【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記!⑨

一か月9万円で生活する方法

さて、それからと言えば、なんとかかんとかその月を12万円-3万円(仕送り分)=9万円で生活をやりくりし、もやしと、会社の仕出し弁当でなんとかやりきり、翌月の給料まで生き延びることが出来た。

出来たはいいが、これから三年以上も毎月2万円を分納しなければならん。
毎月振り込み用紙が届くので近くのコンビニで支払いする。
本当に毎月毎月、この振込用紙が届くと悔しくて悔しくて。

忌々しい気持ちで支払いにいっておった。

もやしとたまご

もう、とにかく、金銭的に生活がやばい時は、もやしよ、もやし!
あと、たまご!

 

信じるものは体力だけ

あと、

〝金の代わりに体力で済ませられるものは、体力で済ませる〟

という、この心がけが大切である。

それまでは、ちょっと疲れたらタクシー乗ったり、バスに乗ったりしておったが、基本は自転車!

灯油買いに行くのも自転車!

コンビニ弁当買うなら、遠くのスーパーまで行って割引された食材で自炊!

あとは無駄を省く!

タバコをやめる。

まあ、差し押さえから一年後に辞めたのだが。

何が無駄かってタバコほど無駄なものはないのである。
吸ってて別に高揚するでなし、表向きはイライラを解消するなんていってるが、実際は吸うことによってニコチンを体内に入れ、それが切れるとイライラするというシャブと同じ状態。
そんなもんは辞めるに限るのである。

休日のたびに行っておったスーパー銭湯も取りやめ!

家で半身浴すればよし!

あと、外で酒飲むのを辞める。

というか酒をやめればいいのだが、私の場合は半年で禁酒に失敗してしまった。

そして毎日、会社で食べるように弁当をつくるようになった。

という感じで、よく考えれば、それまでの収入のわりに贅沢をするというような乱れた生活を正してくれるような形になり健康面で言えば、生活は逆に向上していった。
怪我の功名とはこういうことを言うのだろう。

 

特別区民税の定期便

で、この分納で払っていると、半年に一度、都内某区から振込用紙とは別の手紙がくる。

内容は、次回からの支払予定と、

「毎月の支払金額をアップを検討して電話を寄こせ」

というものである。

曰く、

「分納といえども利息延滞金もあり、サッサと払った方がよかろう?」

だそうである。

で、その都度、〇〇区区民生活部納税課に電話をするのであるが、だいたい一年に一度、担当者がかわるということである。

その時わかったのは、女性より男性の方が融通が聞くと言うか、男性の場合は

「でも岡村さんも、新潟でも住民税払いながらですもんね。大変ですよねえ」

などと嬉しいことを言ってくれるとことである。

で、先述のように私が生活習慣を改めたため、分納中ではあったが少しづつ生活が楽になっていったこともあり、一年後には毎月22,000円、二年後には24,000づつ支払うことにしたのである。

(つづく)

【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記!⑧

口座凍結解除!

その足で駆け込むように銀行へ行き、口座から12万円を引き落とす。

別に慌てて引き落とす必要は無かったのだが、国がその気になれば口座など、あっという間に凍結したり解除したりできるシステムに恐れをなしていたからである。

ここで断言するが、もう、サラ金よりも闇金よりも、督促の手段でいえば国が一番恐ろしいのである!

ここ数時間シケモクばかり吸っており、ニコチン切れ状態で我慢がならず、まずはその金でタバコを買って思いっきり吸ったのである。

なんとか今月の生活を12万円でやりくりしなければならん。

 

一か月12万円で生活する方法

具体的にはどうしたか?

とにかくもう後回しにできるものは全部後回しにすることにする。

電気、ガス、水道など一か月遅れるくらいでは止められないものを翌月払いにすることにした。

しかし携帯代などは半月も遅れると停まるので期日通りに支払う。

家賃は、実際は一か月くらい遅れても退去させられることはないが、私は過去に家賃滞納で宿無し経験があり、それ以来

「なにがあっても家賃は期日通りに支払う」

と決めているので、これはきちんと支払った。

食費をどうにか後払いにできないか?と思い、会社で昼食用に事前に頼むと一食400円で出前形式で届けてくれる弁当があり、それが翌月払いなのでそれを頼むことにした。

昼食と言わず、朝昼晩全部弁当にするべく、昼食時に三食分を注文すれば一か月の食費が丸々翌月払いにすることが出来たが、いくら後回しにすると言っても、一食400円は無駄が多く、且つ、一応私にも職場での体裁の悪さもあるので、それはしないことにした。

