【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記!⑥

差し押さえ 分は返してもらえるか?

指なんかガタガタ震ているが必死に検索する。

出てくる結果は、だいたいがYahoo知恵袋などの相談形式のもので

「友人が住民税の支払が遅れて口座を差し押さえられました」

「生活が出来ないと言っています」

「どうしたらよいでしょう?」

というような、相談内容。

これに対する回答はだいたいが以下のパターンに分けられる。

①チャチャいれ一派

「〝友人が〟って本当はお前だろう!」

などと人が困っているときにどうでもいいチャチャを入れて特に回答しない奴ら。
ムカつく。

②役所の回し者一派

納税は国民の義務である、何処かから金借りて生活しろなどと抜かす奴ら。
本当のところどうか知らんが、役所の回し者とかが多いんじゃないかな、とか邪推する。

こういうヤツがまあ多い多い。
人が切羽詰まってるときに

「納税は国民の義務だ!」

とか、うるせえわ、と思った。

「切羽詰まるお前が悪い」

とか、はいはい、アッチ行けシッシッ!

③専門家と思われる一派。

「差し押さえられた金額は、どんな事情があっても返してもらうことはできません。」

「差し押さえ前に、最低3回は督促状が届いているはずで、差押え前には分かりやすく、最後通告と言う普段と違う色のハガキも届く」

「その上で、再三督促をしているにもかかわらず、何の連絡もよこさないと言うことは支払う意思がないとみられ、差押えさられます。」

「不服申し立てなどの方法がありますが、このケースは申し立てても却下されます。」

「なので、差し押さえられる前に、督促を受けている段階で正直に分納などの相談を区役所の担当者とすべきでしょう」

などと最もらしく書いてある。

これ、差し押さえれる前になんとかしようという注意喚起ではあるが、正確なものではないので、というより間違いなので、実際に差し押さえられた人は、まず安心して欲しい。

④差し押さえ経験者一派

経験談から確かな回答をしてくれる気持ちのいい連中。

「うちのバカの元夫が」とか、「過去に私も同じ目に遭いまして」とかいう書き出しで答えてくれている。

しかしこの手の書き込みは、まー少ない少ない。

まあ、差し押さえ経験者なんてそうそういるもんじゃないから仕方がないが。

あとでわかるのだが、これが本当にこの人達の言う通りだったのである。

 

給料を差し押さえられたのではなく、口座を凍結されたということ。

どこまでが本当かは知らないが、給料を全額差し押さえるのは違法だそうで、手取りの4分の1までしか許されていないそうである。
しかし、住民税を差し押さえが必要なほど滞納しているのは、手取りの4分の1程度の額であるはずがないため、住民税などの差し押さえの場合、給料の入っている口座から引き落としができないように口座を一時的に閉じる=凍結するらしい。

で、そのまま放置すると、その抑えた金を滞納している税金に充てられる。

で、滞納分に金を充当されてしまうと、お金は返ってこないのだそうだ。

そうならないようにするには、以下が大切である。

・まず、速攻で役所の該当部署に電話をする。滞納分に充当されたら大変!

・担当者に正直に、生活が出来ない旨を伝える。

・そうすれば、即日口座凍結を解除して12万円は返してくれる。

・で、次の給料日までその12万円で生活する。

・どうしても生活できねば友人・知人、サラ金などに借りるしかない。

12万円という金額は、もしかすると一人暮らし用で、家族のある人は額が違ったりするのかもしれないが。

私は確かに書き込みとおり12万円が帰ってきたのである。

というのが私の実体験からの回答であるので差し押さえられた人は参考にして欲しい。

 

(つづく)

【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記!⑤

とにかく一旦、震えて眠る

部屋に帰ってきたものの、口座が差し押さえられたのが、本当に住民税が原因かどうかも分からず、とにかく明日、銀行に電話するまで何をどうしたらいいかもわからない。

腹が減る。

全財産130円。

給料日まであと一か月。

元多重債務者で借金などできないし、したくない。
と言うか、一か月もの生活費を貸してくれる人もいないし、貸してくれても返す見込みがない。

そう考えるとガタガタ震えてくる。

何にもできない状態で、心配しているばかりでは体に毒である。

「それでは私は今、何をすべきか?」

「酒を飲むべきである」

と、食べ物も買い置きはないが、酒の買い置きは気絶できるほどあるので、4リットルのウィスキーのペットボトルから、それをコップにドブドブと注ぎ、一気に飲む。

が、ぜんぜん酔わんのでその後もストレートでガブガブと飲み、本当に気絶するかのように眠ったのである。

※写真は私の部屋に常にある、泣く子も黙るブラックニッカ4リットルペット。

いざ、銀行に電話!

