【上京する若者へ】 詐欺被害に遭わないために! ②

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アホがホテルで

 

『AV女優、早く来ないかなあー』

 

とワクワクしているアホが汚いラブホの一室で一人。

ベッドに腰掛け、タバコなんぞを吸う。

 

『改めて、あっち系のビデオの女優、早く来ないかなあー』

 

と三本目のタバコを吸い終わったくらいで、さすがのアホも

 

『なんかが変だな』

 

と思い出す。

 

『これはもしかして』

 

『ひょっとすると』

 

と思うが

 

『いやいやそんなことない!日本にそんな悪い人いない』

 

『もし、そうだとしたら、俺の二万はどうなる!?』

 

『俺の生活はどうなる!?』

 

 

「ていうか、騙されたー!!!!」

 

 

と、ようやく思い当たり

 

「とっ捕まえてやる!」

 

思ったところへ、部屋の呼び鈴が鳴った。

 

 

現れたのは・・・

 

『やっぱり、日本にそんな悪い人はいない!』

 

『ポン引きさん、疑ってごめんなさい』

 

「はーい、今、開けまーす」

 

初めてのいよいよあっち系のビデオ女優とのご対面に緊張する。

 

向こうは知らないが、こっちは見知っているという状況。

 

『何と言って話し出そう?』

 

『もう大ファンだってことにしよう』

 

と決めてドアを開けると、あっち系の女優とは似ても似つかぬカラーコンタクトをしたダルマのような女が

 

「暑いねー」

 

などと言いながら部屋に入ってくる。

 

「あ、そうっすね」

 

と、意気消沈して答える。

 

『・・・あっち系のビデオ女優じゃない』

 

しかし、よく考えてみれば一旦、二万をだまし取られたと思ったが、
たとえカラコンのダルマであっても、こうやって女性がやってきたのだ。

 

 

気を取り直しまして

 

もういい、女優でなくてもいい、ダルマであってもいい。
わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい

この際なんでもいい、と、気を取り直そうとすると

 

「じゃあ、先にお金ね」

 

と言う。

 

「え?」

 

「60分コースなんで25,000円」

 

「いや、そういうことじゃなくて・・・」

 

「・・・なによあんた」

 

「いや、金ならさっきの男の人に払ったけど」

 

「なに、男の人って?」

 

「さっき事務所だかに電話した人だよ」

 

「そんなやつと私は、なんにも関係ないよ。私は金もらってないんだから払いなよ」

 

というか、そもそも財布の中には、既に帰りの電車賃である数百円しか残っておらず、払えるはずがない。

 

普段は気が弱いが、意外と居直ると強気になるのが私である。
騙された怒りと、これからの生活の不安でヤケクソになり、
窮鼠猫を噛む状態になり、恐いものに対する危機感も薄れている。

 

「というか、もう金がねえから払えるわけがねえだろ」

 

「こっちはお前らに騙されたんだ。お前が、俺に金を返せ!」

 

「それが出来ないんなら、さっきの男を呼んでこい!」

 

と問い詰めるが

 

「・・・ホントに私は、そんな男知らないんだって!」

 

という。

 

「それならさっきのヤツを探し出してやる」

 

「その上でグルかどうかは判断する」

 

と吐き捨てて、カラコンダルマを部屋に残してホテルを飛び出していった。

 

(つづく)

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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