【長い自己紹介の続き】続・此の馬の骨はかなりアホ也④

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宅配ピザ屋のバイト

そのように数日間、アルバイトニュースを見ては応募して断られたり、受かってもアッサリ辞めたりを繰り返していたが、ある日、公園でアルバイトニュースを見ていると、ピザ屋のデリバリーのバイクが目に入った。

「ああいうの、気分良さそうでいいよなあ」

郵便配達の仕事に憧れていたこともあり、バイクで走り回る仕事に惹かれ

「ああ!ピザ屋のバイトだ!」

「ピザ屋しかねえ!!」

「且つ、ピザ屋には女も大いに違いない!」

と思い、近所のピザ屋に電話しアルバイト募集の有無を確認したところ、その店では募集していないが、隣町の店では募集しているとのことでさっそく面接を受け、働かせてもらえることになった。

で、このピザ屋の仕事が楽しい楽しい。

ピザ屋の仕事は学生が多く、私の様にフルタイムで働くことのできる人間を重宝してくれたし、試食はたくさんさせてくれるし、同年代の女性もわんさか働いているし、何の保証もボーナスも無いが、手取りは20万円を超えるし

「ああ、俺の求めていた青春ってこういう感じなんじゃないかなああ」

と幸せな気分に浸っておった。

で、あまりに楽しいので、のちに一緒に上京することになる、NとHにも声をかけ、みんな一緒に働くようになった。

そのピザ屋では好きな人も出来たし、いい仲間に出会えたし、毎日楽しいし、何の問題もないわあ、というハッピーな日々を過ごして居ったが、どうにもこうにも金が貯まらん。

上京する資金を貯めるために働いているのに、毎晩毎晩仲間や好きな人と遊んでおれば、金が貯まるはずもない。

芸人になるために高校の頃はきちんとネタを書いたり練習したりしていたが、ピザ屋に入ってからはただ遊んでばかり。

「もっと厳しい状況に身を置いて、きちんと稼げる仕事につかねばならんのではないか」

「でも、楽しいし、辞められねえわ」

「どうしよう」

と思っていたところ、急遽、ピザ屋のオーナーが店を売り、別の会社が営業することになった。

ピザ屋の体制交代

旧オーナーの女性から

「みんなはそのまま同じ条件で働いてていいから」

と言われ、我々従業員は新体制でも働くことになった。

私はオーナーの人柄も含めてこの店が好きであったので、新体制に変わるのを機にバイトを辞めようと考えていた。

というのも、仲間のSが私たちの住む街にある、某大手製紙工場で、三交代でバリバリ働いて稼ぎまくって、ボーナスもわんさかでて、貯金しまくっており、そこも人手不足で随時社員を募集しており、仕事内容はとてもキツイが、そこで働いて、金を稼ごうと思っていたからである。

「でも三交代の工場はキツイよなあ」

「オーナーは変わるけど、ピザ屋は楽しいしなあ」

と思っていた。

で、いよいよピザ屋の旧体制が終わり、新体制になるにあたって、従業員はそのまま引き継ぎとなるが、

「一応履歴書もって面接に来い」

とのことで、改めて履歴書持参で面接に行った。

新しい店長と名乗る30歳ぐらい痩せぎすの銀縁メガネの男が私の履歴書に目を通し

「フルで働いているんだね?」

と言うので

「そうです」

と答えると持っていたボールペンで、履歴書に大きく

〝即戦力〟

と殴り書き

「俺は、右腕が欲しい!」

と言ったのをきっかけに

「あの、辞めます」

と言ってピザ屋を辞めることにしたのであった。

(つづく)

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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