【山口達也のアル中・飲酒問題】元アル中からのメッセージ~本当に悪いのは誰か~

アル中問題

アル中が話題である。
というより、TOKIOの山口メンバーのアル中が話題である。

『あの天下のアイドルがアル中で入院をしていたなんて!』

『アル中病棟なんて、吾妻ひでおかよ?!』

と驚き、これはもう元アル中としては黙っていられない。

ので山口メンバーへの思いを書くことにする。

なんで書くかというと、山口メンバー(なんだこの呼称は?)がアル中に陥った理由が私にはわかる気がするからである。

山口達也の飲酒のきっかけ

まず、山口メンバーと私には共通点がある。
それは体重の増減が激しいところである。

だからどうにもそもそもの飲酒の理由が私と同じような気がするのである。

体重の増減が激しい=痩せやすく太りやすい

まず、山口達也体重の増減についておさらいしよう。

ご存知のように山口達也はそもそも細身であった。

が、デビュー間もなくブクブクと太りだし、

「アイドルがデブ化するのは渡辺徹以来の珍事!」

などと思っていたが、ココリコの遠藤の例を持ち出すまでもなく

〝ぽっちゃりイケメン〟

は、まあ、それはそれなりに需要があった模様で、彼はアイドル界で唯一のデブキャラとして孤軍奮闘。
確固たる地位を築いておった。

が、彼も年を取り、40歳を超えたあたりで〝ぽっちゃりイケメン〟は需要があったが、〝ぽっちゃりイケメン親父〟の需要は著しく少ないため、一念発起。

ダイエットを実践し見事成功。

雑誌、Tarzanでも

「筋トレと有酸素運動を取り入れた運動をしている」

「調子のいいときは思いっきり長く走っちゃいますね」

などと答えていたものである。

この流れを見れば、元アル中として

「彼は恐らく私同様、焼酎ダイエットなどと、太らないと言われている焼酎をのんで、ロクにつまみもとらずに無茶飲みをしていたのだろう」

と想像できるのである。

※1981年、太陽にほえろ登場の頃のラガーこと、渡辺徹。

 

※1985年、ラガー刑事、殉職のころの激太り。榊原郁恵の心境はいかに?

山口達也は、なぜ焼酎だったのか?

まず、デビュー直後に太りだしたのは、おそらくストレスによる飲酒及び過食が理由である。

で、若いので基礎代謝も効率的で致命的なデブにはならず、ぽっちゃりイケメンをキープしておったが年齢を重ね体重のキープが難しくなったところで、アル中ダイエッターの基本中の基本

「呑むのなら、醸造酒よりも蒸留酒!」

と、ビールやワインや日本酒よりも、焼酎やウイスキーといった強い酒を飲むようになったと思われる。

一般的にメインの酒が焼酎である人が焼酎を飲む理由は

「金が無いから」

である。

一方、山口達也は金持ちである。
本来ならばビールやワインなど比較的飲みやすいものを選択するはずである。

にも関わらず、なぜ彼は焼酎を飲んでいたか?

あれだけの売れっ子アイドルが、まさか

「ビールは高いんで、仕方なく大五郎飲んでます」

などと私のようなことを言う訳は無い。

金持ちで焼酎を飲む人の心理は、

「サッサと強い酒で酩酊したい」

「太りたくない」

しかない。

この辺り、金持ちの焼酎好きで知られる志村けん、中居正広あたりも要注意である。

失恋したハエは、酒に溺れて酒の空き瓶の中で死ぬ

ハエの世界にももちろん恋愛競争がある。
子孫を残すため、メスのハエはオスのハエを選ぶ。

選ばれなかったオスのハエは、悲しみを紛らわすためにヤケ酒に浸るという研究を、米カリフォルニア大学のウルリケ・ヘーベルライン教授という人のチームが科学誌「Science」の2012年に発表したのである。

これはメスに交尾を拒否されたオスのハエだけを集めて隔離。
濃度15%のアルコールを含むエサと、通常のエサの両方を置いた容器に入れたところ、オスたちはアルコール入りのエサを浴びるように食べ始めた。

振られたオスたちの脳内を調べると、神経伝達物質の「ニューロペプチドF」が減少してたという。
一方、メスと交尾し性欲を満たしたオスの脳内では「ニューロペプチドF」のレベルが高かった。
このため、「ニューロペプチドF」の減少がアルコールへの衝動を招いたと考えられるのだ。

