【40代のリアルな婚活】 泣き笑い合コン劇場 3/4 古町編 

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ようやく居酒屋へ

 

仕事が終わり、二人して店へ向かい、時間よりも15分ほど早く店の前についた。

件の後輩は相変わらずウヒョついておる。

ウヒョつくどころか、ソワソワし出して

 

「アニキ!店入る前に、どっかで一杯ひっかけていきませんか?」

 

などと言い出した。

 

「一杯飲むって、今から一杯飲むんだよ?」

 

「いや、だからその前にビールだけ一杯!」

 

「まあ、別にいいけど、もう相手の人たちくるんじゃない?」

 

と言ったが、耳に入っていないらしく、一人でズンズン歩いていき、よくあるTVが点いている小さな居酒屋に入っていく。

ドカッと席に座ると

 

「生二つ!」

 

などと勝手に、且つ横柄に言い、出てきたおしぼりで顔をゴシゴシと拭く。

おしぼりを首に回して、うなじから耳の中まで、ゴッシゴシゴッシゴシと拭く。

この男にランニングシャツがどうこう言われたことが腹立たしい。

 

顔を拭き終えると、出てきたビールを一気に飲み、叩きつけるようにジョッキを置くと

 

「よしっ!」

 

と言い

 

「ゲフッ」

 

などと漏らしてレシートを掴んで立ち上がり、出ていこうとする。

 

私はまだ一口も口をつけていなかったので、慌ててビールを飲み、後輩を追いかけるようにしてレジへ行く。

で、きっちり割り勘。

 

チャカつき続ける人

 

「よく、一杯だけのもうなんていって誘われることあるけど、本当にこんなに一杯だけなんて、お店の人も驚いていたろうね」

 

と話しかけるが、こちらの話は全く耳に入っておらず、上の空で、ジャケットやズボンのポケットというポケットを叩いたり、かき回したりしながら

 

「えーと、タバコを買っとかなくちゃいかんな」

 

とつぶやき、タバコ屋を探してキョロキョロしている。

タバコ屋は彼のすぐ背後に有ったのでその旨を教えると

 

「ああああ」

 

などと言いながら

 

〝そんなことは言われなくても、そもそもわかってますよ〟

 

というような表情をし、自動ドアにぶつかりながらタバコ屋へ入っていき、タバコを買うと、転げ出るように、再び自動ドアにぶつかりながら出てきた。

 

で、タバコに火をつけて深く吸うと、待っていた私に対し、

 

「アニキなんか緊張してるみたいですね!」

 

「って、おめえだよ!!!」

 

と一喝して、ようやく待ち合わせの居酒屋に入っていったのである。

 

(つづく)

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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