【アル中と呼ばれて】 アルコール依存症への軌跡 上級編

アルコール依存症まっしぐら

 

飲み続けるのには金がいる。

私の収入では、とても〝いいちこ〟などは飲んでいられない。

10年前には、空き容器を見るだけで吐き気を催していた

 

〝大五郎〟

 

〝ビッグマン〟

果ては

 

〝焼酎〟

 

とだけ書いてあるノーネームな焼酎を毎晩浴びるように飲み始める。
二日酔いで会社にはいくが、会社で必ず吐く。

それがルーティーンになる。

 

当時、自分には何か表現すべきことがあると思っているが、努力が出来ないのでどうにもならない。
バンドを始めるが、お遊び程度にしかできない。

尚且つ、多重債務に陥っており、抜け出し方も全くわからぬ中で誰にも相談できずに苦しんでいた。

休日くらいは、飲んで何もかも忘れようと

 

(休日こそ、がんばれよ!と今となっては言いたいが)

 

アルコール依存症スパイラル

 

休日の前の日は

 

『なるべく、たくさん飲まなきゃ損』

 

『休日は二日酔いにならなきゃ損』

 

とも思うようになる。

 

でも、たまたま量が足りなくて、夜中に目が覚めたりすると、水代わりに焼酎をコップに三杯ほど飲んだりする。

テレビを点けてNHKの深夜にやっている絶景を流し続ける番組を見たりして泣いたりするようになる。

 

『俺はダメな人間だ』

『みんなから嫌われている』

 

と、誰も何にも言ってないのにいじけだす。

 

そのうち、眠ってしまうが、早朝に目が覚める。

猛烈な頭痛と吐き気だが、頑張ってコンビニへ行きドクターペッパーと発泡酒とウィスキーのポケット瓶を買ってくる。

 

『まずは迎え酒だ!』

と、発泡酒を飲む。

『ブドウ糖でアルコールを分解する!』

と、ドクターペッパーを飲む。

多少、酔いがさめてきたら、

『さあ、改めておいしくお酒をいただこう!』

とめざましテレビを見ながら、ウィスキーのポケット瓶を飲みだすが、すぐに飲み切ってしまうので焼酎に切り替える。

 

意識は朦朧とするが、さんざん寝たため、とても眠れないので更に焼酎を飲む。

 

めざましテレビで

〝今日のわんこ〟

のコーナーが始まる頃には、便器を抱きかかえるようにして嘔吐する。

 

『こんなに酒ばっかり飲んでちゃだめだ』

 

と、開店したばかりの薬局へ行き、咳止めシロップを二本買い、部屋で一気に飲む。

 

ベッドに寝転がると、まるで縛り付けられたようになる。

わずかに動く手でリモコンを操作し、録画したテレビ番組などを観るが、意味が理解できずに同じシーンを何度も何度も繰り返してみる。

日が落ちると、改めて焼酎をのみ、咳止めシロップの効能もあってたびたび眠りに落ちるが、すぐに目が覚めるを繰り返す。

 

気が付くと朝になり、這うようにして仕事へ向かう。

 

 

飲酒地獄

 

休日の前の日には

 

『なるべく、たくさん飲まなきゃ損』

 

『休日は二日酔いにならなきゃ損』

 

と思っていたけど、

 

『本当に、こんな休日を過ごさなきゃ損なのか?』

 

と、あの頃の自分に言ってやりたい。

 

(つづく)

【アル中と呼ばれて】 アルコール依存症への軌跡 中級編

きっかけは些細なこと

 

30歳くらいのときの話。

私は下戸のくせに、酔うと調子にのってパーパーパーパー喋るタイプで、
とある飲み会で、職場の先輩であり、酒豪のGさんが、焼酎をロックでガバガバ飲んでいるのを見て

 

「Gさん、俺と飲み比べ勝負しましょう!」

 

とアホ丸出しで挑み、ものの数杯でダウン。

いい年をして床に寝させられたりした。

翌日、目が覚めてみるといつもの二日酔いは無く、いたって普通。

Gさんにその旨を報告すると

 