つまりは飲酒をするとこの「ニューロペプチドF」が一時的に増加し一種の疑似リア充感覚を得られるのである。
言い換えれば、酒瓶の中でおぼれ死んでいるハエは、失恋したハエなのである。

実は、人間の脳内にもよく似た神経伝達物質「ニューロペプチドY」が存在し、これが不足するとアルコール依存症や薬物中毒になることがわかっている。
人間の「ニューロペプチドY」は、不安やストレスにさらされると減少する。
ハエのオスが振られてヤケ酒に走るメカニズムは、人間のアルコール依存症とまったく同じだったのだ。

つまりは、パートナーが居ないなど、不安やストレスのさらされると、疑似リア充感覚をえるために飲酒を繰り返し、そのうち飲酒自体が目的にすり替わり、中毒に陥っていくのである。
言い換えれば、アル中の中でおぼれ死んでいく人間は、失恋した人間でもあるのだ。

山口達也、2016年離婚。二人の息子がいるが親権は元妻にあるという。

彼は、アル中病棟退院した日に昼から焼酎をボトル一本空けたという。
ボトルにもいろいろあるが、まさか一升瓶じゃないだろうし、せいぜい720mlぐらいか。

そんなもん、若い頃ならともかく40を超えたら記憶も飛ぶほどの量だろう。

もともと一人の私と違い、最愛の妻と子供から切り離された山口の心境は如何許りか。
恐らく私の想像を絶するほどの寂しさだろう。

山口よ、ハエにはなるな。

酒やめて戻ってこい。

山口メンバーも悪いが、一番悪いのはどいつだ?

よく今回の不祥事で

「まあ、山口メンバーも悪いが、家に行った女子高生も悪い!」

という意見を耳にするが、まあそういう見方もあるかもしれないが本当に悪いのはもちろん女子高生ではない。

「じゃあ山口達也が一方的に悪いのか?」

と問われれば、違うと答える。

では、一番悪いのは誰か?

しつこいようだが、元アル中の私から言わせてもらえれば、一番悪いのは酒である!

酒が一番悪い!

今回の山口の騒動は許されるはずがないものかもしれないが、元アル中から言わせてもらえば、酒が悪いのであるから、山口メンバーが酒を辞めたら世間はどうか許してやって欲しい。

鉄腕ダッシュでの山口の働きは番組に不可欠なものでしょう?

今回の不祥事があるまで、山口達也が嫌いだ!なんて人は聞いたことがなく、むしろ好きな人が多かったでしょう?

賛同してくれる人よ、我々はどうか山口達也を許そう。

「じゃあ、お前も酒をやめろ」

と言われると困るのでこの辺で引き揚げます。

【大切な人に】禁煙/禁酒/ダイエットしてもらうには何が一番大切か?

やめるのに一番大切なものは?

 

酒をやめる、タバコをやめる、ダイエットをはじめる。

または、はじめさせる、には何が一番重要か?

それは、〝きっかけ〟が一番重要である。

 

よく間違って、やめる方法を説いている者がいあるが逆効果である。

 

酒をやめる方法/タバコをやめる方法/ダイエットをする方法はいくらでもある。

 

が、タバコをやめようと思っていない人に対して効果的な禁煙方法を説いても

 

「辞めたくないんで~」

 

と真っ黒い歯をして薄ら笑っておるだけである。

 

酒も同じでやめる気がないのに、やめる方法を説いても

 

「もっともっと呑みたいんだバーローメ」

 

と、酒臭い息を吹きかけられるだけである。

 

理屈よりも、やめたいという気持ちを芽生えさせることが先決である。

 

そういう意味では、小学生の頃、父親が飲んだくれると、そのREDというウィスキーの入った、どでかい瓶を奪い取り流し台に中身を全部捨ててやったりしたのは、父親にとっては、なかなかの禁酒のきっかけになったはずである。

 

まあ、数か月後、再び飲みだしたが。

 

なので

 

「うちの旦那は痩せようとしない!」

「タバコを辞めようとしない!」

 

などと嘆く前に、まずはきっかけを作ってあげてみてはどうか?

