【読むランニングショット】柴田恭兵の謎の楽曲を考える!

あっけにとられる歌『ランニングショット』

その昔、たまが歌うちびまる子ちゃんのエンディング曲『あっけにとられた時のうた』というのがあったが、今回は『あっけにとられた時のうた』ではなく、〝あっけにとられる歌〟の話である。

あっけにとられる歌、それは柴田恭兵が歌う『ランニングショット』という楽曲である。
なにがあっけにとられるか、それは聴くとあっけにとられるのである。

どうあっけにとられるかはひとまず置いておいて、まずはこの曲の背景から説明する。

ランニングショットの背景

この曲は柴田恭兵が出演し、当時大人気を博したドラマ「あぶない刑事」の挿入歌として発表された。

時は1986~7年、今から30年以上も前、当時人気の絶頂期であった柴田恭兵。
当時中学1年だった私と同世代の方たちはご存知だと思うが、当時の柴田恭兵つったらそれはもう、凄まじい人気。たとえばこれまた当時大人気であった恋愛ドキュメントバラエティー番組『ねるとん紅鯨団』という男女の集団カップリングパーティーの模様を実況中継する番組では、その回ごとの出場者を紹介する際にテロップで、氏名・年齢・パートナーいない歴とともに、好きなタイプの有名人が表示されるのだが、女性出場者の三分の一は「好きな有名人」の項目に〝柴田恭兵〟と書いているくらいの人気だったのである。

関係ないけど、大人気番組ねるとん紅鯨団をいちいち説明する必要がある時代になったんだなあ、と改めて時の流れに嫌気がさす。
というか、今回は、その「関係ない」も関係してくるから話はますますややこしくなるのだが。

ランニングショットがお茶の間にやってきた日

で、そんなに人気の柴田恭兵が俳優の枠を超えて、満を持して曲を出すということで学校中はにわかに浮足立った。カッコイイ役者が曲を出すのだ、そりゃもうカッコいいに違いない。クラスの女子どもも休み時間に「柴田恭兵が今夜、トップテンに出るよ!」「光GENJIはまだまだ子供!本当のかっこよさは恭兵!」「そうそう光GENJIは、純粋でまじめな子ばっかりだし」と、まさかその後、光GENJIのメンバーが刑務所に入ったりするとは夢にも思わず囁きあっておった。

そして、その夜、トップテンという歌番組に出て歌う柴田恭兵を観て、TVの前であっけにとられ、全員ずっこけることになったのである。

さて、まったくの大きなお世話なのだが、どうあっけにとられたのか、今回はこの曲を拙い私の解説つきで、読者諸氏には時代を巻き戻して、当時のトップテンを観ていたように振り返っていただきたい。

ランニングショットを書き起こす

日本テレビ系で放送されていた歌のトップテン、当時の司会の徳光和夫と石野真子。会場は渋谷公会堂。観客を入れて行われるいわゆる公開番組である。

「ランニングショット!柴田恭兵さ~ん!」

と呼び込むと同時にバスドラムの音がドンッドンッドンッ!!!と鳴って曲が始まる。

観客席からは黄色い声援がこれでもかというくらいに飛ぶ。

かっこいいイントロであり、いやが上にも盛り上がる。そして画面にアップで映る柴田。

すると第一声「レディ!!」

バスドラが〝ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!〟

すかさずの第二声「アクション!」

イントロが流れる中、歌いだしまでのあいだ満足気にステップを踏む恭兵。

レディー!アクション!と来たか、なるほど、こうして観客の前で歌を歌ってはいるが、歌手の前に俺は役者。アクターたるもの決して「ワン・ツー・スリー」などとカウントをとるような真似はしない。歌という演技をおっぱじめようぜ、こちとら映画のことを写真って言ったりしてんだこの野郎、なめんじゃねえ、と思っているのかもしれない。

で、曲がはじまるのを待っていると

「OK~~~~~~~~?」

と語りかけてくる。

え?わかったのかこの野郎?そこらのジャリタレと一緒にすんじゃねえぞ~。ねるとんの好きな有名人独占してんだぞコラ、と思いながら不敵な笑みを浮かべる恭兵。

OK~~?と言われた方も『なんか無駄にイントロ長えな』とは思いつつも「はい、わかりました。心して聴きます」と襟を正す視聴者たち。

さて、いよいよ歌いだしだ、と思っていると

未だ唄わず「カモ~~~ン!!!!!!」と雄叫びをあげる。いよいよ歌が始まるのかと思っていると

サッとマイクを残し、突然矢印の方向へ消える柴田。スタッフが驚き、ディレクターがカメラマンに「なにやってんだ、てめえ、柴田恭兵はどうした!!」とインカムを通して怒鳴り、焦ってカメラを引くと

スタッフをおちょくるようにマイクからこんな遠くまで一瞬で走っていっている柴田。スタッフさんよ、俺がリハ通りに演るなんて思ってなかったよねえ?この歌のタイトルわかってる?ランニングショット。俺は歌いながら走るんだよ、ついてこい!と思っているのかもしれない。

そしてまだまだ単調なイントロが続く。 人を食ったような歩き方でマイクに戻る柴田。この辺りでチャンネルを変える視聴者も出てくる。

柴田に『はやく歌って!!!!』のカンペを出すフロアディレクター。

観念したように恭兵もいよいよ歌いだす。

「優しい~~~」と歌って

優しい表情をするも、即座に

「なんてウソだぜ~いつ~も~」

と来る。ほう、誰のことなのだろう、と続きを待っていると

「ふざけた~ことは一切、御免だ」

と急になんだか恐いことを言い出す。

長すぎるイントロが終わり、短すぎるAメロが終わりBメロ突入。そしてBメロの歌詞はこうくる。

「粋がってみせるのも、面倒な話さ、気まぐれなふりをしておどけているだけ!!」

と、Aメロに続いてあっという間にBメロも終了!