そのため、昼食以外は基本、もやし、たまご、お米、を中心にした質素極まりないものとすることにしたのである。

それでも12万円では心もとない。

毎日タバコも吸わねばならん、酒も飲まねばならん。

その上、12万円のうちから3万円を母親に仕送りせなばならん。

というか、母ちゃんも一か月くらい俺の仕送りがなくても別に困りゃあしねえだろう。

実家に帰るたびに、ジャパネットで特大冷蔵庫は買うわ、ルンバは買うわ、大画面テレビは買うわであるのだ。
また最近では新車を購入し俺なんかよりよっぽど裕福な生活をしているのである。

そうだ、そうだ、母ちゃんに今月の仕送りを勘弁してもらおう!

 

「一か月仕送り勘弁してください!」

そうだそうだ!

とさっそく母親に電話をいれる。

「いや、恥ずかしい話、住民税滞納で差し押さえられちゃってねえ」

「今月12万円でやりくりしなければならなくて」

「だから申し訳ないが、今月の仕送りは無しってことで!」

というと

「それはいかん」

と言う。

ジャパネットの支払いなどがあるのだという。

「いや、ジャパネットどころか、こっちは生活がかかってるんで」

というが

「お前、毎月泥水飲んでも仕送りするって言ってたんじゃないのか?」

と言うので、

「今からちょっと泥水飲んでくるわ!」

と言って電話を切り、怒り心頭で母親の口座あてに三万円を振り込んだのであった。

 

(つづく)

【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記!⑦

〇〇区区民生活部納税課

自分が蒔いた種とは言え、我が銀行口座を凍結しやがったのは三年半前に引き払った東京の某区によるものであったと判明した。

ググった知識でもって、一円でも多く返してもらわなければならぬ。

まず、住民税滞納の時効は五年である。
で、私は以下の二点を武器にして、〇〇区区民生活部納税課に電話をして交渉することにした。

まず一点目は、私は三年半前から既にその土地にはおらず、三年前分からは支払いする謂れはないということ。

そして二点目は、三年前からは母親に毎月3万円のし送りをしており、私からの送金がなくなれば私だけでなく、母親も生活が立ち行かなくなる可能性が有るということ。

さあ、これを言葉巧みに泣き落としでもって交渉にあたれば、12万円どころか一旦口座の残金をすべて使えるように口座凍結を解除してくれるかもしれない。

と、深呼吸をして〇〇区区民生活部納税課に電話し、名前、住所を告げると私の担当者と名乗る女性に引き継がれた。

なるべく腹が減って腹が減ってたまらん、しかしながらそんなことには文句は言いません、あっしが悪いんでげす、と、実際はド二日酔いで食欲どころではなかったが、表面上はそういう悲壮感タップリの声をつくって

「あのう、なんとかしてもらえませんでしょうか?」

と言うと

「どうしてここまで放置しておったのか?」

と言う。

「三年半前に東京を引き払いまして、それからは青森やら札幌やらに長期の出張をしておりまして」

「あくまで出張だというんで、郵便局に転送届もださずで、住所も移してなかったんで気が付きませんでした」

〝おでーかんさま〟

〝なんとかしてくだせえ〟

という感じで答え、心証を悪くしないように言葉に注意しながら

「その口座以外に口座もないし、貯えもないし」

「このままでは生活が立ち行きません」

「必ずお支払いしますから、なんとか一旦口座の凍結を解除してください」

と、ググった結果でてきたキラーワードをかますと、しばし保留にされたのち

「それでは、一旦12万円だけ口座に残して口座の凍結を解除します」

「それ以上の残高は滞納分に充てます」

「それでも足りない分は毎月分割で支払うことにしましょう」

と言う。

 

 