タバコをやめるきっかけ

 

これはもう金でしょう。

何か欲しいものがあるけど金銭的に難しい。

タバコさえやめれば・・・

 

と考えさせられればOKである。

 

私の場合は、タバコはやめたくないが、金は惜しいと思っていたところ、

 

「タバコを吸いだす前の自分に戻れたらいいと思わないか?」

 

「タバコを辞めるんじゃない。吸い出す前の自分に戻るだけだ」

 

という言葉を目にして、だったらやってみようと思い、いろいろ禁煙方法について考えたのである。

 

臭いとか、健康に悪いなんていうのは実際に体を壊したり、辞めてから改めて気が付くことであり、現段階で健康な人に健康に悪いよなんて言っても

「不健康は承知の上よ」

「近所のじいさんは、90を超えてもヘビースモーカーだ」

 

などと

 

「近所のじいさんは宝くじで三億円当たったから、俺も当たるんだ」

 

というのと同じ理屈をこね、奇跡が自分にも起こると信じている人たちなんで意味がないので注意したい。

 

ダイエットのきっかけ

 

これはもう

 

「太ったね」

 

と言われるですね。

 

または、恋をするとか。

結婚して、

「釣った魚にエサは与えねえ!」

「もうどういう体になっても関係ねーわ」

と思っている人にはなかなか難しいだろうが、嫁の特権を活かして主食を玄米に変えるとか、こんにゃくをふんだんに使うなどで少しでも減量させ

 

「痩せた?」

などと言ってうまく乗せてダイエットに踏み込ませよう。

 

禁酒のきっかけ

 

これは

「酒で人に迷惑をかけた」

でしょうが、飲んで寝るだけの静かな酔っ払いにはなかなか難しいですね。

筋トレに目覚めさせるしかない。

筋トレに目覚めれば酒が一番の悪であることに気が付き辞めようとするからである。

 

 

全部の人

 

「うちの旦那は、ヘビースモーカーで、大酒のみで、デブである」

「何から手をつければいいんでしょう?」

 

という場合、私はまず筋トレをお勧めしたい。

 

タバコや酒を辞めたくなくても、痩せたくない者など、デブタレとか彼女がデブ専でもない限りいないはずである。

「細マッチョになりたい」

などと思えば、筋トレが最適であり、筋トレをすればタバコなんぞはバカらしくなり、酒が痩せるのにもっとも不適切であるとわかり、少し時間はかかるが、おのずと全部解消するのである。

 

私の禁酒のきっかけ

 

マラソン完走以来、飲酒の量を減らしたらすこぶる快適であるからである。

まず朝がすがすがしい。

できればこのまま酒をやめたいけど、なかなか決心がつかず、

 

「まだ焼酎もまるまる一升残っているし」

 

「年末に向けて酒を飲む機会も増えるし」

 

「年明け、正月気分がすっかり抜けてから禁酒しようと思う」

 

などと、甘ったれた気分を払拭すべく自分に向けて書いてみた。

タバコはすぐ止められたけど、酒はなかなか根が深い と今は思っているが

 

「タバコも酒も簡単に辞められるぜ」

 

と言えるように頑張ります。

 

 

【アル中と呼ばれて】 アルコール依存症への軌跡  卒業編

32歳で連続飲酒

 

このように私は、毎日飲むようになってから僅か2年あまりで、年に3回程度の割合で連続飲酒に陥るようになった。

仕事を休んで飲み続けることもあった。

父親と同じである。

私が独り身なだけで、家族が居れば配偶者の命令で、息子が私にインディアンデスロックをかけていたかもしれない。

 

 

       ※写真はインディアンデスロック

 

吐いても飲んだら危険信号

 

酒を飲む理由は、昔、友人がいった

 

「気持ちがいいから」

 

しかないと思う。

私が三十歳まで飲まなかったのは、それまでは飲んでも気持ちよくなかっただけの話。

 

なので、これ読んでくれてる人も、気持ちがいいレベルで飲んでいる分には問題がないと思うが、恐ろしいのは、気持ちがいいから飲んでいたのに、
気持ちがよくなくなってもまだ飲み続ける私のような症状に陥ることである。

 

 

依存症の最大の原因は?

 

依存症になった原因は何か?