翌朝、ど二日酔いの頭で9:00ジャストにキャッシュカードに記載されている電話番号の銀行へ電話をかける。

口座が急に残高0となり、昨日、ここに架け直すように言われたものであると告げる。

長い間保留にされた挙句

「担当部署をご案内しますので、そちらにおかけ直し下さい」

と言って、更に別の部署の電話番号を教えられたので、そちらに架け直す。

すると、その部署の担当者から

「〇〇区役所から口座凍結されました」

と説明され、

「これ以上のことは、銀行に聞かれてもわかりませんので、〇〇区区民生活納税課にお問い合わせください」

と言う。

これだけのことが、なんで昨日言えんか?

くだらん、と思って電話を切った。

差し押さえられた金は返してもらえるか?

さて、いよいよ急に口座の残高が0円になった原因がはっきりした。

はっきりしたはいいが、だからといって

「ああそうですか」

と言うわけにはいかない。

自慢じゃないが、他の口座に貯えなども一切ない。

区役所に電話しても解決するかどうかわからん。
焦って交渉を失敗してもいかん。

なんとか分割で支払うので、口座の凍結を一旦解除してくれないか色々と下調べせねばならん。

というか、口座の凍結ってなんだ?給料を差し押さえらたんではないのか?

と、スマホで

〝差し押さえ〟

について検索につぐ検索を開始したのである。

(つづく)

【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記!④

親に毎月仕送りするに至った経緯

そうこうして2010年の年末に東京のアパートを引き払い、長期出張で青森へ行ったのだが、新事業立ち上げであり、朝から深夜まで、本当に朝8:30から深夜2:00まで毎日のように働かされた。

もうこの仕事はキツくてキツくて。

どのくらいキツいかと言うと、当時の責任者が連続無断欠勤の末、バックレるというくらいキツい。

たまに休日はあるものの、雪であり、雪だらけであり、外にでるのも億劫である。

また外に出たとしても遊ぶところもなく金は使わない。
住まいは会社が借りたウィークリィーマンションである。

その上、出張費は出るわ家賃も光熱費もかからんわ。
食事は社食で激安のものを食べたりしており、金を使うといえば、当時吸っていたタバコと毎日の安焼酎代、近所の250円で入れる温泉代くらい。

そのため、この頃は給料が支給されるたびに

「また振り込まれてるよ」

「金が減らねーよ」

などと嬉しい悲鳴をあげておったのである。

その前に、とにかく休みたかったが。

そんでもって、口座にはどんどん金が増えていき2011年の3月にもなるとそれまでの人生で一番金があるようになった。

というかこの時に差し押さえてくれたら、まったく痛くも痒くもなく一気に支払えたのにと思う。

が、郵便局へ転送届もださず、出張なんで住所も移さぬで、まったく区民税の督促状なども届かず。

まあ、届いていても、例のルパン三世気取りで払わなかった気もするが。

で、運悪くというか、この時には差し押さえられず、本当はクレジットの支払も48万円滞納しているわ、過去4年分の区民税は一銭も払っていないわ、にもかかわらず

「金がうなってるぜ!」

と勘違いし、それまでの自分の人生を振り返り

「そーいえば、俺ほど親不孝もんもいねーなー」

などと柄にもなく反省。

昔からしてみたかった田舎で一人でくらす母親への仕送りをしようと思い立ち、母親に電話。

「これから毎月、3万円を振り込むから」

と伝えて口座番号を聞いた。

母親は

「お前、大丈夫なの?」

と心配していたが

「いや、俺も大人だからさ、そんなはした金なんともないわ」

「まあ、泥水飲んでも毎月の仕送りだけは欠かさないから安心してくれ」

と、毎月仕送りすることを約束したのである。

青森→札幌。ススキノに狂った私

その後、青森出張が終わり、続いて札幌に長期出張に行ったのだが、青森とは真逆ともいえる札幌は、金を使うことろが無いのでは無く、金を使うところしかない。

そんな訳で青森とのギャップにやられた私は、仕事終わりで連日連夜ススキノに通い詰め、まあ、ものの見事に貯えは半年ですっからかんになったのである。

 

