【青春のすた丼】往年のスタ丼/国立・国分寺のノスタルジー

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若さってバカ

 

バカのバカによるバカのためのどんぶり。

 

それがスタミナ丼、略してスタ丼。

 

スタ丼を知らない若者が

 

「スタ丼ってどんなものなんですか?」

 

と聞けば

 

「スタ丼って名前から連想してなんか適当に作ってみな!」

 

というだけで、だいたい正解に近いものを作れるという代物。

 

東京多摩地区を中心に、金の無い若者を対象に、偏差値が低ければ低いほど美味しく感じる丼。

 

往年の店内風景

 

店内あぶらだらけ。

床ヌッルヌル。

イスぎっとぎと。

 

接客態度はよく言えば自由奔放。

カウンター越しに学生アルバイト店員が付け合わせのタクアンを手に持ち

 

「ツネ!」

 

という。

 

ツネと呼ばれた店員が口を大きく開けると、そこへつまんだタクアンを投げ込む。

 

またツネもツネでお返しに相手にタクアンを投げ込みかえす。

 

『まったく、なにやってんだよ』

 

と苦々しく思うことになる店。

 

店員同士がおちゃらけて、手掴みで食べさせあってるのはいつものことである。

 

愛すべきスタ丼バカども

 

『店員もバカなら、それを承知でちょくちょく食べにくる俺もバカ』

 

つまるところ

 

『この店に、かかわってるヤツ全部バカ』

 

 

と攻撃的且つ自虐的になる店。

 

量も多くてバカっぽい。

 

食べたあとは量の多さと、あまりの脂っこさ、にんにく臭さに

 

「二度とくるもんか」

 

と思うが、翌日にはまた食べたくて仕様がなくなると言うインスリンとか糖質だとかの言葉を持ち出さないと説明のできない中毒性を併せ持つ店。

 

 

※こんなにメニューあったか?

 

スタ丼と絶縁状態になった

 

そんなスタ丼の店とも東京を離れて数年たち、しゃぶ抜きならぬスタ抜きが出来たと、やっと腐れ縁が切れたなと思っていたら一年ほどまえにここ新潟にスタ丼

の店が出来た。

 

「あちゃー」

 

「やべえなあ」

 

と、食べに行った。

 

 

このスタ丼、COOKPAD見て真似して作ったら、びっくりするくらい簡単に作れるそんなものを、敢えて食べに行ったのは、やっぱり俺がバカだからなんだろう。

 

新潟のすた丼は、清潔ですばらしいぞ!

 

しかし新潟のスタ丼は東京のと違って店内も広くてきれい。

店員さんの接客態度も、みなさんしっかりしている。

 

あの愛すべきバカどもはどうしたのか?

 

スタ丼はイメージチェンジしたのか?

 

これじゃ普通の店だ!

 

これでスタ丼と言えるのか?

セットで出てくる味噌汁がもやしじゃない!

もやしの味噌汁のついてないスタ丼なんてスタ丼じゃない!

 

で店名をよくみると〝伝説のすた丼〟などと書かれており、

 

「すた丼?スタ丼じゃないのか?」

 

と疑問に思う。

 

 

※最近のすた丼屋

 

あの頃のスタ丼屋はどうしたのか?

 

調べてみると、どうやら、私の知っているスタ丼は、国分寺とか国立にあった赤いテントに〝サッポロラーメン〟と書いてあったが誰もラーメンは食べず、
ちょうちんとか、のれんに小さく

〝スタ丼〟

と書かれた店であった。

 

※これだよ!これ!

 

接客態度は先述の通り、あくまで、よくいえば自由奔放。悪く言えば、悪口になるので書けません。

 

店内には、大食いチャレンジに成功した猛者たちの

 

〝〇〇大学レスリング部〇野〇造〟

 

とか

 

〝〇〇大学ワンゲル部〇山〇子〟

 

とかいった所属と名前を書いた、キョンシーの額に貼ってあるお札のような黄色い紙が壁中に張り巡らされていた、床がヌッルヌルのイスぎっとぎとの店だった。

 

多摩地区から都内に広くチェーン展開するようになって、名前を〝伝説のすた丼〟とかって改めてからは、店内がキレイで接客態度もいいというスタイルになったらしい。

まあ、清潔で衛生的で接客態度もいいというのは、いいことなんだろうけどさー。

でもさあ、言っちゃ悪いが、あの汚さとあの自由奔放さもセットで好きだったんだよねー。

ちょっとは、ああいう雰囲気も残しといてもらえませんか?

昔のスタ丼知ってる人も同じ意見だよねえ?

 

その昔、多摩地区の暴走族の総長時代にスタ丼の店に通いつめたという宇梶剛士さんも同じ意見だと思うなあ~。

 

会ったことないけど。

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つりばんど 岡村

「健やかなるときも、病めるときもアホなことだけを書くことを誓いますか?」 はい、誓います。 1974年生まれ。愛知県出身、紆余曲折の末、新潟県在住。 詳細プロフィールはこちら

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