「カクテルとかそんなのばっかり飲んでるとかえって悪酔いする」

 

と教えられ、私の体は適度に焼酎を飲む程度なら、翌日ボロボロになるほどの二日酔いにはならないと分かった。

 

また、焼酎は不味いので、飲むと食欲は失せるので

 

『ダイエットに向いている!』

 

と思い込み、毎晩、空腹に耐え、寝る直前に〝いいちこ〟の720mlのボトルのキャップに一杯だけ焼酎を飲み、
空腹を忘れ、ほろ酔い気分で寝入っておった。

 

 

アル中は加速する

 

焼酎を飲むからではなく、毎晩夕食を食べないので見る見る体重は減少していったが、

身体が酒に慣れていくので、
キャップ一杯では酔わなくなり、コップ三分の一、コップ半分、コップ一杯、コップ二杯と
わずか一か月あまりで健康診断で叱られるほどの酒量をのむようになった。

 

このあたりになると、どこまで飲むと立ち上がれないほどの二日酔いになり、どこまでならならないかの自分の適量もわかるようになる。

また飲まなかった頃には気が付かなかったが、二日酔いで仕事に来ている人は意外に多くいて

 

「昨日、やからしちまいましてね」

「お互いに、なんぎですな」

 

などというようになり、時間とともに酒が身体から抜けていく快感も味わうようになっていった。

そして、夜が待ち遠しくなり、酒のない生活など考えられない。
休日には用事がなければ、昼から飲むようになる。

また女性と飲みに行ったりすると、必ずといっていいほど相手が先に酔ってしまうので、
その後、会計だとか忘れ物のチェックだとか、介抱だとかをしっかりとして、
酒が強いところをアピールし、多少の畏敬の念も抱かれることになる喜びを感じるようにもなる。

 

また、飲み会があっても、飲み会では浅い酔いかたしかできなくなり、飲み会終わりで部屋に帰ってから改めて一人で飲むように
なったのである。

 

アルコール依存症患者誕生まであと一歩である。

 

(つづく)

【アル中と呼ばれて】 アルコール依存症への軌跡 初級編

父親との死闘

 

普段、とても優しい父親が、年に何回か、連続飲酒に陥り、昼夜問わず飲み続けることがあった。

そうすると、母親も気が強いのでそれを叱責し、真昼間から大喧嘩が始まるのである。
父親は実際に母親に手をあげることはなかったが、物を壊したり、一人で暴れたりする。

そういう状態のところへ私が高校から帰ってきて、慣れっこなので、しれっと制服から着替えて友人宅に遊びにいこうとすると
母親は私に対し

「やれ!」

と、父親を殴って大人しくさせろと命じるのである。

仕方がないので、父親の腹部に膝蹴を入れる。

倒れてうつ伏せになったところをインディアンデスロックをかけ、
父親が戦意喪失すると、母親から

 

「もういい」

と、再び命じられ、改めて友人宅に遊びにいくのである。

 

 

 ※写真はインディアンデスロック

 

友人宅では、既に仲間が集まっており

「なんで遅くなったの?」

と聞かれるが

「ちょっと親父にインディアンデスロックかけてきたから」

 

と答えてドン引きされていた。

 

「いや、母ちゃんの命令でだよ!」

 

とフォローすると、余計に引かれていった。

 

子供の頃から、そういう環境に育ってきたので、酒飲みに対して嫌悪感が強く、

『ああいう風にはなりたくない』

と思っていたこともあって酒は飲まなかった。

はずなのだが、その後、大酒のみになってしまった。

 

下戸でもアル中になる!