そして、次に現在の新潟に出張ではなく、在籍することとなり、つつましく生活をしながらも、親には毎月仕送りを続け、2年半経過したときに、問題の差し押さえになったのである。

しつこいようだが、大の大人の全財産が130円である。

仕送りどころか、今から入ろうとしていたスーパー銭湯どころか、帰りのバス代さえない。

ススキノが懐かしい。

まあ、さきほどの行員の言うように、明日、銀行に改めて電話をかけなおそうと思い、トボトボとアパートに向かって歩き出したのである。

部屋につくまで二時間ほどかかったが。

(つづく)

【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記!③

難事件を解決できるか!?

もうスーパー銭湯どころではない。
冒頭で書いたように財布の中身は130円で帰りのバス代さえない。

銀行の女性オペレーターが言うように明日までなど待ってはいられない。

「どこまで出来るか分らんが」

「とりあえず原因を自分で調べよう」

「難事件そうだし、自分で調べられるかどうか・・・」

「いや、何時間かかっても調べないといかん!」

と、スマホを取り出し、ググろうとするが果たして何て検索すればいいのか?

「まずはとっかかりとして、思いつくままに検索しよう」

と、検索窓に

〝急に 残高 0〟

と打ち込んで検索する。

 

と、一発でスマホ画面一杯に〝差し押さえ〟の文字。

〝差し押さえ〟
〝差し押さえ〟
〝差し押さえ〟

1に差し押さえ、2に差し押さえ、3、4が無くて、5に差し押さえ状態。

これが差し押さえじゃないなら、何が差し押さえかわからないほど。

愛を込めて花束を!

などと歌っている場合ではない。

 

差し押さえの原因は?

検索結果を読めば、差し押さえはだいたい保険料とか住民税とかでされるらしい。

踏み倒しの権化のような私は、これまで色々な借金を踏み倒してきたが、クレジットとかそういうので差し押さえにはならないらしい。

で、保険料というのは詳しくないのでよくわからなんが、社会保険とか国民保険のようなものであり、私は会社の給料から社会保険料は天引きされているのでそれではないだろう。

じゃあ、住民税しかない。

が、私はこの時からさかのぼること一年半前の2012年の4月から新潟に居を移し、給料から天引きされる形で新潟にきちんと住民税を収めているのである。

「何が差し押さえだこのやろう!」

「人の口座を勝手に差し押さえやがったのは、いったいどこのどいつじゃい!」

とわが身を振り返ってみれば、2012年の4月に新潟に居を移す前、第一次宿無しになった2002年の日韓ワールドカップの頃から、どこの市区町村にも住所を移さず、およそ住民税というものは、一切の支払いをせず、それこそ一銭も払っていなかったのである。

というか、当時なぜか住民税の請求も来なかったのである。

しかし、2006年の秋に第二次宿無しに陥ったものの、半月程度のネットカフェ難民生活を経て、2007年2月に無事に都内某区にアパートを借りてからも一切支払わず。

が、当時の石原都知事の時代に、石原都知事が

「払っている人に対して払ってない人がいては不公平でしょ」

「徹底的に取り立てる」

という意味のことを言って、本当に徹底的に住民税取り立てる体制になり、住所を移していない私の所にも住民税の請求がコンビニ払いの用紙でバンバンバンバン届くようになった。

しかし、それを受け取った私も当時は多重債務で支払う余裕はなく、

「こんなことぐらいで支払ってたまるか」

と思い一切支払わず、

「都知事はやっぱり、青島幸男が良かった」

「いじわる婆さんがよかった」

と思いながらやりすごし、2010年晩秋に東京を引き払う時には

「払わせられるものなら払わせてみろ」

「真っ赤な~バラを~お前の~唇~♪」

となぜかルパン三世気取りになり

「あばよ、石原のとっつぁぁぁん」

などと言い、数年後にこれが原因でスーパー銭湯の前で、財布の中身が130円で立ち往生する日がくるとは知る由もなく、

「俺は石原軍団に勝った!渡哲也や舘ひろしにも勝った!」

「西部警察に勝った!」

と、全くわけのわからんことを思っていたのだった。

(つづく)