ここを先途と

数分後には口座凍結は解除されるとのこと。

で、詳しく聞けば、滞納分は時効が過ぎていない2008年から2013年までキッチリ5年分だという。

『来た!』

と思う。

『ここでもう一押しだ!』

と思い

「でも、私は三年半前から既にそこに住んでいないので、東京を離れた2010年の末までしか支払う必要はないのではないでしょうか?」

と言うと

「だったら、2010年の末からどこか別の市町村に住民税を収めていたのですか?」

「だとすれば話もできますけど?」

という。

勿論、住民税など収めていなかったので、

「しかし毎月母親に仕送りをしておりまして」

と言うが、

「それはこっちは関係ないんで」

と言われ、ぐうの音もでなくなり、担当者と協議の上、毎月2万円づつ分納で、延滞利息は14.6%で、三年以上かけて、都合90万円也を支払うことになったのである。

最後に例え12万円だとしても一旦返してもらえることにお礼を言って電話を切り、この時、私は心の底から

「名実ともに、いよいよ年貢の納め時だな」

と思ったのである。

(つづく)

【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記!⑥

差し押さえ 分は返してもらえるか?

指なんかガタガタ震ているが必死に検索する。

出てくる結果は、だいたいがYahoo知恵袋などの相談形式のもので

「友人が住民税の支払が遅れて口座を差し押さえられました」

「生活が出来ないと言っています」

「どうしたらよいでしょう?」

というような、相談内容。

これに対する回答はだいたいが以下のパターンに分けられる。

①チャチャいれ一派

「〝友人が〟って本当はお前だろう!」

などと人が困っているときにどうでもいいチャチャを入れて特に回答しない奴ら。
ムカつく。

②役所の回し者一派

納税は国民の義務である、何処かから金借りて生活しろなどと抜かす奴ら。
本当のところどうか知らんが、役所の回し者とかが多いんじゃないかな、とか邪推する。

こういうヤツがまあ多い多い。
人が切羽詰まってるときに

「納税は国民の義務だ!」

とか、うるせえわ、と思った。

「切羽詰まるお前が悪い」

とか、はいはい、アッチ行けシッシッ!

③専門家と思われる一派。

「差し押さえられた金額は、どんな事情があっても返してもらうことはできません。」

「差し押さえ前に、最低3回は督促状が届いているはずで、差押え前には分かりやすく、最後通告と言う普段と違う色のハガキも届く」

「その上で、再三督促をしているにもかかわらず、何の連絡もよこさないと言うことは支払う意思がないとみられ、差押えさられます。」

「不服申し立てなどの方法がありますが、このケースは申し立てても却下されます。」

「なので、差し押さえられる前に、督促を受けている段階で正直に分納などの相談を区役所の担当者とすべきでしょう」

などと最もらしく書いてある。

これ、差し押さえれる前になんとかしようという注意喚起ではあるが、正確なものではないので、というより間違いなので、実際に差し押さえられた人は、まず安心して欲しい。

④差し押さえ経験者一派

経験談から確かな回答をしてくれる気持ちのいい連中。

「うちのバカの元夫が」とか、「過去に私も同じ目に遭いまして」とかいう書き出しで答えてくれている。

しかしこの手の書き込みは、まー少ない少ない。

まあ、差し押さえ経験者なんてそうそういるもんじゃないから仕方がないが。

あとでわかるのだが、これが本当にこの人達の言う通りだったのである。

 

給料を差し押さえられたのではなく、口座を凍結されたということ。

どこまでが本当かは知らないが、給料を全額差し押さえるのは違法だそうで、手取りの4分の1までしか許されていないそうである。
しかし、住民税を差し押さえが必要なほど滞納しているのは、手取りの4分の1程度の額であるはずがないため、住民税などの差し押さえの場合、給料の入っている口座から引き落としができないように口座を一時的に閉じる=凍結するらしい。

で、そのまま放置すると、その抑えた金を滞納している税金に充てられる。

で、滞納分に金を充当されてしまうと、お金は返ってこないのだそうだ。

そうならないようにするには、以下が大切である。

・まず、速攻で役所の該当部署に電話をする。滞納分に充当されたら大変!

