もくじ
いよいよスタート
沿道からは
「いってらっしゃーい!」
「がんばってー!」
の声。
これマラソンに出るとわかるんですが、とっても嬉しいんです。
大勢で普段通れない車道の真ん中を
ドッドッドッドッドッ!
と走っていくのは非日常の感覚であり、且つ、応援なんかもしてもらって気分も高まり
「一発やったろうかい!」
と、これから一揆のひとつでも起こしに行くような感覚にとらわれる。
「もしかすると幕末に起こった〝ええじゃないか〟って、こんな感じだったのかも?」
「落語の〝地獄八景亡者戯〟とかの天国へ向かう道はこういう風景かもしれない」
などといつも思う。
![](https://i1.wp.com/tsuriband.com/wp-content/uploads/2017/10/gn585.jpg?resize=535%2C422&ssl=1)
そろそろ1キロ
『もうそろそろ1キロ地点だな』
と思っているところへ後ろから大歓声。
『なんだ?』
と思って振り向けば、高橋尚子。
〝振り向けば〟
と言われてあなたは何と答える?
「〝振り向けば自転車屋〟でしょ?とんねるずのノリさんが歌った」
とか
「〝振り向けば横浜〟だよね!マルシアもそろそろ大鶴義丹、許したれよ」
などと答えるんでしょうが
(答えません)
私の場合は、振り向けば高橋尚子なのである。
ドヒャー!
このチャンスを逃すな!
と、慌てて手を出し、Qちゃんとハイタッチ成功!
①完走
②Qちゃんとハイタッチ
のふたつを目標に掲げた我が新潟シティマラソン2017は、スタート1キロ地点で早くも目標の半分を達成したのである。
沿道の応援はうれしい
そのままテンションあがって走り続ける。
市民ランナーはみんな派手な色の服装をしているし、コスプレで走っている人も大勢いるしで、応援してくれている人々のとくに小さい子供からすると、仮装行列でもみている感覚と思われ、私なんかでも手を振ると、とても喜んでくれる。
そのため
『沿道の応援になるべく答える』
と24時間テレビの萩本欽一氏が走ったときと同じ気持ちで、とくに小さい子には派手に手を振ってこたえておったが、5キロを過ぎたあたりから、実は子供達の歓声は私のすぐ後ろを走るダースベイダーのコスプレの人へのものであったことが判明し、それ以来、私は沿道の声援にはやや控えめに応えるようになったのである。
![](https://i0.wp.com/tsuriband.com/wp-content/uploads/2017/10/Inkedcef1bb87_LI.jpg?resize=473%2C315&ssl=1)
アドバイスをくれた救世主
いつの間にか一緒に走っていたSの姿は見えない。
どうやら先に行ったものと思われる。
私は一人で、昨年の反省から給水でガブ飲みしないように注意し、絶好調で14キロあたりである新潟みなとトンネルを通過。
トンネルを抜けたあたりでカップルが私と並走しており、その彼氏の方が彼女に
「このまま折り返して再びトンネルに入るけど、抜けると途端に辛くなる」
「20キロを過ぎると歩きたくなるけど30キロまでガマンしよう」
「30キロを過ぎればゴールも見えてきて気が楽になるから」
とアドバイスしている。
とても参考になったので、私は、その彼女になったつもりで
「わかった。私、あなたの言う通りにするわ」
と思うのであった。
(つづく)
つりばんど 岡村
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