 

三十歳を過ぎてから飲むようになったのである。

 

それまでも友人と飲みに行ったり、合コンのような席では飲んでいたが、
酒はおいしくないが、酔ってみんながバカみたいになるのは面白い。

おいしくないので、一番、酒の味を感じずに酔えるカルアミルクや杏露酒をがぶ飲み。

飲み方をわきまえておらず、飲んだ翌日は必ず二日酔いに陥っていた。

二日酔いの日は

 

「二度と飲むまい」

 

と後悔極まりない状態でコンビニに行こうと試みるも、
道に落ちていた安焼酎の最たるものの、巨大な〝大五郎〟の空き容器をみた途端に、
吐いたりして

 

「絶対に、絶対に、もう酒は飲まんぞ」

 

と強く思っていたのである。

 

 

毎晩飲む友人に

 

「よく飲めるねえ」

「なんで毎日飲むの?」

 

と聞くと

 

「気持ちいいから」

 

と答えるので、

 

「シラフの方がよっぽど気持ちいいけどね」

 

と答えていたのである。

 

そんな下戸の私が、それから十年後から酒を飲みだし、わずか一か月ぐらいでアルコール依存症に陥ったのかは
わが身を振り返ってみても、まったく不思議である。

 

(つづく)

【NoFuture】フィーチャーとフューチャーはえらい違いだ!

愛すべきパカパカ野郎

 

ガラパゴス携帯、略してガラケーのことである。

〝ガラケー〟

とか

〝パカパカ〟

だとかいう人は微笑ましい。

好感が持てる。

こういう人が、仮に橋本という名前であった場合は、

〝パカパカの橋本〟

などと呼ばれ、みんなから愛されている場合が多い。

 

所がである。

このガラケーのことを、フィーチャーフォンという人がいる。

何年か前には、

 

〝フィーチャーフォン〟

 

と耳にすると

 

「上等だこの野郎」

「かかってこい!」

 

と急に戦意むき出しになっていた。

 

しかしながら、時代の流れもあり、だんだんと自分もガラケーのことを
フィーチャーフォンと呼ぶようになった。

 

あなたもそうではないか?

 

許せない言い方

 

そのような流れの中で私が今、許せないのが、

 

〝フィーチャーフォン〟

 

のことを

 

〝フューチャーフォン〟

 

という人である。

 

フィーチャーは、【feature】で特徴とか特集などと言う意味であり、

フューチャーは、【future】は未来という意味である。

 

 

フィーチャーはこれであって

 

 

これじゃないから!

 

食い下がるフューチャー野郎

 

それをこのフューチャー野郎は

 

「俺ってガラケーとか言ってらんないんで」

 

「パカパカとか論外なんで」

 

「これから彼女とプリクラ撮ってこなきゃならんので」

 

「じゃあ、フューチャーフォンってことでいいですね!」

 

などと言う。

 

よかねーんだこの野郎!!

 

 

「うちの親がいまだにフューチャーフォンでさ」

 

いや、だからフューチャーはこれだから。

 

 

「フューチャーフォンもフューチャーフォンの良さがあるんだよねえ」

 

えーとさ、フューチャーはこれだから。。。。ね。

 

「フューチャーフォン逆にかっこいいよね!」

 

だからフューチャーはこれだつってんだよ!!!

 

 

なんでも正しければいいわけではない

 

だからと言って、なんでも正式にいうのがいいわけではない。

 

スマホは、スマートフォンの略である。

にもかかわらず

〝スマフォ〟

ではなく

〝スマホ〟

と略す。

 

もし、スマホを正式に

〝スマフォ〟

なんて言っているひとがいたら、そいつはきっと

〝ピザ〟

のことを

〝ピッツァ〟

と言い

〝ティッシュ〟

のことを

〝ティシュー〟

などと言うタイプなので、友達にならないことをお勧めする。

【たまにいる】自分で自分に相槌をいれるひと

自分で相槌をいれるひと

 

自分で話していながら、自分でうなずく人がいますよね?

 

「いないよ」

 

と言われると話が進みませんので、そういう人は、ちょっと無視します。

 

例えば

 

「自分で話していながら、自分でうなずく人がいる・・・・うん」

 

という感じで自分に肯定するのである。

そんな人、たまにいませんか?