さあ、ここからがあっけにとられる歌たるゆえんなのだが

恭兵は急に眉間にシワを寄せ「行くぜ!!!」と叫ぶ。

行くぜ!って曲の途中で何を言い出すのか、サビに行くぜ!ってことなのだろうか?じゃあ、その行くぜとやらのサビはどうなるの?と楽しみにしていると

「GET UP!!!!…ハッ!」

と叫ぶ。歌うのではなく、叫ぶ。比喩でもなんでもなく。

「ゲラッ!…ハッ!」とか「下郎!…ハッ!」と言っているように聴こえる。

するとすかざす

この人はじめバックコーラスの人たちが「メグルッ!!」とごく短く合いの手を入れるように歌う。餅つきのキネをつく人のタイミングを見計らって餅をひっくり返す人のように素早く「メグルッ!」と歌う。

って、歌うで合ってるんだろうか。

バックコーラスの人を、バックコーラスの人たちと書いたのは

このように三人いるからである。この人たちのことを調べたが詳しくは出てこなかった。前日に飲み屋で恭兵と偶然出会って「明日トップテン出してやるよ」と言われて集められた人たちなのかもしれない、と我ながらなんの根拠もなくこんなことを書いてすまないと思う。

で、続けて

「GET ON!!!!!」

と恭兵が叫べば、バックコーラスが

「いつ~も~」とゾワゾワするようなコーラスを入れ、それに呼応するように

ノリに乗ってきた恭兵が「Ohyeah…TAKE UP!!」と叫べば

「風はッ!」とコーラスというかさきほどの「メグルッ!」と同じ要領でレスポンス的な叫びが入る。

再び恭兵が

「TAKE ON!!!!」とコール的に叫んで、最後は全員で

「時のゆくまま~~~~~」と決めて

グーーッツとカメラが引いて全体が映る。

いやいやいやいや、ぜんぜん意味わかんないんですけどー!!

なになに?サビが基本、叫びの応酬なの?え?取り合えず歌詞だけを書き出してみると

行くぜ!GET UP!(めぐる)

GET ON!(いつも)

TAKE UP!(風は)

TAKE ON!時のゆくまま

って、なんだそりゃ??どういう意味でしょうか?え?どういう意味でしょうかー!?と思っていると

それには答えず無言のメンバーたち。

頼む!なんとか言ってくれ!どーゆー意味でしょーかぁぁぁ!!ウンとかスンとかなんでもいいから言って!ねえ、お願い!わたし怖いの!!とテレビ画面に祈った直後、

プシューーーーッ!

と何も答えず消えてしまうのである。

って、なんだこりゃ?

柴田恭兵のランニングショットは衝撃の問題作だ!

そして、二番に入る。二番も一番のほぼ繰り返しで素敵なのですが割愛させていただきます。

1986~7年当時、人気絶頂の柴田恭兵が我々一般人をあっけにとらせた雰囲気が少しでもわかっていただけましたでしょうか?

「っていうかランニングショットなんて曲知らなーい」などと言うヤングマン諸氏は、ぜひ一度きいてもらいたい。

今回、書き起こしに利用させていただいた動画はコチラ↓

https://www.youtube.com/watch?v=lhH_sS2SDEU



「あー、そういえば最近、あっけにとられることってないなあ」と思ったあなたは、ぜひYouTubeや音楽配信サービスで柴田恭兵さんのランニングショットをお聴きくださーい。

というか柴田恭兵さん、並びにファンのみなさま、どうもすみませんでした。



【懐かしの戸締まり用心火の用心のCM】日本船舶振興会、日本防火協会のCMを書き起こす!⑤

連日申し訳ありません。

今、日本一、戸締まり用心、火の用心のCMのことを一番考えているのは俺だ!と胸を張っていえるようになったぞ。

はあはあ。

戸締まり用心、火の用心のCM(土曜日編)

〝チャンッ!チャンッ!〟

と拍子木が二回鳴り、冒頭でその日の曜日が表示される。

本日は土曜日である。

「戸締まり用心、火の用心!」

「戸締まり用心、火の用心!」

チンパンコーナー土曜日

「どろんこ 風の子 元気な子」

土曜日の〝ど〟とどろんこの〝ど〟ね。

剣道の練習中の子供たちが竹刀を持って走ってくるあとを、チンパン兄弟も同じように走ってくる。

「どんどん出てこい土曜日だ」

と、剣道の練習に参加する。

笹川会長の締めの一言 土曜日編

で、いつものように会長が

「身体を鍛えよう!」

と言えばー?

ボートブゥゥゥゥゥゥンで「モーターボートの収益金は…」(以下略)

で、拍子木の音が

〝チャンチャンチャンチャンチャン・・・・〟

とフェイドアウトして終了。

戸締まり用心、火の用心のCM(日曜日編)

いよいよラストになりました。

お互いに頑張っていきましょう!