【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記②

頭の中が真っ白になる

数分間、キャッシュコーナーの前をあてもなくグルグルと歩き回る。
頭の中は真っ白である。
こういう時、人間は希望にすがりたくなるもので

「もしかして会計の都合で給料日が祝日明けである明日、9月の17日に後ろ倒しになったのか?」

「そうならそうと会社もちゃんとお知らせしてくれよー」

「まったくモウ」

と念のために会社に電話をする。

呼び出し音を聞きながら

『ちゃんと事前に教えてくれないと困るって怒ってやるからな』

と思っていると会社の知り合いの中年男性が電話に出た。

「あのー、今月の給料って、祝日明けに振り込まれるんですよね?」

と言うと

「はあ?もう振り込まれたでしょ」

と答える。

何をたわけたことを抜かしやがんだ、このバカ野郎、ちゃんと確認しやがれと思い

「いや、こっちは確認したところ、まだ振り込まれてないんでね」

と言うと

「俺は金曜に振り込まれてたよ」

とあくまで言い張る。

「いや、でも」

と言いかけると

「ちょっと待って」

と言って保留にされた。

しばらく待つと保留が解除され

「他の人にも聞いてみたけど、やっぱりみんな振り込まれてるって」

と言う。

意味が分からん。

俺だけ会社に嫌がらせされているのか?

大人の社会にもいじめは有るというのは本当だったのだな、と一瞬思うがそんなはずはなく

「まあ、わかりました」

と言って電話を切る。

何かが起こっている。

 

銀行側の都合か?

だいたい、残高がキッチリ0円というのが理解出来ない。

いくら給料日前だからって、数百円は残っているはずである。

キャッシュカードで引き出している以上、きっちり0円になるように引き出せるわけがない。

「ああそうか、キャッシュカードかATMの故障だ!」

「何か銀行側の都合だ」

「ほら、祝日で使えないとか、なんだよ人を驚かすんじゃねえよ」

「心臓に悪いわ」

と再びキャッシュコーナーに入り、確認をとるため備え付けのインターフォンを持ち上げる。

 

呼び出し音が鳴ったあと、担当の女性オペレーターが出た。

「あの~、残高が0円になってるんですが、何かの故障ですよね?」

と尋ねると、私のカード番号や個人情報を聞かれたので素直に答える。

「少々お待ちください」

と言われて、保留音が流れる。

のんきな曲が流れつづける。

すると、曲が終わる。

で、また初めからのんきな曲が流れる。

「結構待たされるな」

「でもぜんぜん構わん。もっとどんどん調べてくれ」

「機械の故障なんて滅多にないんだろうから焦ってるだろうな」

「さて、サウナに入って、夜は寿司か焼肉か、どっちにすべきか」

などと思っていたら保留が解除され、さきほどの女性オペレーターで出る。

「大変お待たせいたしました」

はは、いいってことよ、と思いながら

「はい」

と答えると

「現在、岡村様の口座からはお引き落としが出来なくなっております」

と言う。

『はいはいはいはい、それはもう、それはもう、十分すぎるほどわかっておりますが』

と思い、

「そうです。で、原因は?」

と答えると

「ですから現在、岡村様の口座からはお引き落としが出来なくなっております」

「ですからって、ですからそれはわかっているんですが、原因がわからなくて」

と、ですからをですからで返すが、あくまで女性オペレーターは

「現在、岡村様の口座からはお引き落としが出来なくなっております」

と言う。

『言いたいことはそれだけ』

『あとは電話を切るだけ』

とでもいいたそうな口調である。

と、電話を切られちゃたまらんので、ストレートに

「原因はなんですか?」

と尋ねると

「お答えしかねます」

と言う。

お答えしかねるということは、お答えをしっているが、し兼ねると言うことである。

し兼ねると言っている物をたずねたところで教えてはくれないルールなんだろうから原因を聞くのは諦めるとして

「じゃあ、私の場合がどうこうじゃなくて、一般的にこういうケースではどういうことが考えられますか?」

と聞くと、

「一般的にもお答えしかねます」

と言う。

「じゃあ、こういう時、どこに相談すればいいんですかね?」

と聞くと

「本日は祝日なので窓口がやっておりませんが、明日9:00から17:00に改めてキャッシュカードに記載されている電話番号にお問い合わせください」

と言う。

はじめから、そういえばいいのに、まったく、と思ってインターフォンを置いた。

しつこいようだが、この時、私の財布の中身は130円である。

(つづく)