(いません)

と言われると、話が終わっちゃうんだってば!

 

自己相槌の人は二種類いる

 

自己肯定の人は①威張っている人と、②自信が無い人。の二種類に分けられる。

 

 

①の威張っている人は、

 

「今、我々は非常に恵まれていると言える・・・・・・・・・おお。」

 

と等という。

 

「なので、ここは素早く行動に移さなければならない・・・・おお。」

 

「行動に移すにあたって大切なのがチームワークである・・・・」

 

と言ったぐらいのタイミングで

 

「・・・・わかる?」

 

と言う。

 

「Do you understand?」

 

という感じで言う。

 

腹立つ。

 

 

 

 

②の自信が無い人の場合は、

 

「私ってー、ちょっとおっちょこちょいなんですよー・・・・・はーい」

 

「この間もー、道で転んじゃってー・・・・はーい」

 

と言う感じで自分にうなずく。

 

Qちゃんこと、シドニーオリンピック金メダリストの高橋尚子選手がよく言う。

 

「あの時、30キロ地点から巻き上げようと最初から決めててー・・・・はーい」

 

 

これは、正直言って、聞いててあんまりいいものではないと思う。

 

正直ちょっとムカつく。

 

では、なんでこういう人たちは、自分で頷いてしまうのか。

 

恐らく、反論されるのが怖い上、相手が頷くまでの沈黙が怖いためだと思う。

 

「私はおっちょこちょいで、この間、道で転んだんですよ」

 

と言えばいいのに所々で

 

『反論されるんじゃないかな?』

『共感されないんじゃないかな?』

 

と思うばかりに、我先に、自分で頷いてしまうのである。

 

反論を恐れたり、相手の反応を気にしていたら話などできない。

 

もしもあなたが自分で頷いてしまうタイプの人で、それを治したいと考えているならば、
当ブログを参考にしてほしい。

冒頭でも書いたように

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自分で話していながら、自分でうなずく人がいますよね?

 

「いないよ」

 

と言われると話が進みませんので、そういう人は、ちょっと無視します。

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という感じで、都合の悪い人は放っておいて話を先に進めればいいのである。

【バンドあるある】 仁義なきバンド内抗争 4/4

その名はゴッチー

 

Hに聞くと、さきほどの態度もデカく詰め寄ってきたのは体がゴツイから

〝ゴッチー〟

と呼ばれているいう

 

『商業高校男子って、本当バカ!』

 

と思わざるを得ない、身も蓋もないニックネームを獲得している番長のような男らしい。

 

ゴッチーに目を付けられた以上、ライブ終わりでNにウチワを渡す作戦は、恐らく失敗するだろう。

 

あきらめてなるものか

 

「否が応でもNにウチワを持たすためにはどうするか?」

 

と考え

 

「Nの自転車のサドルの代わりにこのウチワを突っ込んでやろう!」

 

という結論に達する。

 

 

こっそりNの自転車に近づいていき、サドルをスポンと抜く。

そこへウチワの柄をサドルの穴に突っ込もうとするが、柄の方がかなり太くて入らない。

 

「なんか柄を削るもんないか?」

 

と探しているとHが

 

「アスファルトはある意味、もっとも粗いヤスリではないか?」

 

と言ったので

 

「そりゃそうだ!」

 

と、三人交代でウチワの柄を道路でゴリゴリ削り出した。

 

 

会場から、へたくそなBOOWYのコピーが漏れ聞こえてくる。

 

【ONLY YOU!そのままで~♪】

 

『そのままそのままウチワを入れる』

ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ

 

 

【ONLY YOU!たった一度~♪】

 

『一度と言わずに二度三度』

ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ

 

等とやっておったら、ウチワの柄は削った鉛筆のようにトッキトキになった。

 

サドルをドブに捨て、うちわをサドルの穴に刺し、その自転車を三人で持ち上げて、会場の入り口正面に設置して逃げるように帰ってきた。

 

「俺たちを敵に回すと、どうなるか思い知れ!」

 

などと叫び、ライブ終わりでNがどんな気持ちになり、周りからどう思われたのか、想像するだけで笑いが止まらなかった。

 

その後はどうなったの?

