もくじ
ふさわしい場所
人や物にはそれぞれふさわしい場所があると思う。
どんなに輝いているものも、場所が変わるとくすんで見えることもあるし、
またはその逆もありえる。
例えばマツタケの香りがどんなにかぐわしくても、それが人間から発せられていたらとても
「いいにおい」
とは思っていられないし、はっきりいって気持ちが悪いだろう。
タレントにもこれは言える。
仕事で9ヶ月間青森県の五所川原市に住んでいたのだが、そこに大きな商業施設があり、
そこは月に一度有名人を招いてのイベントを行っていた。
私がたまたまその施設に立ち寄ったところ、U字工事の単独イベントが催されておった。
U字工事は、栃木訛りを駆使した、田舎者を全面的に押し出した漫才師なのだが、
当日のネタは、自らの出身県と、隣接する茨城県をくさしていくネタ。
「ぼくらですね、二人とも栃木県出身なんですけども」
「栃木県ってとこですね、茨城じゃないですよ?」
「よく間違われちゃうんですよ」
「冗談じゃねえんだから、頭くんだほんとに!」
「だいたい茨城弁は何をしゃべっているか訛っていてよくわがんねっぺ!」
などと言いながら栃木県民がいかに茨城を下に見ているかを語っていくのだが、
そのうち、一方が茨城出身者と結婚をしたいと言い出す。
「茨城出身者と結婚すると、周りから悪く言われるぞ」
「そのため、群馬に住まざるを得なくなる」
「群馬にはいいところがひとつもない」
などと諭され
「じゃあ埼玉に住むからいい」
と答えたところ、
「や、埼玉に住むとか夢みてぇなこといってんじゃねえぞ!」
という代表ネタがあるのだが、この日もそのネタを演っていた。
が、会場はシーーンとしている。
それはそうである。
ここは、日本一何を喋っているかわからないと言われる津軽弁の地域。
訛りのレベルの高さは泣く子も黙る五所川原である。
埼玉に住むとか夢みてぇなことをいってんじゃねえ土地なのだ。
つまり、U字工事の漫才は、大都市で演じてこそ輝くのである。
でも最近は辺境の地でも活躍してるぞ?
あれはU字工事ではなく、ディレクターが活躍しているのです。
つりばんど 岡村
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