【急に残高0!】住民税による口座差し押さえ体験記!①

差し押さえは突然やってくる

忘れもしない2013年9月16日、月曜、祝日、敬老の日。
その日、私は休日であり、当時の私の休日の過ごし方としてルーティーンになっていたスーパー銭湯へバスに乗って向かった。

スーパー銭湯の最寄のバス停で降りると、財布の中が130円になったので

「サウナに入る金含め当面の生活費を引き出しておかねば」

と、近くにあった銀行のキャッシュコーナーに入る。

毎月15日が給料日だが、9月15日が日曜ということで、前倒しの9月13日の金曜日に振り込まれている。

「さて、今月はいくら入ったかな?」

と思いながらキャッシュカードをATMに挿入する。

「三か月に一回支払われる交通費も入るはずだからいつもより多いはずだぞ」

と思い、ATMの画面の〝お引き出し〟を選択して押す。

「さあ、今日はサウナに入って、夜は寿司を食べよう!」

と思い、ATMに求められるままに暗証番号を入力。

「寿司もいいけど、焼肉もいいなあ」

などと思い、引き出し金額を3万円と入力した。

すると

〝しばらく、そのままでお待ちください〟

という女性っぽい機械の音声が流れ、ATMの中で札が

ガガガガガガガ・・・・

と数えられる様な音がする。
で、少しすると

〝恐れ入りますが、もう一度はじめからやり直してください〟

という音声が流れて、差し込んだキャッシュカードが押し戻されてくる。

画面には銀行員の男女が頭を下げているイラストが表示される。

 

「はて?」

「3万円程度で残高不足のはずはないが?」

まあ、何かが間違ったんだろう。

「まあいいや」

と深く考えず、差し戻されたキャッシュカードをもう一度、ATMに挿入。

「さて、今月はいくら入ったかな?」

と思いながらキャッシュカードをATMに挿入する。

「三か月に一回支払われる交通費も入るはずだからいつもより多いはずだぞ」

と思い、ATMの画面の〝お引き出し〟を選択して押す。

「さあ、今日はサウナに入って、夜は寿司を食べよう!」

と思い、ATMに求められるままに暗証番号を入力。

「寿司もいいけど、焼肉もいいなあ」

などと思い、引き出し金額を3万円と入力した。

すると

〝しばらく、そのままでお待ちください〟

という女性っぽい機械の音声が流れ、ATMの中で札が

ガガガガガガガ・・・・

と数えられる様な音がする。
で、少しすると再び

〝恐れ入りますが、もう一度はじめからやり直してください〟

という音声が流れて、差し込んだキャッシュカードが押し戻されてくる。

画面にはさきほども登場した銀行員の男女が頭を下げているイラストが表示された。

 

何か、ただごとでない気がする。

とてつもなく嫌な予感がする。

 

急に残高0!

とりあえず、残高を確認しようと、みたびATMにキャッシュカードを挿入。

〝お引き出し〟ではなく、〝残高照会〟のボタンを押す。

求められるままに暗証番号を入力。

数秒待たせれたのち、ATMの画面になんと、残高が0円である旨が表示された。

「ちょっと、外の風に当たろう」

と思い、キャッシュコーナーを出た。

(つづく)

【なるほど!ザ・ワールド】愛川欽也の独裁司会「今、なんつった?」について考える

おぼえていますか?なるほど!ザ・ワールド

何がせわしないかと言って、なるほど・ザ・ワールドの特番のVTR振りの時、司会の愛川欽也と楠田恵理子が同時に

「な~るほど!ザ・ワールド!」

と声を揃えて言った直後からVTRが流れ出す一瞬の隙に、愛川欽也が

「秋の祭典スペシャ~ル」

などと言うことほど、せわしない物はない。

などと書いても今時の人々にはほとんど通じないと思うのだが、かつてのフジテレビの長寿番組のことを知っている人がどんどん少なくなっているのでここに書いておこうと思ったのである。

(理由は不明)

 

なるほど!ザ・ワールドとは?

さて、この『なるほど!ザ・ワールド』とはどんな番組か?