もうこの画像観ただけで何かくかわかるようになったでしょ?

スラダンの山王戦のラストみたいに、セリフなしで画像だけですませたろかと思いましたが、それじゃブログにならんので、文字も書きます。

〝チャンッ!チャンッ!〟

と拍子木が二回鳴り、冒頭でその日の曜日が表示される。

「戸締まり用心、火の用心!」

「戸締まり用心、火の用心!」

と二回歌うといつものコーナーです。

チンパンコーナー 日曜日編

「一日一回 よいことを」

 

ってあれ?

チンパン出てこず、お婆さんとお孫さんが登場し、お孫さんが肩たたきをしている。

チンパン兄弟、皆勤賞ならずか。

と思った直後、チンパン兄がお婆さんに、チンパン弟が孫に扮して肩たたきをしている。

肩たたきっていうより頭を高速で殴りまくっているだけなのだが。

「ニコニコにっこり日曜日」

日曜日の〝に〟とニコニコの〝に〟。

というか、ニコニコにっこり日曜日っていい言葉だよなあ。

チンパン弟、兄の頭をひたすら殴り続けるので、お婆さんとお孫さんも噴き出してしまう。

笹川会長の締めの一言 日曜日編

「親を大切にしよう!」

と言うと、いつものように

全員で「一日、いちぜえええええええええええん!!!!」

というと、

「モーターボートの収益金は」

〝チャンチャンチャンチャンチャン・・・・〟

ということで、長かった一週間分の戸締まり用心、火の用心のCMの書き起こしが終了したのである。

笹川会長と当時のモーターボートの収益金はの件

で、白髪の笹川会長と、モーターボートの収益金云々の件だが、調べてみるととてもここには書けないようなブラックな情報などがわんさかと出てくるので興味があるかたはお調べ下さい。

ただ、私なんかはそういう裏事情は知らなかったこともあってか、単純にこのCMが何気に好きで、子供の頃に毎日観ていてなんだかほっこりしたし、今も何かものを宣伝するだけのものじゃなくて、こういう子供向けのCMなんかは流せばいいんじゃないかなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【懐かしの戸締まり用心火の用心のCM】日本船舶振興会、日本防火協会のCMを書き起こす!④

曜日ごとの戸締まり用心、火の用心のCMを書き起こしています。

もう読むの嫌でしょう?

私も書くの嫌です。

が、始めてしまった者は仕方がない、これまでの記事を消すわけにもいかない。

こういう時はフルマラソンを走った時のことを思い出そう。

一歩一歩進んでいけば、必ずゴールに近づいている。

がんばります。

戸締まり用心、火の用心のCM(金曜日編)

〝チャンッ!チャンッ!〟

と拍子木が二回鳴り、冒頭でその日の曜日が表示される。

「戸締まり用心、火の用心!」

「戸締まり用心、火の用心!」

とここまで書いて思い出したが、この「戸締まり用心、火の用心!」は幼少の頃誰だいたいの人が

「とにかく用心、火の用心!」

と間違って歌っておった。

これが「とにかく用心」では無く「戸締まり用心」が正しいとわかった時、人は大人への第一歩を踏み出したことの証となったものである。

チンパンコーナー金曜日

で、いつもの曜日ごとのチンパンコーナー。

本日は金曜日。

「お金は世のため人のため」

なんだか汚らしい貯金箱を持つチンパン弟と、それを見守るチンパン兄。

子供たちが貯金箱に小銭を入れていく。

世のため人のためというんだから募金でも募っているのだろう。

「ちょきちょき貯金の金曜日」

って貯金だったんかい!

子供たちから集めた金を貯金に回すとは。

気づいてみればいつになく悪そうな顔のチンパン兄弟。

で、ちょきちょき 貯金の件については多少無理があるが確かに他にいいワードも思いつかんので許してやろう。

 

笹川会長の締めの一言 金曜日編

で、笹川会長の金曜日の一言

「物を大切にしよう!」

普通に

「お金を大切にしよう!」

でいいと思うのだが、何かひけめでもあるのか

「物を大切にしよう!」

と言うところに何かしら裏事情があるような気がするが、それを悟られまいとするようにやや食い気味に全員で

「一日、いちぜえええええええええええん!!!!」

一日一善コールの後は?

もちろんボートブゥゥゥゥゥゥンで、

今回のは日本船舶振興会と日本防火協会の連名であり、いろいろパターンがあることが分かってくるのである。

(つづく)

 

 

【懐かしの戸締まり用心火の用心のCM】日本船舶振興会、日本防火協会のCMを書き起こす!③

曜日ごとの戸締まり用心、火の用心を書き起こしています。

前回までで月曜、火曜、水曜が終了。

本日は木曜日から書き起こして行きます。

もう飽きている方もいるかもしれませんが、書いてるこっちは現時点でこのCMをYouTubeで繰り返し繰り返し50回くらい聴いているので我慢して欲しい。

(我慢して読むブログって)

では、行きます。

戸締まり用心、火の用心のCM(木曜日編)

 