 

その後、喧嘩になることなく、お互いに笑い話として理解し、何事もなく四人のバンド関係も、友達関係はそれまでと変わらず続いた。

変わったことがあるとすれば、Nが我々の言うことに対して素直に言うことを聞くようになった気がしないでもない点である。

 

いいおっさんになった今でも、Nの実家には件のウチワがある。

たまに遊びに行くと、その柄の部分がトンガったウチワを目にして

 

『クックックックッ』

 

と笑いが込み上げてくる。

 

ちなみに

 

後日、ドラムのHの引率で、ギターのKが炊飯ジャー持参で商業に乗り込みゴッチーの上靴に日の丸弁当を作成。

その日を境に校内でのゴッチーの地位は、著しく没落したのである。

【バンドあるある】 仁義なきバンド内抗争 3/4

敵は公民館にあり!

 

自転車に乗って数分で公民館近辺についた。

たかだか高校生のコピーバンドだが、結構人だかりができている。

まずは、ライブが始まって、これらのギャラリーが会場内へ入るのを、件の〝祭〟と書かれたでっかいウチワを持って、物陰に隠れてこっそり待つ。

 

 

ギャラリーを見れば、麗しき商業高校女子も満載だ。

こんな方々と、いつも授業を受けているNが羨ましい。

 

一方、男子生徒の方は、Nと似たり寄ったりの、せいぜいがプリントシャツか、柴田恭兵を意識したジャケットじみたものを着こんで、これ見よがしにタバコをくわえたりしているバカ者しかおらぬ。

 

『普段から虐げられている工業高校生代表として』

 

『こいつらに一杯食わしてやらなければならん』

 

の思いを強くする。

 

しばらくしてギャラリーが会場内へ入って行ったので、我々も建物に近づいていく。

 

Nに、どう恥をかかせるか?

 

ライブが終わって、女子高生の前で恰好をつけるであろうNにつかつかと歩み寄り

 

「あ、これ忘れ物だよ」

 

とNに〝祭〟のウチワを持たせて逃走しようということにした。

 

嗚呼ビーバップ野郎

 

「はやくこんなクソライブ終わりやがれ!」

 

などと言っていたら、体がデカくて頭も態度も悪そうなのを筆頭に数人の男が近づいてきた。

Nと同じ商業に通うドラムのHの同級生らしい。

 

 

 

「おい、H」

「こいつら何なんだ?」

 

などと言う。

 

ライブやっているのが、ストーンズなら、こいつらはヘルズエンジェルスの役割をしているのかもしれない。

 

『悲しきビーバップ直撃野郎め』

 

と思っていると

 

クレージー且つ、負けん気も人一倍強いギターのKが

 

「なんだてめえ!」

 

と、食ってかかろうとする。

 

温厚なHが慌てて

 

「友達友達、Nの友達!」

 

とKを制して

 

「なんだ、友達か」

「だったら早く言えよ」

 

等と言って、会場に入っていった。

 

 

ギターのKの全身に青白い炎がメラメラしているのがわかる。

こいつを怒らせるなんて

 

『こりゃあ、しらねえぞ(笑)』

 

と思うのだった。

 

(つづく)

【バンドあるある】 仁義なきバンド内抗争 2/4 

Nへのジェラシー

 

残された我々は、どうにもこうにも腹が立つ思い。

別に貯まり場を確保したかったんじゃない。

女子高生と交流を持ちたかったのである。

 

だいたいNは、身長はあくまで小さく、武田鉄矢のような顔をしておる。

だいたいが女などにもモテる要素が一切ないというのに商業高校へ進んだというだけでバレンタインにチョコレートなんぞを貰い
ホワイトデーのお返しに何か気の利いたものでも買おうと、今は無き

 

〝ファンシーショップ〟

 

