もくじ
好きか嫌いかわからん男
我ながら偉そうに、有名人について
「こいつ嫌い!」
とか
「この人好き!」
ということをしばしば書いている当ブログではあるが、この好きか嫌いかの線引きに、昔から大いに迷っている人物がいる。
好きなような嫌いなような、自分でもその辺がよくわからない人物、それは仲村トオルである。
仲村への思い
仲村トオル、デビュー時こそ、そのあくまで素人あがりの芝居の下手さに当時小学生であった私でさえ、彼の演技を頭を抱えてみていたものだが、ここ数年はすっかり芝居もうまくなり、なかなかに渋い中年役をこなすようになっており、彼の演技は好きである。
のに、なんか嫌い。
どうしてなんだろう?
仲村トオルが世に出たきっかけ
彼が世に出たのは往年の不良漫画『BE-BOP HIGHSCHOOL』の映画化、1985年公開の『ビーバップ・ハイスクール』である。
今となってはこの映画も漫画も、この『ビーバップ・ハイスクール』についてあまり知らない人が多いのだが、この作品は、加藤浩志(ヒロシ)と、中間徹(トオル)という名の高校生の不良コンビが主人公の作品。
通称、ヒロシ&トオルなどとも表記される。
これの映画化が決定したことを受け、主役のオーディションが公募。
それに応募し、中間徹役に見事選ばれたのが仲村トオルなのである。
「それに何か問題があるか?」
と問われれば
「無い」
と答えるしかないのだが、どうにも腑に落ちん。
よく考えてみると、中間徹役に仲村トオルってのが腹立たしいんである。
原作のキャラクター名を芸名にいただいてしまっている例は数あれど、なんかムカツク思い。
いっそ、役名通り『中間徹』であれば腹も立たんが、『仲村トオル』などとオリジナリティーもいれていることに腹が立つ!
やっぱり仲村トオル嫌いだ!
と、思ってみたが…
しかし、仲村トオルについて調べてみると、仲村トオルの本名は〝中村亨〟であり、役名に寄せていったのではないことが判明。
だったら、丹古母ヨシオなどと、中間徹とは全く無関係なものへすればいいのに、やや近い所を良しとしているしているところが釈然とせぬ思い。
仲村トオル、なかなかに煮え切らん男である。
が、別に芸名〝仲村トオル〟にはあんまり問題ないことがわかり、私は更に仲村トオルが好きか嫌いかわからなくなるのである。
あぶない刑事
で、その後、映画はシリーズ化され約2年間で6作品も作られたそうだが(私は一作品も観てません)、それが終わるころに仲村トオルは日本テレビ系列で日曜21時放映のテレビドラマ『あぶない刑事』の主人公、タカ(舘ひろし)&ユウジ(柴田恭兵)の子分役に抜擢され、映画館に留まらず、お茶の間の人気も獲得していく。
その子分役の名前が、町田透、なんと『トオル』なのである。
作品の中でも頻繁に
「おーい!トオル!」
などと呼ばれている始末。
この作品、他に芸名=役名の者はいないのである。
いっそ全員、芸名=役名に絡めてあればいい。
主人公の鷹山敏樹役は、舘ひろしが演じたから、役名も鷹山ひろしでいい。
同じく主演の大下勇次役は、柴田恭兵が演じたから、役名も大下恭兵でいい。
署長の松村優子役は、木の実ナナが演じたのだから、役名も木の実優子でいい。
取り調べ官の田中文男役は、ベンガルが演じたのだから、役名も田中ベンガルかベンガル文男でいい。
が、あくまで、もう、仲村トオルだけがトオルなのである。
この時、仲村トオルはどういう思いがしたのだろうか?
事務所側の
「仲村トオル、猛プッシュ願います!」
「役名もなんとかトオルで!」
などというの意気込みというかゴリ押しを感じる。
もしかすると、本人が
「俺、トオル役でオーデション通過したんで、あくまでトオルで!」
と意地を張ったのかもしれない。
だとしたら、仲村トオル、食えぬ男だ。
※画像はあぶない刑事のあとに放送された、「勝手にしやがれヘイ!ブラザー」。この写真だけで決めれば、仲村トオル、嫌いである。
再び映画にも出演
その後、彼の人気に火が付き、いくつかの映画出演を経て、1988年再び『ビーバップ・ハイスクール』以来のW主演映画が公開された。
タイトルはずばり『悲しい色やねん』。
上田正樹の名曲、『悲しい色やね』をモチーフにしたものらしいが、そこは映画のタイトルも『悲しい色やね』で良かったのではないか?
なんでわざわざ『悲しい色やねん』と断定的な言い方にかえたのか?
ま、そもそも
「悲しい色やね」
なんて実生活で言うヤツがいたら、そいつとはかなりの距離をおくことにするわけだが。
て、『悲しい色やね』でも『悲しい色やねん』でもどっちでもいいが、問題は仲村トオルの役名である。
この映画における仲村トオルの役名は、〝夕張トオル〟である。
ここでもトオル。
あくまでトオル。
どこまでいってもトオルを引っ張り出されることに仲村トオルの気持ちはどうだったのか?
「作品の中では、早くトオルから脱却したい!」
と思っていたのか、はたまた監督の森田芳光に
「森田ちゃ~ん!ここも一発トオルでシクヨロ!」
「宣伝になるんでね~トオル役は、やめられんのですわ」
「じゃあディスコでフィーバーしてきますんで、あとシクヨロ!」
と思っていたのか。
この辺りがわからん以上、私は仲村トオルのことが好きか嫌いか線引きが出来ないのである。
つりばんど 岡村
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