〝チャンッ!チャンッ!〟

と拍子木が二回鳴り、冒頭でその日の曜日が表示される。

「戸締まり用心、火の用心!」

改めてみると、先頭の山本直純が元気がいいのに比べて、意外についてくる子供たちは退屈そうに見える。

「戸締まり用心、火の用心!」

と二回歌えばいつものチンパン兄弟コーナー。

本日は、木曜日。

子供の手で花壇に花を植えている。

木曜だけに

「木や草花は 友だちだ」

と来る。

子供たちと一緒に花を植えているチンパン。

木曜日は一緒に映らないでの背の高さがわからず、どっちが兄か弟かわからず。

もう一方のチンパンが木を植える。

「もっともっと ふやそう木曜日」

木曜日の〝も〟と、もっともっとの〝も〟である模様。

額の形からおそらくこれ黄色いTシャツがチンパン兄と思われる。

なんでそんなにわかるかと言うと、先ほども書いたがこの時点で60回くらいこのCMを観ているからである。

で、笹川会長の木曜日、締めの一言

「自然を守ろう!」

と言っているのだが、この曜日に限っては何故か関西風のイントネーションで

「自然をマボロー」

と言っているように聞こえる。

マボローの部分はロミオとジュリエットのロミオと同じイントネーションで言う。

調べてみると、笹川氏、大阪の箕面市にて生まれたそうで、関西訛りがあると思われる。

全員で「一日、いちぜえええええええええええん!!!!」

よく見ると、これなんか大型船の前で撮影しているんだな。

ボートブゥゥゥゥゥゥン!

「モーターボートの収益金は、防犯・防火に役立っています」

笹川良一 著、「人類みな兄弟」この本の収益金は日本防火協会を通じて WHOへすべて寄附されます。か。

大型船、モーターボート、なんかそっち方面のCMなんだな。

なんとなく背景がわかってきたぞ。

(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【懐かしの戸締まり用心火の用心のCM】日本船舶振興会、日本防火協会のCMを書き起こす!②

曜日ごとの歌詞などを見ていきます。

前回に引き続き、懐かしの戸締り用心、火の用心のCMについて考えていきます。

前回は月曜日だったので、まずは、他の曜日の曜日別の歌詞を見ていくのでお付き合いください。

絶対興味はないでしょうが、お願い、お付き合いして。

戸締まり用心、火の用心のCM(火曜日編)

前回書いたように、

〝チャンッ!チャンッ!〟

と拍子木が二回鳴り、冒頭でその日の曜日が表示される。

 

「戸締まり用心、火の用心!」

 

「戸締まり用心火の用心!」

ここからのチンパンジーコンビが登場する部分が曜日ごとに異なる。

チンパンコーナー 火曜日編

火曜日だけに

「火には用心、火の用心!」

の歌詞で、それに合わせるようにベンチに座ってタバコを吸う、チンパンジー兄。

「かんじんかなめの火曜日だ」

と、火曜日の〝か〟とかんじんかまめの〝か〟をかけた歌詞。

と、タバコを道路に吐き捨てるチンパン兄。

それを忌々し気に見るチンパン弟。

ベンチから飛び降り

タバコを拾い

灰皿に捨てる。

笹川会長の締めの一言コーナー 火曜日編

で、笹川会長の火曜日の一言、

「火遊びはやめよう!」

があり、いつものように

全員で「一日、いちぜえええええええええええん!!!!」

これまたいつもの競艇のボートがブィィィィィンと走り、「モーターボートの収益金は、防犯・防火に役立っています」のナレーションがあり

チャンチャンチャンチャンチャン・・・

(完)

という感じで終了。

戸締まり用心、火の用心のCM(水曜日編)

「まさか、各曜日ごと書き起こそうというんじゃないだろうな?」

という声が聞こえてくるようですが、書き起こします。

ということで、水曜日です。

〝チャンッ!チャンッ!〟

と拍子木が二回鳴り、冒頭でその日の曜日が表示される。

「戸締まり用心、火の用心!」

「戸締まり用心、火の用心!」

チンパンコーナー 水曜日編

ここからまたチンパン兄弟コーナーとなるが水曜日は

水曜日だけに

「水はいのちの お母さん」

蛇口から直接水を飲む、かっぽう着姿のチンパン兄。

水曜日は「お母さん」の歌詞にちなんで母親役を演じている。

蛇口の水を出しっぱなしにしていることに怒るオーバーオールを着て子供を演じるチンパン弟。

「すいすいすいすい 水曜日」

洗濯板で洗濯しているが蛇口の水は出しっぱなしであり、且つタライに水は入っていない。

それにしても、「すいすい過ごそう水曜日」とかでよかったのではないか?

「すいすい すいすい」ってヒドイ。

 

 

 

チンパン弟、蛇口をしめる。

笹川会長の締めの一言コーナー 水曜日編

で、笹川会長の水曜日の一言、

「水を大切にしよう!」

があり、いつものように

全員で「一日、いちぜえええええええええええん!!!!」

ボートブゥゥゥゥゥゥン

「モータボートの収益金は、防犯・防火に役立っています」

いったいどうやってやくだっているのかしら?

