もくじ
翌日、再びプリクラコーナーへ!
このまま諦めてはならん。
このままでは、プリクラ画像がいかにいい加減で気持ちの悪いものなのか証明できん!
と、翌日のプリクラコーナーに人もいないであろう午前中の時間を狙って潜入することにした。
午前11:00件のプリクラコーナー到着。
案の定、プリクラコーナーに女子高生含め人はおらず安心したが、併設のアーケードゲームコーナーには若手男子が大勢たむろしてゲームなんぞをやっておる。
『まったくテメエらは午前中からこんなところへ来やがって』
『他にすること無いんか!』
と、どやしつけたくなったが、そのセリフはまったく私自身にも言える言葉であり
『俺も他にすることないんかなあ』
と落ち込むのであった。
いよいよ機械に潜入!
前日、女子高生が行列をなしていたので目を付けておいた白い機械で撮影することにした。
「プリクラがいかに気持ち悪いか証明してやる」
などとは言っても、できれば私も奇麗に写りたいのである。
どうせなら女子高生が行列していた機械で撮られたい!
と、自分でも驚いたのだが、いつの間にか私の心の中には
「篠山紀信さんにならヌードを撮られてもいい」
とでもいうような気持ちが芽生えていたのである。
で、意を決してゲームコーナーの男どもに気付かれぬようにプリクラ機のノレンのビラビラを素早くくぐって中にサッと入る。
我ながら機敏な動きで恐らく誰にもバレていないはずである。
『さすが、俺よ』
『入っちまえばこっちのモンだ!』
『まったく手間をとらせやがって』
と正面にある液晶画面に近づくと
〝外の受付ブースで、お金を入れてね!〟
という機械的な音声が流れる。
『なっ、何ぃぃぃぃ!?』
『せっかく入ったのに!』
と思うが今さら引き返すこともできず、一旦ノレンを出て、機会の周りをグルグル見渡し、受付ブースというコイン投入口を発見。
『早く、早く!』
と焦りで震える手で100円玉をつまんでしめて400円也を投入。
再び素早くノレンをくぐり、ようやく通常の手順を踏んで機械に潜り込んだのであった。
撮影の前にもいろいろやることがある
改めて小屋内部の液晶画面に近づくと、
〝まずは証明写真コースかプリコースか決めろ〟
と表示される。
こんな思いをして証明写真を撮りにくるわけはないので、プリコースを選択。
続いて
〝で、何人で映すのか決めろ〟
という表示が出る。
二択になっており、二人か三人以上かの選択を迫られた。
『いや、あの、私、一人なんですが…』
と思うがとりあえず二人を選択すると
〝二人の、おなまえを入力してね〟
という表示が出、仕方がないので二人とも、おかむら、と入力する。
〝つぎは背景を選べ〟
〝仕上がりのイメージを選べ〟
などの質問に答える。
『そんなもんどーでもいだろー』
と思っているのに、いざ選択する場面になると先述の
『せっかくなら篠山紀信さんに』
の気持ちが芽生え、熟考している自分に顔が赤らむ。
いよいよ撮影がはじまる
機械から
〝撮影だよ!〟
の声がして
〝3・2・1〟
とカウントダウンが始まる。
画面には
〝▲カメラをみてね!〟
と表示されカメラを見るとストロボがたかれ一枚目の撮影終了。
再び
〝3・2・1〟
とカウントダウンが始まり二枚目、三枚目と撮影される。
四枚目からは同じポーズではよくなかろうと、画面下に表示される若手モデル達の撮影見本のようなポーズをとってみる。
枚数を重ねるたびに、口に手を当てる、胸の前で手をクロスさせるなど、だんだんと大胆になっていく自分の驚く。
『ああ、こうしてすべてさらけ出すアタシ』
『もうどうにでもして!』
『アタイ、どうなってもいい』
と、とっくにどうかしちまってるクセに思うのであった。
落書きブースへ
撮影が済むと、再び機械から
〝落書きブースへ移動してね▶▶▶〟
という表示が出、ささっとここから出ろ、と言われる。
矢印が指し示す入り口とは逆の向かって右側のノレンを開けて機械を出る。
今の今まで中で恥ずかしげもなくポーズを取っていたことを悟られぬように平然とした顔をする。
これは、ラブホテルを出た瞬間、中で行っていた行為については全くの知らぬ存ぜぬの表情をつくるカップルの心理に似ている。
などと思った瞬間、落書きブースという機械側面に設置されたコーナーの、ノレンをくぐって再び機械に隠れる。
先述のラブホカップルが外へ出た一瞬だけ素の表情になり、速攻で隣のラブホに飛び込むようなものである。
落書きブースでは、盗難に遭わぬようゴム製のヒモで機械にくくりつけたれたタッチペンがあり、そこで色を選んだりして先ほど撮影した画像に好きなことを書く。
今度は、画像を受け取るためのアプリのURLが書かれたメールを受信できるアドレスの入力が求められたので、それを入力して終了。
画面には
〝印刷ブースで写真を受け取ってね▶▶▶〟
の表示が出、ノレンをくぐって再び表にでる。
世間に帰ってきた
アーケードゲーム機の男子高生どもがこっちを見ている気がする。
私はプリクラの機械から離れ、機械背面の印刷コーナーから写真が出てくるのを遠巻きに見ながら、前日同様、
『方向音痴の私は、道に迷ってしまい』
『意図せずこんな機械のノレンをくぐることになってしまった』
『もちろん撮影などはしておらず、この機械の中にインフォメーションセンターがあるのかと思って入ってみただけ』
『ああ、掃除機コーナーはどこだろう?』
と遠くを見渡すようなフリで印刷コーナーから写真が出るのをチラ見。
1分ほどして
『カコッ』
と間抜けな音と共に印刷物が出てきた瞬間、スタスタと機械に近寄り、それを素早く手に取り、逃げるように店を後にしたのである。
結果発表
まずは、盛る前の画像がコチラ。
そうして撮影した画像がコチラである。
さあ、どうだ?
本人とは似ても似つかんだろーが!
気持ちが悪いだろーが!
これをよく理解し、SNSのプロフィール画像をプリクラにするのはよくよく考えてみよう!
って、なかなかプリクラは面白かったなあ~。
つりばんど 岡村
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