に〇を付ける。
②女教師と生徒 に〇を付ける。
③言葉責め 有 に〇を付ける。
④分娩台 辞さぬ に〇を付ける。

といった風に全ての設問に回答して、

『こんなアンケート、形式だけで、別に関係ないんだろ』

と思いながら受付店員に提出した。

個室へ行く

数分待たされたのち、私の担当女性がやってきて個室に入る。

個室では、服など脱ぎ、シャワーに入りながら、

「今日仕事だったんですか?」

など、世間話として、自分が昨日青森から札幌に異動してきた旨などを聞かれるままに話した。

シャワーから出ると、担当者が私が書いたアンケートが挟んであるバインダーを熟読したかと思うと、表情が一変し

「おら、分娩台に座りな!」

というので、虚を突かれたようになり驚いていると

「ほら、早くすんだよ!」

と急かされて、分娩台によじ登る様に座って股をひらく。
イメージプレイなるものが始まったらしい。

これまでの生涯で、演技とかそういうものに一切触れてこなかった私としては、どうしたもんだか迷ってうちに、あれよあれよとベルト的なもので手足を縛られ

「お前かい?転校生っていうのは?」

という。

本当にアンケートに書き込んだ女教師と生徒でのプレイをしなければならんらしい。

これまで演技の勉強はおろか、イメージプレイをしたことがないので

『やっべえな』

と思うが、待ったなしで演技はスタートしている模様である。

稽古不足を幕は待たない、恋はいつでも初舞台、などと梅沢富美男の夢芝居の歌詞が頭に浮かぶ。

すると

「ほら、お前、先生に会いたくて、わざわざ青森から転校してきたんだろ?」

と、シャワータイムでの世間話をも、プレイに取り込んでくる筋金入りのプロ根性に関心しつつも、私が人生で初めて頂いた役が、エロ女教師会いたさに、わざわざ青森から転校してきた、とんでもねえスケベ生徒役であることに情けなくなる思いがする。

こちらとしても仕方なく

「はい、ボク、先生に会いたくて、転校してきました。。。」

などと、大根役者丸出しの猿芝居でもって応じていると、

「お前、なんで転校生のくせに勃ってんだい?」

「どうして勃ってるか説明してごらん?」

などと言うので、

『なんでって言われても』

と思いつつ、なんて答えていいか、一応セオリーとして

「いやらしいからです」

と答えると

「違うよー!」

 

「血が入ってるからだよ!」

と、

『ああ、そういう物理的な話でしたか』

と、この女教師は、物理の教師であったかと思い、さすがは信頼の〇〇グループ直営店だよなあ、と思ったのである。

っていうか、そのシチェエーションで

「なんて勃ってるんだい?」

って聞かれて

「血が入ってるからです」

なんて答えられるヤツいるかよ。

(つづく)

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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