【多重債務者と呼ばれて】 借金する前に読むべき物語! ④

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都落ち

 

私も私でどうにもこうにもならない生活に陥っておったが、母親から

 

「父親が倒れ、余命いくばくもない」

 

との連絡を受け、「もはやこれまで!」と、実家に帰ってまともな生活を送ることにした。

 

大屋のおばちゃんに

 

「少しづつ、返しますから」

 

と言って快諾され、レンタカーでトラックを借りてわずかながらの荷物を積んで都落ちすることとなった。

帰って数か月で父親は他界。
葬儀などもろもろも落ち着き、新しい仕事を見つけ働いていたが、親兄弟に内緒の多重債務に苦しみ、
働けど働けど状態。

且つ、根っからのバカなんで仕事もやっぱり行ったり行かなかったり。

 

そんな折、東京の部屋を紹介してくれた昔のバンド仲間のギターのKが訳あって一年間
ソープランドでボーイとして働き

 

「給料はいいが休みがない」

「食費、部屋代、店持ち」

「金を使うのはタバコ銭くらい」

「仕事はきついが、借金を返すならあれしかない!」

「お前に紹介してやるから行って来い!」

 

と紹介された。

 

特殊浴場へ

 

人生をリセットしたかったし、これまでアホの様な生活してたんだから、
一年や二年くらいそこで働いてリスタートしようと、
自動車で高速道路に乗って滋賀県は雄琴というソープ街へ行った。

 

雄琴に入って行くと客引きの方々が、お客にするように手をあげるので、
窓を開け

 

「僕、面接を受けにきたんです」

 

と言うと

 

「客やないなら、ハザードを炊いとかなあかんわ!」

 

と叱られ、この業界のルールをひとつ覚えた。

 

該店舗に到着し、誘導されるまま車を停めて、事務所に入る。

 

事務所は事務机のならぶ、10畳ほどのこじんまりとしたよくある中小企業の事務所風だが、
異なっている点と言えば、窓がなく、調度品がどこか成金趣味の悪趣味の大理石やら彫刻やらの類であるところ。

 

美人な女性がパソコンを操作している横で、この店のボスと思しき見た目も恰好も竹内力という感じの男との面接が始まった。

 

履歴書を、ざっくりと言った感じで見て

 

 

「借金で首がまわらへんらしいな」

 

「こっちはいつでもOKだが」

 

「でも本当にここまで身を落とさないかんのかどうか、もう一回よく考えてみい」

 

と言われ

 

「もうやるしかないんで」

 

と答え、

 

「じゃあ、いついつからおいで」

 

と言われたが、帰りの車の中で、もう一度、店のボスから言われたことを考えて、

パーキングエリアから店に電話して

 

「もうちょっと、普通に頑張ってみるんで、今日の話はなかったことにしてください」

 

とこっちから頼んどいて失礼なんだが、お断りの電話を入れたのである。

 

ちなみに

 

滞納した10か月分の家賃は、その後、びた一文支払っていません。

 

(この人でなし!)

 

 

 

 

 

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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