・担当者に正直に、生活が出来ない旨を伝える。

・そうすれば、即日口座凍結を解除して12万円は返してくれる。

・で、次の給料日までその12万円で生活する。

・どうしても生活できねば友人・知人、サラ金などに借りるしかない。

12万円という金額は、もしかすると一人暮らし用で、家族のある人は額が違ったりするのかもしれないが。

私は確かに書き込みとおり12万円が帰ってきたのである。

というのが私の実体験からの回答であるので差し押さえられた人は参考にして欲しい。

 

(つづく)

【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記!⑤

とにかく一旦、震えて眠る

部屋に帰ってきたものの、口座が差し押さえられたのが、本当に住民税が原因かどうかも分からず、とにかく明日、銀行に電話するまで何をどうしたらいいかもわからない。

腹が減る。

全財産130円。

給料日まであと一か月。

元多重債務者で借金などできないし、したくない。
と言うか、一か月もの生活費を貸してくれる人もいないし、貸してくれても返す見込みがない。

そう考えるとガタガタ震えてくる。

何にもできない状態で、心配しているばかりでは体に毒である。

「それでは私は今、何をすべきか?」

「酒を飲むべきである」

と、食べ物も買い置きはないが、酒の買い置きは気絶できるほどあるので、4リットルのウィスキーのペットボトルから、それをコップにドブドブと注ぎ、一気に飲む。

が、ぜんぜん酔わんのでその後もストレートでガブガブと飲み、本当に気絶するかのように眠ったのである。

※写真は私の部屋に常にある、泣く子も黙るブラックニッカ4リットルペット。

いざ、銀行に電話!

翌朝、ど二日酔いの頭で9:00ジャストにキャッシュカードに記載されている電話番号の銀行へ電話をかける。

口座が急に残高0となり、昨日、ここに架け直すように言われたものであると告げる。

長い間保留にされた挙句

「担当部署をご案内しますので、そちらにおかけ直し下さい」

と言って、更に別の部署の電話番号を教えられたので、そちらに架け直す。

すると、その部署の担当者から

「〇〇区役所から口座凍結されました」

と説明され、

「これ以上のことは、銀行に聞かれてもわかりませんので、〇〇区区民生活納税課にお問い合わせください」

と言う。

これだけのことが、なんで昨日言えんか?

くだらん、と思って電話を切った。

差し押さえられた金は返してもらえるか?

さて、いよいよ急に口座の残高が0円になった原因がはっきりした。

はっきりしたはいいが、だからといって

「ああそうですか」

と言うわけにはいかない。

自慢じゃないが、他の口座に貯えなども一切ない。

区役所に電話しても解決するかどうかわからん。
焦って交渉を失敗してもいかん。

なんとか分割で支払うので、口座の凍結を一旦解除してくれないか色々と下調べせねばならん。

というか、口座の凍結ってなんだ?給料を差し押さえらたんではないのか?

と、スマホで

〝差し押さえ〟

について検索につぐ検索を開始したのである。

(つづく)

【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記!④

親に毎月仕送りするに至った経緯

そうこうして2010年の年末に東京のアパートを引き払い、長期出張で青森へ行ったのだが、新事業立ち上げであり、朝から深夜まで、本当に朝8:30から深夜2:00まで毎日のように働かされた。

もうこの仕事はキツくてキツくて。

どのくらいキツいかと言うと、当時の責任者が連続無断欠勤の末、バックレるというくらいキツい。

たまに休日はあるものの、雪であり、雪だらけであり、外にでるのも億劫である。

また外に出たとしても遊ぶところもなく金は使わない。
住まいは会社が借りたウィークリィーマンションである。

その上、出張費は出るわ家賃も光熱費もかからんわ。
食事は社食で激安のものを食べたりしており、金を使うといえば、当時吸っていたタバコと毎日の安焼酎代、近所の250円で入れる温泉代くらい。