今でこそ、〝世界ふしぎ発見〟などの類似番組があるが、当時としては画期的な世界の国々を旅するレポーターが、その国ならではの習慣などにまつわるクイズを出題。
スタジオでそのVTRを観る基本的にペアで出場する4組のゲスト達が、クイズに答えて順位を争い、優勝したチームが豪華景品を賭けたミニゲームなどに挑戦できるという番組である。

他のクイズ番組と大きく変わっているのが、回答権が早押しやフリップで一斉に回答するのではなく、もっとも順位の高いチームから司会の愛川欽也が答えを聞いて回って行く点である。

で、正解できなければ回答権が次の順位に移り、正解したチームは順位がひとつ上のチームと入れかわることが出来るのである。

しかし、回答には決められた時間制限や回答数があるのではなく、愛川欽也の独断と偏見というか、好みによって若手女子などの贔屓のペアには長時間に渡って何度も答えさせたり、ヒントを出しまくったり、また、気に食わないとかチームとか、おじさんチームなどには全くヒントを出さなかったり、一言しか言わせなかったりするという、司会者の傍若無人さも番組のうりの一つであった。

キンキンと回答者の会話風景

問題は、アフリカから

「この部族が大切にしている物とはなんでしょう?」というもの。

答えは首飾りだとする。

回答者はアグネス・チャンと西田ひかる。

そこへ、愛川欽也が回答を聞きに近づいていき

「まったく二人とも可愛いねえ~」

などと話しかけ、

「さあ、何を大切にしている部族でしょう?」

と改めて答えを聞く。

すると、西田ひかるが

「お金で買えるものですか~?」

などと聞くと、欽也は

「まあ、買えるでしょうねえ」

と言い

「女性は特に大切にするかもねえ」

とヒントを出すと、アグネスチャンが

「でも、まさかアクセサリーじゃないだろうし・・・」

とフッと正解に近いことを口にする。

すると、愛川欽也はそれまでのにこやかな表情から一転、急に険しい顔になり

「おい、今なんつった?!」

とアグネスチャンに詰め寄る。

『あれ、あたし今、何かいったかしら?』

という風にキョトンとしているアグネスに向かって

「おい、アグネス!今、なんつった?!」

と更に詰め寄る。

飲み会で、酒癖の悪い男が、ちょっとしたことに急に腹を立て、突然怒りだしたようで怖い。

「おい、アグネスこのヤロー!」

と胸ぐらを掴むような勢いである。

そこで、アグネスは

「アクセサリー?」

と尋ねるように口にすると、欽也は

「アクセサリーって言うと?!」

「指輪でなくて、耳飾りじゃなくて!?」

と更にヒントを出しながら問いただすように正解へと導き、ようやく西田ひかるが

「・・・首飾り」

と言うと、ゲストの鼓膜も破けよと言わんばかりの大声で

「正~解~!」

という寸法で番組は進んでいくのである。

って、これも当時はほとんどの人がわかる、なるほど・ザ・ワールドあるあるだったのだが、今となってはほとんどの人が理解してくれないのでここに書き残しておくことにする。

(理由は不明)

【自動改札の残高表示】現代社会の闇?について考える

Suicaの残高が、持ち主の値札化している件

SuicaやPASMOを使って自動改札をくぐるときに、自動改札機の小さな画面にカードの残高が表示される。

ラッシュの時なんかは、自分のすぐ前に自動改札を通過した人の残高がばっちり見れる。

ということは自分の残高も後ろの人に丸わかりであり、毎回1,000円づつ細かく刻んでチャージしており、残高が最大で数百円程度の身としては人前で恥をさらす思い。

残高が50円の私をみた後ろの女性に

「ああ、こいつ50円ね」

「50円の価値の男ね」

と思われるはめになる。

現代社会において、人は、自動改札の前で、Suicaの残高=持ち主の価値、という値札を貼られているのである。

(貼られてません)

残高が過剰な人

たまに、前を通ったサラリーマン風の男の残高が4万円台であったりする。

見せびらかしているのか?

だいたいSuicaに4万も5万もチャージする必要あるか?

と思う。

「いや、4万円以上チャージする必要あるよ」

「なぜなら俺は、突発的に新幹線で長距離の移動をすることもしばしばだからね」

などと抜かす、この野郎は、Suicaの残高を4万円台に保つことで

「おれ、一流のビジネスマンだかんね!」

「Suicaの残高は大人のステータスだもんでね」

「東京カレンダー読んでる?」

「ああ、港区の優越」

などと、胸糞の悪いことを考えているのである。

※写真は東京カレンダー。現在もっとも胸糞の悪い雑誌。

 

そのため、私は前を通った男のSuicaの残高が4万円をこえていると

 

「格好つけるんじゃねー!」

と、どやしつけたくなる衝動に駆られるのである。

Suicaの残高が、少ない人はいい人だ!

