もくじ
黒地に白と黄色のあの看板
よかれと思ってやったことが、かえって逆効果になることがある。
街でたまに見かける黒地に白と黄色の文字で聖書の一節が書かれている看板もそのひとつだ。あの看板をみて「よし!聖書を読もう!」って人はほとんどいない。もっと今風のポップな感じの明るい雰囲気のものの方が良いと思うんだが、なんであの雰囲気をよしとしているのだろう。
などと書くと
「いや、それはお前の偏見だ!あの看板は親しみやすい」「お前に宗教の何がわかるかバカモノ!」「悔い改めよ!」
とおっしゃるあの看板肯定派もいるかもしれない。
そこで、あの看板が効果的なのかそうでないのか白黒つけるために検証してみることにした!
あの看板を作ってみる
ではどう検証するかだが、世間で広く受け入れられている文言を、あの看板風にに作成。その文言をイメージアップさせることが出来るか否かで検証することにした。
まずは看板の基礎となる土台の黒地の部分。本物はトタン製だそうだが、私は黒のプラスチックダンボール(一枚88円)で代用。
文字の部分は本物はペンキで書かれているが、これも油性ペンで代用する。
※プラスチックダンボールと油性ペン。
※あの看板風に書いていく。
聖書とは全く関係のない居酒屋などで見かける『親父の小言』を書いてみる。まあまあそれなりに見える。
この調子で何枚か看板を作っていく。
さて、まずは書店で見かけた売れている本のタイトルで検証してみる。
※超一流ホスト 、ローランド氏の著書のタイトルをあの看板風にしてみた。
どうだろうか?飛ぶ鳥を落とす勢いのローランド氏も、自著をこのように宣伝されたとしたら「女性は水とパンとローランドがあれば生きていける」などと、よくわからないことをうそぶいていられるだろうか?
これをたまたま読んだローランド氏が「うそぶいていられる。なぜなら俺は…」などと反論されても困るので回答を待たずに検証を先に進めることにする。
さて、同じように別の本のタイトルも看板にしてみる。
※有名YouTuber、けみお氏による著書のタイトルをあの看板風にしてみた。
さてどうだろう?「命が尽きるまで、ウチらはショーを演じているの」「だから長い人生、辛いときも楽しんでいこうよ」などと言いたげな明るく前向きなタイトルも、あの看板風にしてしまうと 『棺桶』とか『永遠』などの文字も相まって、なんだか明日にでも絶命しそうな恐怖を感じるのではないだろうか?
結局のところこの看板は、売れるものも売れなくしてしまうというしているネガティブキャンペーンとしか言いようがない代物なのではないか?どうか?と問いかけても
「あのねえさっきからローランドとか、けみおとか、そんな人たちをそもそも知らないの!」「だから検証にならないの!」と仰るおじさん向けに、往年の名曲の一節をあの看板風にしてみた。
※日本の音楽グループ〝チューリップ〟による1979年のヒット曲『虹とスニーカーの頃』の一節をあの看板風にしてみた。
さて、あの名曲のジャケットがもしもコレだったとしたら、ヒットしたと思いますか?その後、ダイドーブレンドコーヒーのCMに長年に渡って起用されたと思いますか?とダメ押ししてもなお、
「あのねえ〝虹とスニーカーの頃〟のような名曲は、たとえジャケットがコレだったとしても何の問題もないの!」
と食い下がる方は、あくまで他人事だからそんなことが言ってられるんである。
もし仮にこの看板が自分事として降りかかってきたら呑気に「問題ない!」などと言っていられないに違いないことを証明しよう。
※卒業記念の寄せ書きを、あの看板風にしてみた。
例えばあなたの卒業祝いの寄せ書きが、これだったらどうする?ハッキリ言って不気味ではないか?大切にとっておこうと思うか?
「そもそも寄せ書きなんて取っておこうと思わないからどうでもいい」
「すぐ捨てるし」
などという冷血漢に、あの看板が逆効果であることをどう説明すればいいか。
あくまで肯定派は自らの考えを曲げないし、水掛け論になるだけである。
というのも、これまでのところこの記事は主観的な問題の範疇を出ていないからである。だとしたら私がどうこう言うのではなく、世間にジャッジしてもらうしかないのではないか?
そうだ!世間にジャッジしてもらおう!
もしも全身あの看板風な文字が書かれた黒字の服を着た男がいたら世間は暖かい眼差しを向けてくれるか、それともその逆か?実際にやってみよう。
そんな訳であの看板風の服を作ることにした。
※ナイロ ン製の雨合羽にそれっぽい文字を書いていく。
※ズボンにも書く。
さあ、こんな服を着た男が実際にあなたの目の前に現れたらどうする?
※ 現れました。
※我ながら異様としか言いようがない。
※あなたはこんな男を優しく迎え入れることが出来るか?
徹底検証~ヒッチハイクさせてもらえるか?~
さて、この恰好でただただ歩いてもなんの検証にもならない。何かを訴えかけて、それに応じてもらえるかどうかで検証したい。
何を訴えかけるか?そうだ、この恰好の男がヒッチハイクをさせてくれと訴えた場合、ドライバーの方は乗せてくれるだろうか?
乗せてくれる方がいればあの看板のイメージは悪くない。乗せてくれなければイメージが悪いということである。
この辺りの論理は我ながら完璧だと信じて半ば無理やりだが実際にやってみよう。
※天国方面と 書いた看板を掲げてヒッチハイク開始
さて、自動車はこのような男を乗せてくれるのか?乗せてくれればあの看板が好印象ということになる。
実際にやってみてわかったのは、検証がどうこうじゃなくて、こんな格好でふざけたことをしていて、恐い人とかから怒鳴られたりしないかとても不安だったがこと。だがこうして写真を見て、自分が一番恐い人なので全くの杞憂だったと判明。
※以外にも珍しいヤツがいると注目してくれる。
驚いたことにほとんどの自動車はみんな減速してくれ、看板の文字などを読んでくれていた。どうりであの看板の知名度は高いわけだ。
※文字は読んでくれるが車は停まってくれない。
行先に「天国方面」などと書いていたので停まってくれないだけで、具体的に実際の地名を書いておけば珍しさもあってヒッチハイクさせていくれたかもしれない。
※ただし、 ドライバーのみなさんは90%睨んでこられる。
※やはり、看板の文字はほとんどみんな見てくれるが、停車はしてくれない。もちろん睨まれてます。
※怪しさを軽減させようとフードを脱ぐが、なんの効果もなかった。
その後も車は停車してくれずヒッチハイクの交渉にすら至らなかった。
まとめ
この看板は親しみはわかないかもしれないし、イメージダウンにつながるものかもしれないが、人々の目を引き、且つ、文字をじっくり読んでくれるには効果的であり、きっかけには持ってこいであることがわかった。
ということで、あの看板にはそれなりの効果があることを身をもって証明させていただきました。
というか関係者のみなさま、この度はどうもすみませんでした。
つりばんど 岡村
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