なんぞに入っていったところを、運悪く私が発見。

私もNに続いて、こっそりファンシーショップへ入っていくと、

Nがクッキーの入った小瓶なぞを口半開きで品定めしているところを目撃し、
気持ちが悪くなって、Nに声をかけぬまま出てきた。

その一件以来、私はNに腹に対して据えかねるところがあったのである。

 

 

   ※写真はファンシーショップ

 

残された者たち

 

しかし、Nはもう家から出て行ってしまったのである。

まさかこのままN宅で遊んでもおれず、勝手に出て行ったNをなんとか辱めてやろうと思案を巡らす。

 

ギターのKは、絵にかいたようなギタリストで高校生ながらバカテク、且つ、細身で長身で二枚目というNとは対照的な男。

且つ、バンド内でも一番クレージーな男である。

 

Kは普通科に通っているが、クラスの暴力的なヤツに腹を立て

 

「湯気が立っていなければ意味がない」

 

と、意味不明なことを口にしながら学校に炊飯ジャーを持参。

 

見つからないように、そいつの上靴に炊き立てのご飯を敷き詰め、真ん中に梅干しを置いて日の丸弁当を作った伝説を持つ男。

そのKが持前のクレージーさを炸裂させて

 

「こうしてやる!」

 

と言って、Nの部屋の中にある物を部屋の真ん中に寄せ集め、マンガ本やらなんやらを塔の様に積み上げていく。

 

我々もそれを手伝い

 

「帰ってきたら、部屋にトーテムポールがあるという寸法だ」

「ざまあみやがれ!」

 

と言いながら天井まで届きそうな、タワーが出来上がり、頂上にはプラスチック製のハロウィンのカボチャを置く。

 

「これだけではインパクトに欠ける」

 

として、卒業アルバムをコンビニに持ち込み、Nの顔を大量に拡大コピー。

それに画びょうを指しまくったものを、部屋のあちこちに貼り付けたのである。

 

 

  ※写真はトーテムポール

 

エスカレートする若者たち

 

「これだけやっておけば、今後は、我々コルレオーネファミリーに逆らえまい」

 

とNの家から出ていこうとするが、我々の悪ノリもエスカレートしてきており

 

「これだけでは、まだまだ腹の虫が収まらん」

 

 

「ライブ会場で、女子高生の前で、恥をかかせなければ意味がない!」

 

と、昔からNの部屋にあり、タワーに刺してあった

 

〝祭〟

 

と書かれた、赤いでっかいウチワを抜いて、それを持ってライブが行われている公民館に向かったのであった。

 

 

(つづく)

【バンドあるある】 仁義なきバンド内抗争 1/4

 

この物語の登場人物

 

・私(工業高校二年生/ボーカル担当)

・K(普通科高校二年生/ギター担当)

・N(商業高校二年生/ベース担当)

・H(商業高校二年生/ドラム担当)

ほか。

 

バンドの貯まり場はNの家

 

春の、土曜の昼過ぎ。

高校時代、当時組んでいたバンドのメンバーの貯まり場のようになっていたベース担当の友人Nの家にいくと、いつも通りギターのKと、ドラムのHも来ている。

が、なんだか空気がおかしい。

 

「お前、裏切る気か!」

 

「俺たちより、そっちをとるのか!」

 

「それでパンクと言えるのか!」

 

などとNが責められている。

 

往年の学生運動のような気配である。

Nも憮然とした態度で

 

「そっちの約束の方が先だ」

「というか、お前ら勝手に来といて裏切るも何もない!」

 

と言っている。

 

話を聞いてみると、その日、Nの通う(私の憎む)商業高校の男子生徒がコピーバンド

(どうせBOOWYあたりの)

を組み近所の神社にある公民館でライブをするという。

 

そこにNは客として参加する。

そのため、集まってきた者に家から出ていけといったのが発端。

 

出ていけと言われたメンバー二人が

 

「お前の都合で貯まり場を明け渡すわけにはいかない」

 

「お前の家であって、俺たちの家でもある」

 

と言って喧嘩になったらしい。

 

 

女子高生との集いのチャンス!?