逆に、私の前を行く若い女性の残高が20円と表示されたのを見ると

「わかる」

「わかるぞ」

等と仲間意識を感じたりする。

「この人は将来、きっといいお嫁さんになる」

などと、何にも知らないにもかかわらず勝手に思っているのである。

改札で流れをせき止める人風景

 

通勤ラッシュで、ようやくもみくちゃにされた満員電車を降り、みんなでドンドンドンドン自動改札に向かっていく。

前方の改札機をみれば、人々が次々に抜けて出て行っている。

改札を抜けて、それぞれの会社に急ぐ姿が見える。

今日は電車遅延もなく、スムーズにことが運んでいる。

いよいよ自動改札が近づき、Suicaを用意する。

と、私の前を行く者が改札機にSuicaをかざした途端、そいつのSuicaが残高不足で、

〝ピンポーン!〟

という警告音がなり、人を小ばかにしたような小さな扉のようなアレが閉まり

「チャージして下さい」

と機械的な音声が流れる。

 

自動改札に足止めをくったそいつは、ひきつった笑いで引き返して精算機に行こうとするが、私の後ろからもドンドンドンドン人が押し寄せてきており、ちょっとした立往生状態になることがある。

事情がわからない人々がどんどん押し寄せ、私の背中にガンガン当たってくる。

良い流れを止められた腹いせに、故意に背中にパンチを浴びせる者もいる。

私が悪いのではないにもかかわらず、この残高不足野郎のせいで、私が背中を殴られるのハメになるのである。

こういうせっかくの良い流れを、食い止めるヤツはどこにでもいる。

こいつは、みんなで

「なんか変な臭いしない?」

などという会話で盛り上がっているときに

「俺、鼻が詰まってるからわからない」

といって、会話の流れをとめるタイプである。

『まったく、流れをとめるんじゃねえ!』

と思っていると、その残高不足野郎が小声で

「すいませんすいません」

と頭を下げながら後ろへ戻っていく。

そいつを冷ややかな表情で見送りながら、足止めをくった者達が全員で

『このドジ!』

『まぬけ!』

という心の中で念を送ることになる。

あなたがそういう目に遭わないために、Suicaの残高は多すぎてもいけないし、少なすぎてもいけないので注意していただきたい。

【髪をはやく伸ばす方法はあるか?】継続は大変だ!について考える。

髪の毛を短くするのは簡単だが、伸ばすのは大変である。

「ああ、髪を短くしてさっぱりしたい!」

と思えば美容院などにいって一発で終わるが、短髪の者が突然、

「長髪にしたい!」

と思っても急には伸びないので大変である。

また、伸びるまでの過程が大変で、途中、もみあげが血気盛んな頃の林家こん平というか、元関脇、高見山大五郎のように、どうにもこうにも汚らしい時期を耐えなければならないからである。

 

※写真はもみあげがスチールウール化した高見山大五郎。

 

知らべてみると、髪は一日平均0.4ミリ程度伸び、一か月で12ミリ、一年でたったの14センチ。

坊主頭から長髪にしようとする者などはまあ二年ほどは待たねばならぬようであるし、年齢や性別によっても伸び方は変わってくるらしい。

とくに30歳を超えると伸び方は遅くなり、余計に伸びにくくなるそうである。

髪を早く伸ばす方法はあるか?

調べてみると以下の11項目をまもると髪が比較的はやく伸びるらしい

1.髪にいい食べ物をとる
2.サプリで栄養素を補う
3.質の高い睡眠をとる
4.正しく髪を洗って頭皮環境を改善する
5.血行改善のためにマッサージなどをする
6.ストレスを発散する
7.運動をする
8.髪を切らない(当たり前だ)
9.髪が伸びやすいシャンプー(育毛や炭酸シャンプー)を使用する
10.育毛剤の併用でさらに効果的に
11.信頼できる美容師に髪を任せる

とのこと。

これ全部やったからって、どれくらい早く伸びるか疑問である。

第一、めんどくさい。

気合い入れたら髪が一気に伸びるとか無いかね、と思ってしまう。

 

※写真は髪が伸びるのをじっと待つ北京原人。

伸ばすより短くする方が楽!