日によって、最後の表示が違うことが分かってきた。

次回はこの辺りにメスを入れてみよう。

(つづく)

 

 

【懐かしの戸締まり用心火の用心のCM】日本船舶振興会、日本防火協会のCMを書き起こす!①

1980年代に小学生だった人の条件反射

世の中に条件反射は数あれど、我々世代は

〝チャンッ!チャンッ!〟

と二回拍子木を打つ音がすると

「戸締り用心♪火の用心♪」

と脳内で歌いだしてしまうという条件反射が植え付けられている。

等と書いても若者読者には何のことだがサッパリわからんと思うので、この戸締り用心、火の用心について説明することにします。

戸締まり用心、火の用心のCMの記憶。

この戸締り用心火の用心とは、夕方にテレビで毎日放送されていたCMソングである。

なんのCMかというと実の所、我々世代でもよくわからない。

とにかく夕方にアニメの再放送を観終わった直後、だいたい夕飯直前ぐらいのタイミングでテレビから

〝チャンッ!チャンッ!〟

と拍子木を打つ音が聞こえ

「閉じまーり用~心♪火の用~心♪」

「閉じまーり用~心♪火の用~心♪」

と曲が始まり最終的には白髪のお爺さんが出てきて

「街をキレイにしよう!」

などと言い大勢で

「一日一善ーーーーッ!!!!」

と叫んで終わるというCMというよりは道徳のミニ番組みたいな感じで眺めておったのだ。

あのCMはいつの間にか観なくなったのだが、未だによくわかっておらん上、それを読まされる人はよっぽど何のことだがわからんと思うので、とりあえず書き起こしてみる。

戸締まり用心、火の用心のCMを書き起こす(月曜日編)

まずドドンと画面にどアップで〝防火〟とこう来る。続いて

と、ここで

〝チャンッ!チャンッ!〟

お拍子木がリズムよく二回鳴る。

続いてその日の曜日がテロップで表示。火の用心の最後尾に大太鼓を抱えて並ぶ、高見山大五郎。

どうでもいいけどモミアゲがすごい。

で子供の声で合唱が始まる。

「戸締り用心♪火の用心!」

隊の先頭で狂ったように纏を振っているのはこの曲の作曲者、天才、山本直純。

拍子木を持った白髪のオジイさん登場。この人は日本船舶協会の笹川会長。

高見山ジェシー、嬉しそうに大太鼓を打ち鳴らしている。

で、

「戸締り用心♪火の用心!」

と二回歌う。

山本直純、元気一杯である。

ここまでは最初の曜日のテロップ以外は毎日同じ。

ここからが毎日、曜日によって歌詞が違う。この日は月曜日なので

「月に一度は大そうじ♪」

と、ごみ拾いをするチンパンジーコンビ登場。

このコンビは毎日登場し、次回からはチンパンコーナーとして紹介します。

子供たちも一緒にゴミ拾い。

で、

「げんげん げん気な月曜日♪」

月曜の〝げ〟と元気の〝げ〟で、げんげん げん気な月曜日とは、無理があるのも甚だしいが、まあいいのである。

最後に笹川会長の曜日ごとに決まったセリフが入る。この日は月曜日の歌詞である

「月に一度は大掃除♪」

にかけて

「街をキレイにしよう!!」

と言う。

これは毎回、CMの締めとして笹川会長が言う言葉である。

次回からは笹川会長の締めの一言コーナーとして紹介します。

これ以降はまた毎日同じなのだが、〝一日一善〟とテロップが表示され、全員で

「一日、いちぜええええええええええん!!!!」

と叫ぶ。

すると突然

ブブウウウウンと、六台の競艇のボートが登場し、男性のナレーションで

「モーターボートの収益金は、防犯、防火のために役だっています!」

と言い

「戸じまり用心 火の用心 日本防火協会」

と出て、拍子木は

チャンチャンチャンチャンチャンと鳴って終了。

 

書き起こしてみたはいいが、なんだこれ?

続編では、各曜日の歌詞と、さらなる謎に迫ります。

(続く)

 

 

 

 

 

 

【未来少年VS名探偵】コナンと、ルパンと、ツービート、直撃世代の悲しみ

未来少年コナンを知っていますか?

若えのに対して

「未来少年コナン」

と言うと

『やれやれ、このオッサンは』

『なにが未来少年だこのジジイ』

『未来少年どころか、お前は過去中年だ』

などという気持ちを隠しながら

「あ、名探偵ですよネ」

と、こちらを傷つけぬよう、さり気ない感じで、且つ、チクリと言う感じも含めて

「あ、名探偵コナンですよネ」

と訂正されることに、我々世代は憤っているのである。

よね?

そのくせ、ラピュタは知っていると言う。

で、テレビで放送されるたびに

「バルス!」

のとろこでTwitterで

「バルス!」

とつぶやいているという。

ラピュタが好きなら未来少年コナンを観ろよと言いたい!

未来少年コナンは、1978年放送の宮崎駿が初めて監督を担当したアニメ作品。全26話の30分番組。重機な感じがすごくいいぞ!

ルパン三世 カリオストロの城

若えのと、ルパン三世の話になり

「ルパンは三世だけど、五右衛門は、石川五右衛門の13代目なんだよね」

「銭形は銭形平次の子孫で」

などと言おうものなら

「え?銭形平次って?」

「え?そういう人物がいるんですかー」

と驚いた上、

「ルパンや五右衛門の他に、それぞれそういう設定があるんですか?」

「え?じゃあ、次元も、昔のなんかの子孫とか…」

「不二子も…」

というので

「いや、次元と不二子は違うんだよ」

と若えのが、銭形平次を知らないのでなかなかに面倒なことになる。

で、よくよく話してみると、ルパン三世は知っていても、カリオストロの城は知らんなどと抜かすのである。

そのくせ、ラピュタは知っていると言う。

で、テレビで放送されるたびに

「バルス!」

のとろこでTwitterで

「バルス!」

とつぶやいているという。

あのなあ、ラピュタが好きならカリオストロを観ろよと言いたい!