そのため、この頃は給料が支給されるたびに

「また振り込まれてるよ」

「金が減らねーよ」

などと嬉しい悲鳴をあげておったのである。

その前に、とにかく休みたかったが。

そんでもって、口座にはどんどん金が増えていき2011年の3月にもなるとそれまでの人生で一番金があるようになった。

というかこの時に差し押さえてくれたら、まったく痛くも痒くもなく一気に支払えたのにと思う。

が、郵便局へ転送届もださず、出張なんで住所も移さぬで、まったく区民税の督促状なども届かず。

まあ、届いていても、例のルパン三世気取りで払わなかった気もするが。

で、運悪くというか、この時には差し押さえられず、本当はクレジットの支払も48万円滞納しているわ、過去4年分の区民税は一銭も払っていないわ、にもかかわらず

「金がうなってるぜ!」

と勘違いし、それまでの自分の人生を振り返り

「そーいえば、俺ほど親不孝もんもいねーなー」

などと柄にもなく反省。

昔からしてみたかった田舎で一人でくらす母親への仕送りをしようと思い立ち、母親に電話。

「これから毎月、3万円を振り込むから」

と伝えて口座番号を聞いた。

母親は

「お前、大丈夫なの?」

と心配していたが

「いや、俺も大人だからさ、そんなはした金なんともないわ」

「まあ、泥水飲んでも毎月の仕送りだけは欠かさないから安心してくれ」

と、毎月仕送りすることを約束したのである。

青森→札幌。ススキノに狂った私

その後、青森出張が終わり、続いて札幌に長期出張に行ったのだが、青森とは真逆ともいえる札幌は、金を使うことろが無いのでは無く、金を使うところしかない。

そんな訳で青森とのギャップにやられた私は、仕事終わりで連日連夜ススキノに通い詰め、まあ、ものの見事に貯えは半年ですっからかんになったのである。

 

そして、次に現在の新潟に出張ではなく、在籍することとなり、つつましく生活をしながらも、親には毎月仕送りを続け、2年半経過したときに、問題の差し押さえになったのである。

しつこいようだが、大の大人の全財産が130円である。

仕送りどころか、今から入ろうとしていたスーパー銭湯どころか、帰りのバス代さえない。

ススキノが懐かしい。

まあ、さきほどの行員の言うように、明日、銀行に改めて電話をかけなおそうと思い、トボトボとアパートに向かって歩き出したのである。

部屋につくまで二時間ほどかかったが。

(つづく)

【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記!③

難事件を解決できるか!?

もうスーパー銭湯どころではない。
冒頭で書いたように財布の中身は130円で帰りのバス代さえない。

銀行の女性オペレーターが言うように明日までなど待ってはいられない。

「どこまで出来るか分らんが」

「とりあえず原因を自分で調べよう」

「難事件そうだし、自分で調べられるかどうか・・・」

「いや、何時間かかっても調べないといかん!」

と、スマホを取り出し、ググろうとするが果たして何て検索すればいいのか?

「まずはとっかかりとして、思いつくままに検索しよう」

と、検索窓に

〝急に 残高 0〟

と打ち込んで検索する。

 

と、一発でスマホ画面一杯に〝差し押さえ〟の文字。

〝差し押さえ〟
〝差し押さえ〟
〝差し押さえ〟

1に差し押さえ、2に差し押さえ、3、4が無くて、5に差し押さえ状態。

これが差し押さえじゃないなら、何が差し押さえかわからないほど。

愛を込めて花束を!

などと歌っている場合ではない。

 

差し押さえの原因は?

検索結果を読めば、差し押さえはだいたい保険料とか住民税とかでされるらしい。

踏み倒しの権化のような私は、これまで色々な借金を踏み倒してきたが、クレジットとかそういうので差し押さえにはならないらしい。

で、保険料というのは詳しくないのでよくわからなんが、社会保険とか国民保険のようなものであり、私は会社の給料から社会保険料は天引きされているのでそれではないだろう。

じゃあ、住民税しかない。

が、私はこの時からさかのぼること一年半前の2012年の4月から新潟に居を移し、給料から天引きされる形で新潟にきちんと住民税を収めているのである。

「何が差し押さえだこのやろう!」

「人の口座を勝手に差し押さえやがったのは、いったいどこのどいつじゃい!」

とわが身を振り返ってみれば、2012年の4月に新潟に居を移す前、第一次宿無しになった2002年の日韓ワールドカップの頃から、どこの市区町村にも住所を移さず、およそ住民税というものは、一切の支払いをせず、それこそ一銭も払っていなかったのである。

というか、当時なぜか住民税の請求も来なかったのである。

しかし、2006年の秋に第二次宿無しに陥ったものの、半月程度のネットカフェ難民生活を経て、2007年2月に無事に都内某区にアパートを借りてからも一切支払わず。

が、当時の石原都知事の時代に、石原都知事が

「払っている人に対して払ってない人がいては不公平でしょ」

「徹底的に取り立てる」

という意味のことを言って、本当に徹底的に住民税取り立てる体制になり、住所を移していない私の所にも住民税の請求がコンビニ払いの用紙でバンバンバンバン届くようになった。