 

Nがあくまで正しく、その他の友人が無茶苦茶な言い分だと思ったが、そのライブには商業女子がわんさか来るという。

そこで私はNに

 

「みんなでそのライブに行くわけにはいかんか?」

 

と素直に提案してみたのであるが

 

「仲間内でやるライブなんで」

「他校生はちょっと」

 

などとニベもない。

 

これには私も

 

「工業高校を差別すんのか!」

 

「工業高校生にも人権はあるぞ!」

 

と怒り心頭。

 

『Nだけ良い目にあわせてなるものか!』

 

と、カンダタ根性丸出しになり、他の仲間と一緒になって

 

「行くんなら俺たちを踏み越えて行け!」

 

「家を出て、一歩での二歩でも歩けるもんなら歩いてみろ!」

 

と必死にNのライブ行きを阻止を試みる。

 

キレたN

 

Nは我々を一切無視。

平然と、この日のライブ用に、若者向けの紳士服屋で買っておいたらしい彼なりの勝負服と思しき

英字のプリントシャツと、ブラックジーンズに着替えている。

 

 

星条旗のキャップをかぶり、仕上げにジョンレノンのような丸いサングラスをかけ

 

「じゃあ勝手にすれば!」

 

と吐き捨てて出ていこうとする。

 

 

「それがてめえの考えるロックファッションか!」

 

「ロックに謝れ!」

 

などと背中に向かって叫んでいたが、聞こえぬふりをしてNは家から出て行ったのであった。

 

(つづく)

【ドカベンVSスラムダンク】 岩鬼正美のDNA

ドカベンの岩鬼をしっていますか?

 

 

新潟に住んでいる以上、当たり前なのだが、今更アニメのドカベンにハマっている。 

とくに岩鬼と言う、あのハッパをくわえたキャラクターが大好きだ。 

バカで元気で負けず嫌いで。 
野球の素人で、周りから 

「このドシロウトがーッ!」 

と罵られても 

「天才岩鬼!」 

「ドリームボーイ登場!!」 

等と根拠の全く無い自惚れをイケシャーシャーと言ってのける態度。 

なんかこういうキャラクターが昔から好きだ。 

で、ここまで読んで、この岩鬼、 超有名マンガのあのキャラクターに似てないか? 

 

それはスラムダンクの…

 

岩鬼は、スラムダンクの桜木花道のモデルになったのでは無いか? 

(ちっとも似てません) 

と思った人を放っておいて話を先に進める。 

 

まず、桜木花道と言う名前。 

これは岩鬼がここ一番の時に言う有名なセリフ 

〝花は桜木、男は岩鬼〟

の花は桜木をもじって

 

〝桜木 花道〟

 

としたのでは? 

次に元々ケンカしか特技がないヤツが、 好きな女性に振り向いてもらう為だけに、 
好きでも無いスポーツに足を踏み入れる事になった点。 

で、次第にそのスポーツの虜になっていく点。 

そして同チームの中のライバルに勝つ為には自分チームが苦境に陥らせる様な行動も平気で取る点。 

ライバルってのはスラムダンクなら流川、ドカベンなら山田太郎。 

最後に好きな女性が岩鬼の場合は 

「夏子は~ん!」 

で、花道の場合、 

「晴子さん!」 

と、ナツとハルになっている。 

きっとそうだ! 

 

確か、スラムダンクの作者である井上雄彦先生は、子供の頃、ドカベンを模写してマンガの練習をしていたと何かで見たぞ!

 

もう断言します!

桜木花道のモデルは岩鬼正美だ! 

と言うか花道の倒れたお父さんは、実は岩鬼だった! 

とかは、考えすぎだが、モデルの件は結構スルドイのでは? 

(って言うかねえ、そんな事はねえ、結構有名な話なんだよ!) 

って話なんなら、この記事ってすげえ恥ずかしいのだが。