ツービートを知っていますか?

若えのに対して

「ビートきよしが」

と言うと

『なあにが、きよしだよこのオッサンは』

『世界の北野って言ったら、たけしだろーが』

『西川きよしとビートたけしを混同してるのか』

『あーあ、年は取りたくねえもんだな』

などという思いを隠して

「あ、たけしですよね?」

と、こちらを傷つけぬよう、さり気ない感じで、且つ、チクリと言う感じも含めて

「あ、ビートたけしですよネ」

と訂正されることに、我々世代は憤っているのである。

で、ビートきよしは、ビートたけしの相方である旨を説明すると

「え?ツービート?漫才?」

「ビートたけしって漫才師だったんですか?」

などと言い出す。

で、ビートたけしが好きだという。

ビートたけしが好きならツービートくらい観ろよ、と言いたくなるのである。

【ペヤングソース焼きそばのCM】懐かしのCMと、四角い顔と柔道部のトラウマ

ペヤングソース焼きそばのCMで解るジェネレーション

ペヤングソース焼きそばのCMと聞いて、どの出演者のCMを思い出すかでその人の世代がわかる。

さあ、あなたはペヤングソース焼きそばのCMと言えば誰を思い出しますか?

「ペヤング?」

「サンドウィッチマン?」

と答えた人は子供である。

「マツコ・デラックス~」

と答えたあなたは現代っ子である。

「立川志の輔~!」

「座布団と幸せを運ぶ、山田隆夫~!」

と、答えたあなたは比較的若者である。

「名前は知らないけど、なんか四角い顔の人~」

「ペヤングの人~」

「柔道部~!」

と答えたら、残念ながらあなたは私同様中年である。

「桂小益~!」

「現、桂文楽~!」

「本名、武井 弘一~!」

「私、彼の文楽襲名は未だに認めてな~い!」

と答えたら、これはもう年がどうのこうのじゃなくて、ただの落語好きである。

ペヤング=四角い顔!

ということで、私的にはペヤングソース焼きそばのCMといえば断然、

「お!四角い顔」

「どうだい味は~?」

なのである。

で、しかも私はこのCMにやや恐怖を覚えたことがあるので、今回はそのCMを書き起こした上、どう恐怖を感じたかを書いていく。

ペヤングソース焼きそばのCMを書き起こす

〝やきそば〟と書かれたノレンがさがる屋台の前に、屋台の店主と思しき鉢巻き、ハッピ姿のおじさんが座っている。
屋台には、大量のペヤングカップ焼きそばが山積みにされている。

そこへランニング中の柔道部員4人が駆け寄ってくる。
先頭は、肥満した者で恐らく主将と思われる。

で、この主将と思われるデブが、中腰になり、満面の笑みで店主の眼前数センチの所に向かって唐突に

「おっ!四角い顔!」

と言って指を指す。

※「おっ!四角い顔!」と店主につめよる主将。

通常、このような無礼な若者には

「なあに抜かしやがんだこのどっこい野郎!」

「人の顔が四角かろうが丸かろうが放っといてもらいてえもんだコンチクショーめ」

と、どやし付けてやってもおかしくないのだが、この四角い顔の店主は

「はい、いらっしゃい!」

と、嬉々として答える。

と主将は突然、後続の部員三人に向き返り

「腹へったなあああ?」

と自らの腹をさすりながら尋ねる。

※主将による「腹減ったなあああ?」

尋ねられた部員たちは、元気よく

「オイッス!」

と声を揃えて答える。

続いて四角い顔の店主の顔が大写しになり

「どうだい味は?」

と部員たちに尋ねるが、独特のだみ声なので

「どーだいあじゃあ?」

に聞こえる。

※「どうだい味はあああ??」と、部員の反応が気になりながらも、味に関しては断固たる自信があるため、余裕も感じさせる店主の表情。

尋ねられた柔道部員たちは、それぞれ出来上がったペヤングソース焼きそばを手に持ち、横一列に並んでいる。
その上、割りばしでソバを持ち上げながら、全員揃って

「まろやか~」

と歌うように言いながら、腰をくねらせ踊るように上半身を左に傾ける。

                        「ま」

                          「ろ」

                          「や」

                         「かあああ」

「美味い」

でも

「不味い」

でもなく

「まろやか~」

と答えられた店主は、今時の食べタレの食レポのように

「おいしい!」

と答えず、

「まろやか」

などという、絶妙な褒め言葉を受けたことが嬉しい。

目がギラギラした表情になった四角い顔の店主の顔が大写しになり

「もうイッチョ行っくうううう??」

と柔道部員に尋ねる。

※「もういっちょ行っくうううう?」と口ではいいながらも、

「もう一杯欲しいんでしょ?」

「これナシじゃ生きられない身体になったんでしょ?」

と言わんばかりにギラついた目で二杯目の要否を確認する店主。

ハッキリ言って気持ちが悪い。

で、柔道部員達は横一列に並んだまま、持っていたやきそばは何処に行ったか無くなっており、急にカメラ目線で真剣な表情で、声を揃えて

「オイッス!」

と答え、ペヤングソース焼きそばがアップになり、店主の声で

「ペヤングソース焼きそば!」

と言ってCMは終わる。

どこがトラウマになったのか?