しかし、それを受け取った私も当時は多重債務で支払う余裕はなく、

「こんなことぐらいで支払ってたまるか」

と思い一切支払わず、

「都知事はやっぱり、青島幸男が良かった」

「いじわる婆さんがよかった」

と思いながらやりすごし、2010年晩秋に東京を引き払う時には

「払わせられるものなら払わせてみろ」

「真っ赤な~バラを~お前の~唇~♪」

となぜかルパン三世気取りになり

「あばよ、石原のとっつぁぁぁん」

などと言い、数年後にこれが原因でスーパー銭湯の前で、財布の中身が130円で立ち往生する日がくるとは知る由もなく、

「俺は石原軍団に勝った!渡哲也や舘ひろしにも勝った!」

「西部警察に勝った!」

と、全くわけのわからんことを思っていたのだった。

(つづく)

【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記②

頭の中が真っ白になる

数分間、キャッシュコーナーの前をあてもなくグルグルと歩き回る。
頭の中は真っ白である。
こういう時、人間は希望にすがりたくなるもので

「もしかして会計の都合で給料日が祝日明けである明日、9月の17日に後ろ倒しになったのか?」

「そうならそうと会社もちゃんとお知らせしてくれよー」

「まったくモウ」

と念のために会社に電話をする。

呼び出し音を聞きながら

『ちゃんと事前に教えてくれないと困るって怒ってやるからな』

と思っていると会社の知り合いの中年男性が電話に出た。

「あのー、今月の給料って、祝日明けに振り込まれるんですよね?」

と言うと

「はあ?もう振り込まれたでしょ」

と答える。

何をたわけたことを抜かしやがんだ、このバカ野郎、ちゃんと確認しやがれと思い

「いや、こっちは確認したところ、まだ振り込まれてないんでね」

と言うと

「俺は金曜に振り込まれてたよ」

とあくまで言い張る。

「いや、でも」

と言いかけると

「ちょっと待って」

と言って保留にされた。

しばらく待つと保留が解除され

「他の人にも聞いてみたけど、やっぱりみんな振り込まれてるって」

と言う。

意味が分からん。

俺だけ会社に嫌がらせされているのか?

大人の社会にもいじめは有るというのは本当だったのだな、と一瞬思うがそんなはずはなく

「まあ、わかりました」

と言って電話を切る。

何かが起こっている。

 

銀行側の都合か?

だいたい、残高がキッチリ0円というのが理解出来ない。

いくら給料日前だからって、数百円は残っているはずである。

キャッシュカードで引き出している以上、きっちり0円になるように引き出せるわけがない。

「ああそうか、キャッシュカードかATMの故障だ!」

「何か銀行側の都合だ」

「ほら、祝日で使えないとか、なんだよ人を驚かすんじゃねえよ」

「心臓に悪いわ」

と再びキャッシュコーナーに入り、確認をとるため備え付けのインターフォンを持ち上げる。

 