そう考えると、

「運命を変えたいので、髪をバッサリ坊主にしました!」

とか

「失恋したので、きれいさっぱりショートカット!」

だとか、

「仕事で取り返しのつかないミスをしたのでお詫びの意味で、指を詰めます」

等と、よく耳にするが

(するか?)

それってどうなんだ??

と言いたい。

冒頭で書いたように、長いモノを短くするのは短時間で出来る訳で、覚悟を決めたらすぐに出来る、そんな事で運命変えたり詫びの意味になったりするか?

「運命変えたいんで、一年間髪を伸ばし続けます」

とか

「失恋したんで、滅多に髪を洗わず汚くギットリ、ネチョネチョカットにします」

だとか

「お詫びの意味で、詰めた指、生やします」

と言うのが、正しいんじゃ無いだろうか?

そう言った意味では、

「死んでお詫びします」

なんて有り得なくて、

「生きてお返しします」

の方が辛く、且つ、正しいと思うのだ。

(思えば?)

【誰か教えて!】セクシャルバイオレット、No.1の魅力とは?

何が理解できないと言って、セクシャルバイオレットNo.1の大ヒットほど、理解のできないものはない。

セクシャルバイオレットNo.1とは?

1979年7月発売。
当時、化粧品メーカーであるカネボウのキャンペーンCMソングとして起用され、ヒットメーカーである作詞・松本隆、作曲・筒美京平のコンビで制作した楽曲。
オリコンチャートでも3週に渡り1位を記録した。累計売上は60万枚を超える。

というかあの曲、聞いたことあります?

私はせいぜいサビの部分の

♪セクシャルバイオレット、セクシャルバイオレット、セクシャルバイオレット、No.1~♪

の所しかしらない。

昔の歌だって、今聞いてみたもやっぱりいいなと思うものがほとんどだが、この曲だけは訳がわからん。

「あの曲のいったい何がいいの?」

「誰がこの歌いいと思ってるの?!」

「なんであんなに大ヒットした要因なの?!」

と、セクシャルバイオレットNo.1フリークの人にすがりつき、面倒くさがられて蹴られたりしても、必死に足にまとわりついて

「お願い!オセーテ!」

と、問いただしたいのである。

しかし、私の周りにいくら聞いてもセクシャルバイオレットNo.1フリークなどはおらず、その思いは遂げられずにいる。

 

 

歌詞はどうなのか?

「ひょっとして歌詞がいいのか?」

と歌詞を調べてみれば

うすい生麻(きあさ)に着替えた女は
くびれたラインが なお悲しいね
ファッション雑誌を膝から落として
駆け寄る心がたまらないほど
フッ・フッ・フッ 色っぽいぜ

男と女の長い道程
もう俺は迷わない
You make me feel good
セクシャルバイオレット
セクシャルバイオレット
セクシャルバイオレットNo.1

情熱の朱 哀愁の青
今、混ぜながら夢の世界へ
あーそこから先は
You make me feel good
セクシャルバイオレット
セクシャルバイオレット
セクシャルバイオレットNo.1

ってなにこれ?
どーゆー意味?

二番もだいたい似たような、覚えにくくて歌手の桑名正博も苦労したと思われるわけのわからない歌詞である。

まあ、意味なんてないんだろう。

それでいいのか松本隆!

 

 

私の考察

まあ、恐らく当時、カネボウで紫の化粧品か何かを売り出すにあたって、

「紫をテーマにして、ロックっぽいような曲を作れ」

と言われて、ロックが何か分かってない者が、適当に紫とロックから連想する歌をチャチャっとつくったら思いのほか、当時の国民もロック=革ジャン程度の認識だったので、

 

「ロックっぽいなあ」

「おう、これ聴いて改造バイクで暴走しようぜ!」

 

などと言ってヒットした程度のものであろうと思われる。

ああ、それにしてもセクシャルバイオレットNo.1。

もしかすると、

セクシャルバイオレット、ナンバアウワァァァァァンン

と、最後のワンをウワァァァァァンンと発音するところでシビれるのかもしれない。

アン・ルイスさんに聞けばわかるか?

無理か。