この時の、最後に店主から

「もういっちょ行っくうううう?」

と尋ねられて、

「オイッス」

と答えた時の主将の表情が、当時このCMを観ていた幼児のトラウマになったのだ。
もちろん私もその一人である。

どうトラウマかと言うと、この主将は、それまで優しそうに

「まろやか~」

とか言ってたのだが、

「もういっちょ行く?」

と尋ねられて、突然、打って変わっての真剣な顔になったところである。

では、その最後のオイッスを見ていこう。

主将に注目して欲しい。

※「オオオ」と言いながら感情の高ぶりが抑えられない表情。

※「オオ」と遂には昇天!頭の中が真っ白になった瞬間の表情。

※「イッッ」と言いながら無意識で凶器を手にしてしまった時の表情。

※「スーーーーッ」と言いながらことに及んでいる最中の表情。

※「ウウウウウウ」言いながらと、犯罪を犯してしまった後で若干の後悔を感じているような表情。

且つ、目はイッちゃっており、まるで

「たった今、人を殺めてまいりました」

といった表情は、

〝柔和だった人も、欲に駆られれば一瞬で感情が変化し、狂暴化する〟

ということを幼子の心に無理やり植え付けたのである。

で、我々は大人の汚い部分をまざまざと教えられた気分になり、トラウマとなっているのである。

などと適当に書いているが、実際のところ112回に及ぶディレクターのダメ出しに耐え続け、最後に渾身の演技で「オイッス!」と言ったこの表情でようやくOKが出たとかだったら申し訳ないが。

そんな訳ないか。

いくつになっても年上に見える人々

よく、甲子園で活躍する高校球児は、大人になっても年上に見える、なんてことを言うが、そんなのはせいぜい30歳ぐらいまで。

30をとうに過ぎた私にとっては、高校球児なんぞは単なる子供にしか見えんが、このCMの柔道部員たちは未だに年上に見える。

と言うのがこのCMを小さい頃に観ていた我々の共通認識だと思うがどうか?

どうかと言われても困るか?

【なるほど!ザ・ワールド】愛川欽也の独裁司会「今、なんつった?」について考える

おぼえていますか?なるほど!ザ・ワールド

何がせわしないかと言って、なるほど・ザ・ワールドの特番のVTR振りの時、司会の愛川欽也と楠田恵理子が同時に

「な~るほど!ザ・ワールド!」

と声を揃えて言った直後からVTRが流れ出す一瞬の隙に、愛川欽也が

「秋の祭典スペシャ~ル」

などと言うことほど、せわしない物はない。

などと書いても今時の人々にはほとんど通じないと思うのだが、かつてのフジテレビの長寿番組のことを知っている人がどんどん少なくなっているのでここに書いておこうと思ったのである。

(理由は不明)

 

なるほど!ザ・ワールドとは?

さて、この『なるほど!ザ・ワールド』とはどんな番組か?

今でこそ、〝世界ふしぎ発見〟などの類似番組があるが、当時としては画期的な世界の国々を旅するレポーターが、その国ならではの習慣などにまつわるクイズを出題。
スタジオでそのVTRを観る基本的にペアで出場する4組のゲスト達が、クイズに答えて順位を争い、優勝したチームが豪華景品を賭けたミニゲームなどに挑戦できるという番組である。

他のクイズ番組と大きく変わっているのが、回答権が早押しやフリップで一斉に回答するのではなく、もっとも順位の高いチームから司会の愛川欽也が答えを聞いて回って行く点である。

で、正解できなければ回答権が次の順位に移り、正解したチームは順位がひとつ上のチームと入れかわることが出来るのである。

しかし、回答には決められた時間制限や回答数があるのではなく、愛川欽也の独断と偏見というか、好みによって若手女子などの贔屓のペアには長時間に渡って何度も答えさせたり、ヒントを出しまくったり、また、気に食わないとかチームとか、おじさんチームなどには全くヒントを出さなかったり、一言しか言わせなかったりするという、司会者の傍若無人さも番組のうりの一つであった。

キンキンと回答者の会話風景

問題は、アフリカから

「この部族が大切にしている物とはなんでしょう?」というもの。

答えは首飾りだとする。

回答者はアグネス・チャンと西田ひかる。

そこへ、愛川欽也が回答を聞きに近づいていき

「まったく二人とも可愛いねえ~」

などと話しかけ、

「さあ、何を大切にしている部族でしょう?」

と改めて答えを聞く。

すると、西田ひかるが

「お金で買えるものですか~?」

などと聞くと、欽也は

「まあ、買えるでしょうねえ」

と言い

「女性は特に大切にするかもねえ」

とヒントを出すと、アグネスチャンが

「でも、まさかアクセサリーじゃないだろうし・・・」

とフッと正解に近いことを口にする。

すると、愛川欽也はそれまでのにこやかな表情から一転、急に険しい顔になり

「おい、今なんつった?!」

とアグネスチャンに詰め寄る。

『あれ、あたし今、何かいったかしら?』

という風にキョトンとしているアグネスに向かって

「おい、アグネス!今、なんつった?!」

と更に詰め寄る。

飲み会で、酒癖の悪い男が、ちょっとしたことに急に腹を立て、突然怒りだしたようで怖い。

「おい、アグネスこのヤロー!」

と胸ぐらを掴むような勢いである。

そこで、アグネスは

「アクセサリー?」

と尋ねるように口にすると、欽也は

「アクセサリーって言うと?!」

「指輪でなくて、耳飾りじゃなくて!?」

と更にヒントを出しながら問いただすように正解へと導き、ようやく西田ひかるが

「・・・首飾り」

と言うと、ゲストの鼓膜も破けよと言わんばかりの大声で

「正~解~!」

という寸法で番組は進んでいくのである。

って、これも当時はほとんどの人がわかる、なるほど・ザ・ワールドあるあるだったのだが、今となってはほとんどの人が理解してくれないのでここに書き残しておくことにする。

(理由は不明)

【SG-1000II】家庭用ゲーム機がセガマーク2だったのは君だけじゃない!