呼び出し音が鳴ったあと、担当の女性オペレーターが出た。

「あの~、残高が0円になってるんですが、何かの故障ですよね?」

と尋ねると、私のカード番号や個人情報を聞かれたので素直に答える。

「少々お待ちください」

と言われて、保留音が流れる。

のんきな曲が流れつづける。

すると、曲が終わる。

で、また初めからのんきな曲が流れる。

「結構待たされるな」

「でもぜんぜん構わん。もっとどんどん調べてくれ」

「機械の故障なんて滅多にないんだろうから焦ってるだろうな」

「さて、サウナに入って、夜は寿司か焼肉か、どっちにすべきか」

などと思っていたら保留が解除され、さきほどの女性オペレーターで出る。

「大変お待たせいたしました」

はは、いいってことよ、と思いながら

「はい」

と答えると

「現在、岡村様の口座からはお引き落としが出来なくなっております」

と言う。

『はいはいはいはい、それはもう、それはもう、十分すぎるほどわかっておりますが』

と思い、

「そうです。で、原因は?」

と答えると

「ですから現在、岡村様の口座からはお引き落としが出来なくなっております」

「ですからって、ですからそれはわかっているんですが、原因がわからなくて」

と、ですからをですからで返すが、あくまで女性オペレーターは

「現在、岡村様の口座からはお引き落としが出来なくなっております」

と言う。

『言いたいことはそれだけ』

『あとは電話を切るだけ』

とでもいいたそうな口調である。

と、電話を切られちゃたまらんので、ストレートに

「原因はなんですか?」

と尋ねると

「お答えしかねます」

と言う。

お答えしかねるということは、お答えをしっているが、し兼ねると言うことである。

し兼ねると言っている物をたずねたところで教えてはくれないルールなんだろうから原因を聞くのは諦めるとして

「じゃあ、私の場合がどうこうじゃなくて、一般的にこういうケースではどういうことが考えられますか?」

と聞くと、

「一般的にもお答えしかねます」

と言う。

「じゃあ、こういう時、どこに相談すればいいんですかね?」

と聞くと

「本日は祝日なので窓口がやっておりませんが、明日9:00から17:00に改めてキャッシュカードに記載されている電話番号にお問い合わせください」

と言う。

はじめから、そういえばいいのに、まったく、と思ってインターフォンを置いた。

しつこいようだが、この時、私の財布の中身は130円である。

(つづく)

【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記!①

差し押さえは突然やってくる

忘れもしない2013年9月16日、月曜、祝日、敬老の日。
その日、私は休日であり、当時の私の休日の過ごし方としてルーティーンになっていたスーパー銭湯へバスに乗って向かった。

スーパー銭湯の最寄のバス停で降りると、財布の中が130円になったので

「サウナに入る金含め当面の生活費を引き出しておかねば」

と、近くにあった銀行のキャッシュコーナーに入る。

毎月15日が給料日だが、9月15日が日曜ということで、前倒しの9月13日の金曜日に振り込まれている。

「さて、今月はいくら入ったかな?」

と思いながらキャッシュカードをATMに挿入する。

「三か月に一回支払われる交通費も入るはずだからいつもより多いはずだぞ」

と思い、ATMの画面の〝お引き出し〟を選択して押す。

「さあ、今日はサウナに入って、夜は寿司を食べよう!」

と思い、ATMに求められるままに暗証番号を入力。

「寿司もいいけど、焼肉もいいなあ」

などと思い、引き出し金額を3万円と入力した。

すると

〝しばらく、そのままでお待ちください〟

という女性っぽい機械の音声が流れ、ATMの中で札が

ガガガガガガガ・・・・

と数えられる様な音がする。
で、少しすると

〝恐れ入りますが、もう一度はじめからやり直してください〟

という音声が流れて、差し込んだキャッシュカードが押し戻されてくる。

画面には銀行員の男女が頭を下げているイラストが表示される。

 

「はて?」

「3万円程度で残高不足のはずはないが?」

まあ、何かが間違ったんだろう。

「まあいいや」

と深く考えず、差し戻されたキャッシュカードをもう一度、ATMに挿入。

「さて、今月はいくら入ったかな?」

と思いながらキャッシュカードをATMに挿入する。

「三か月に一回支払われる交通費も入るはずだからいつもより多いはずだぞ」

と思い、ATMの画面の〝お引き出し〟を選択して押す。

「さあ、今日はサウナに入って、夜は寿司を食べよう!」

と思い、ATMに求められるままに暗証番号を入力。

「寿司もいいけど、焼肉もいいなあ」

などと思い、引き出し金額を3万円と入力した。

すると

〝しばらく、そのままでお待ちください〟

という女性っぽい機械の音声が流れ、ATMの中で札が

ガガガガガガガ・・・・

と数えられる様な音がする。
で、少しすると再び

〝恐れ入りますが、もう一度はじめからやり直してください〟

という音声が流れて、差し込んだキャッシュカードが押し戻されてくる。

画面にはさきほども登場した銀行員の男女が頭を下げているイラストが表示された。

 

何か、ただごとでない気がする。

とてつもなく嫌な予感がする。

 

急に残高0!

