【バイクの盗難被害】購入後二週間でパクられた話 ②

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バイク屋のおじさんに

 

バイク屋に電話をかけ、

「すいません、後付けなんですが、今から購入のときに断った盗難保険に入るって訳にはいかないでしょうか?」

と言ってみたが、当たり前だができぬという。

 

「ただ、そういうのって近くの公園かなんかに隠しておいて、夜中にとりにくるってパターンが多いから」

「今から探してみな!!」

 

と言われ探しまわったが見つからない。

 

  「このスティードってやつはね、タイヤが太いんだよぉ」

  という納車の時のおじさんの声が頭の中でリフレインしている。

 

この頃、心無いやつから

  「今頃、海外で鉄クズになってるな」

  などと言われることが多々あったので、そいつらには徹底的に無視をし、最終的に縁を切った。

 

もうその日からは、連日連夜、暇さえあれば自転車で近所を探し回り

“盗んだバイクで走り出す”などと歌った歌手を呪ておった。

 

この頃はいつも

 

「このスティードってやつはね、タイヤが太いんだよぉ」

 

というおじさんの声が頭の中でリフレインしていた。

 

一か月ほどしたある日

 

いつものようにバイクを探しに出かけたが見つからず  

 

「今日も成果なしか・・・」

 

と思った23時ころ、大きな工事現場があり、そこを見てから本日の探索は終了にしようと、自転車でその工事現場へ入って行き、トタン板の上を通り過ぎようとすると

 

ドンガラガッシャーン!

 

と言う音と共に、突然天地が逆転。

目の前には夜空が広がっている。

 

どうやら大きな穴にトタン板が被せてあったところを、私が自転車で通過しようとして自転車ごと仰向けに落とし穴に落ちた形となっていたのである。

 

逆さまになった自転車の車輪がカラカラと音を立てて回っている。

起き上がる気力もなく、半泣きで春の終わりの澄み切った夜空を見上げたら、

 

「このスティードってやつはね、タイヤが太いんだよぉ」  

 

のおじさんの声が聞こえた。

 

(その後、バイクは見つからず、悔しさのあまり、三年間のローンを一度の延滞もなく完済したのである)

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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