ファミコンがブームだった頃

 

2017年11月現在、ミニスーパーファミコンが品切れ中だそうである。

 

スーパーファミコン世代が大人になって改めて当時のゲームをしたいのだろう。

 

ファミコンが発売されたのは、私が小学校3年の1983年。

初めは一部の金持ちの家にしかなかったが、徐々に人気が出始めて学校でも持っていないヤツの方が少なくなってきた。

 

私は、母親から

 

「うちはゲームなんか買わん!」

「勉強しろ!」

 

と言われ買ってもらえなかったのである。

 

うちにもゲームが来る!

 

が、1984年、本格的なファミコンブームが到来。

本当はそんなことはないのだが、ファミコンを持っていないと話題についていけない的な状況ともなった。

父親に泣きついたところ、珍しく「正月に買ってやる」と言い、年末に近所にある大き目のおもちゃ屋に行った。

 

が、現在のミニスーパーファミコンと同様、品切れである。

今でもハッキリ覚えているが、担当してくれたメガネのお兄さん店員も

 

「入荷時期も未定」

 

と言う。

 

それでも私は予約をし、いつくるかわからぬ入荷を楽しみに待ちたいと思っていたが、その店員が

 

「こっちも人気ですよ」

 

と言って、山積みにされたいた、SEGA社製のセガマーク2を指さす。

 

※写真はセガマーク2

 

値段もファミコンと同じ一万五千円程度。

 

本当は、そんな機種は人気でもなんでもなかったので、こっちとしてはそんな機種があることを知らない。

 

『いるか、そんなもん』

 

と思っていたが、なおも店員は

 

「こっちの方がいいですよ」

「ソフトもファミコンに劣らない数が出てますし」

 

と言う。

 

めんどくさがりの親父は

 

「おい、こっちでいいだろ?」

 

と言って、その店員が勧める、ハッスルチューミーという、ネズミが主人公のゲームと一緒に買ってしまった。

 

私も私で、早く家でゲームはやりたいし、まあ、ファミコンに勝るとも劣らないならいいだろ、という気持ちになりゲーム機を持って帰宅。

 

さっそくTVに接続してゲームをするが、なんとも面白くない。

ハマれない。

 

 

 

 

私がゲームを買ってもらった旨を聞きつけた近所の友達が遊びに来て、件のハッスルチューミーをプレイしたりしたが、特に感想をいうこともなく帰っていく。

 

『つまんなかったんだな』

 

と落ち込んでおった。

 

※写真はハッスルチューミー。 左下のネズミが主人公。

 主人公が白一色!他のキャラクターも一色!というところが、私はくやしい。

 

※同時代のゲームはこんなに色鮮やかだったのに!

って、今時のゲーマーにはわかるまい。

 

かといって、店員の言うのとは裏腹に、他に欲しいようなソフトも発売されていない。

 

そんな日々が続くと、

 

『俺んち、ファミコンじゃない』

 

との劣等感が募り、セガマーク2の私は、吸い寄せられるように、傷口を舐めあうように、自宅のビデオデッキが、VHSではなくβのヤツと仲良くなったりしたのである。

 

で、セガマーク2も、購入数日で一切しなくなり、遊びはもっぱら外で、川口浩探検隊ごっこなどをするようになったのである。

まあ、今から思えば貴重な少年時代にゲームばかりに熱中せんでよかったと思う。

 

カセットビジョンのヤツとは意味が違う

 

こんなことを書くと、

 

「いやいや、俺んちなんでカセットビジョンだったよー」

 

「だから悲観するな」

 

と言ってくれる人もいるが、ファミコン発売前のカセットビジョンを持っていたのではなく、とっくにファミコンがブームになってからの、セガマーク2に手を出してしまった我々親子の勢いでなんでもやってしまうタチが悔やまれるのである。

 

 

セガマーク3の登場

 

それから数か月後の、1985年10月、SEGA社はセガマーク2の後継機のセガマーク3を発売。

 

その機種では割といいソフトが発売されており、子供ながらに、ふざけるんじゃねえ!と憤りを感じたのである。

この機種はわりと有名である。

調べてみると、セガマーク2は1984年7月に発売とのことで、我がセガマーク2は一年も持たなかった模様。

そんな短いタイミングで購入させられたことがクヤシイ。

あのメガネの店員が憎い。

 

今、同世代の、当時からずっとゲーマーだった者にたずねてみても、セガマーク2のことをしっている者はほとんどいない。

 

ネットで調べてみても、知っている人ややったことのある人はいても、この機種を持っていた者は稀有な存在である。

 

そのため今回は、セガマーク2を私と同じような経緯で持つハメになり、泣きをみていた同士に

 

「セガマーク2だったのは君だけじゃない!」

 

の気持ちを込めて書いてみたのだが、よく考えたら、セガマーク2だったのは、俺だけなのかもしれない。