とりあえず、残高を確認しようと、みたびATMにキャッシュカードを挿入。

〝お引き出し〟ではなく、〝残高照会〟のボタンを押す。

求められるままに暗証番号を入力。

数秒待たせれたのち、ATMの画面になんと、残高が0円である旨が表示された。

「ちょっと、外の風に当たろう」

と思い、キャッシュコーナーを出た。

(つづく)

【なるほど!ザ・ワールド】愛川欽也の独裁司会「今、なんつった?」について考える

おぼえていますか?なるほど!ザ・ワールド

何がせわしないかと言って、なるほど・ザ・ワールドの特番のVTR振りの時、司会の愛川欽也と楠田恵理子が同時に

「な~るほど!ザ・ワールド!」

と声を揃えて言った直後からVTRが流れ出す一瞬の隙に、愛川欽也が

「秋の祭典スペシャ~ル」

などと言うことほど、せわしない物はない。

などと書いても今時の人々にはほとんど通じないと思うのだが、かつてのフジテレビの長寿番組のことを知っている人がどんどん少なくなっているのでここに書いておこうと思ったのである。

(理由は不明)

 

なるほど!ザ・ワールドとは?

さて、この『なるほど!ザ・ワールド』とはどんな番組か?

今でこそ、〝世界ふしぎ発見〟などの類似番組があるが、当時としては画期的な世界の国々を旅するレポーターが、その国ならではの習慣などにまつわるクイズを出題。
スタジオでそのVTRを観る基本的にペアで出場する4組のゲスト達が、クイズに答えて順位を争い、優勝したチームが豪華景品を賭けたミニゲームなどに挑戦できるという番組である。

他のクイズ番組と大きく変わっているのが、回答権が早押しやフリップで一斉に回答するのではなく、もっとも順位の高いチームから司会の愛川欽也が答えを聞いて回って行く点である。

で、正解できなければ回答権が次の順位に移り、正解したチームは順位がひとつ上のチームと入れかわることが出来るのである。

しかし、回答には決められた時間制限や回答数があるのではなく、愛川欽也の独断と偏見というか、好みによって若手女子などの贔屓のペアには長時間に渡って何度も答えさせたり、ヒントを出しまくったり、また、気に食わないとかチームとか、おじさんチームなどには全くヒントを出さなかったり、一言しか言わせなかったりするという、司会者の傍若無人さも番組のうりの一つであった。

キンキンと回答者の会話風景

問題は、アフリカから

「この部族が大切にしている物とはなんでしょう?」というもの。

答えは首飾りだとする。

回答者はアグネス・チャンと西田ひかる。

そこへ、愛川欽也が回答を聞きに近づいていき

「まったく二人とも可愛いねえ~」

などと話しかけ、

「さあ、何を大切にしている部族でしょう?」

と改めて答えを聞く。

すると、西田ひかるが

「お金で買えるものですか~?」

などと聞くと、欽也は

「まあ、買えるでしょうねえ」

と言い

「女性は特に大切にするかもねえ」

とヒントを出すと、アグネスチャンが

「でも、まさかアクセサリーじゃないだろうし・・・」

とフッと正解に近いことを口にする。

すると、愛川欽也はそれまでのにこやかな表情から一転、急に険しい顔になり

「おい、今なんつった?!」

とアグネスチャンに詰め寄る。

『あれ、あたし今、何かいったかしら?』

という風にキョトンとしているアグネスに向かって

「おい、アグネス!今、なんつった?!」

と更に詰め寄る。

飲み会で、酒癖の悪い男が、ちょっとしたことに急に腹を立て、突然怒りだしたようで怖い。

「おい、アグネスこのヤロー!」

と胸ぐらを掴むような勢いである。

そこで、アグネスは

「アクセサリー?」

と尋ねるように口にすると、欽也は

「アクセサリーって言うと?!」

「指輪でなくて、耳飾りじゃなくて!?」

と更にヒントを出しながら問いただすように正解へと導き、ようやく西田ひかるが

「・・・首飾り」

と言うと、ゲストの鼓膜も破けよと言わんばかりの大声で

「正~解~!」

という寸法で番組は進んでいくのである。

って、これも当時はほとんどの人がわかる、なるほど・ザ・ワールドあるあるだったのだが、今となってはほとんどの人が理解してくれないのでここに書き残しておくことにする。

(理由は不明)