〝ストレス〟

とか

〝弱い自分〟

とだいたいみなさん答えられると思う。

 

 

当時の私なら

 

「借金が大変で」

「未来が見えなくて」

「孤独で」

などと言うだろうな。

 

多分、アルコール依存症の人も、だいたい

 

「ストレスで」

 

「人間関係で」

 

「閉塞感のある世の中で」

 

「孤独で」

 

「意思が弱くて」

 

と答えられると思うが、今、私が考えてみると依存症になった原因はズバリ

 

〝酒〟

 

である。

 

あなたじゃなくて、酒がわるい!

 

身も蓋もないとはこのことかもしれないが、断言したい。

飲む側の問題ではない。

酒が悪いのである。

やめられないあなたが悪いんじゃない。

酒を飲むから、また飲みたくなるのであり、麻薬やタバコと同じである。

 

酒を飲んで

 

『俺はダメな人間だ』

『みんなから嫌われている』

 

と思ったのも、原因は酒。

酒は毒。

毒は多少なら薬にもなろうが、度が過ぎればただの毒。

普段から内心、そう思っていたのが、酒を飲んで顕れたのではなく、
初めからそんな考えはないのに、酒を飲むと脳がおかしくなってわけのわからんことを思ったに過ぎない。

 

 

 

酒を辞めるということ

 

約三年前、タバコを辞められたので、ついでに酒も辞めてみようと

〝アレン・カー著 禁酒セラピー (KKベストセラーズ)〟

と読んで辞めた。

 

半年で、また飲んでしまってすみません。

 

ただ、辞めているとき、

「酒のみたい」

とか思ったことはなく、毎日、やりたいことに費やせる時間は増えるし、身体はすこぶる快調だし、

「酒やめて、一切やなことない!」

と思っていた。

だから、誰でも辞められると思う。

 

(じゃあ、なんでお前はまた飲んだんだ!)

 

ちょっと、デートする機会があって飲んでしまったのである。

その後は、ムチャ飲みはしないので、大人な飲み方ってことで許して欲しいなどと言い訳している。

というか私の場合は、飲まずに口説けるようになるのが先決かも!

 

禁酒は、何度も敗者復活あり

 

というか、またやめよう!

結果は、おって連絡します。

【アル中と呼ばれて】 アルコール依存症への軌跡 上級編

アルコール依存症まっしぐら

 

飲み続けるのには金がいる。

私の収入では、とても〝いいちこ〟などは飲んでいられない。

10年前には、空き容器を見るだけで吐き気を催していた

 

〝大五郎〟

 

〝ビッグマン〟

果ては

 

〝焼酎〟

 

とだけ書いてあるノーネームな焼酎を毎晩浴びるように飲み始める。
二日酔いで会社にはいくが、会社で必ず吐く。

それがルーティーンになる。

 

当時、自分には何か表現すべきことがあると思っているが、努力が出来ないのでどうにもならない。
バンドを始めるが、お遊び程度にしかできない。

尚且つ、多重債務に陥っており、抜け出し方も全くわからぬ中で誰にも相談できずに苦しんでいた。

休日くらいは、飲んで何もかも忘れようと

 

(休日こそ、がんばれよ!と今となっては言いたいが)

 

アルコール依存症スパイラル

 

休日の前の日は

 

『なるべく、たくさん飲まなきゃ損』

 

『休日は二日酔いにならなきゃ損』

 

とも思うようになる。

 

でも、たまたま量が足りなくて、夜中に目が覚めたりすると、水代わりに焼酎をコップに三杯ほど飲んだりする。

テレビを点けてNHKの深夜にやっている絶景を流し続ける番組を見たりして泣いたりするようになる。

 

『俺はダメな人間だ』

『みんなから嫌われている』

 

と、誰も何にも言ってないのにいじけだす。

 

そのうち、眠ってしまうが、早朝に目が覚める。

猛烈な頭痛と吐き気だが、頑張ってコンビニへ行きドクターペッパーと発泡酒とウィスキーのポケット瓶を買ってくる。

 

『まずは迎え酒だ!』

と、発泡酒を飲む。

『ブドウ糖でアルコールを分解する!』

と、ドクターペッパーを飲む。

多少、酔いがさめてきたら、

『さあ、改めておいしくお酒をいただこう!』

とめざましテレビを見ながら、ウィスキーのポケット瓶を飲みだすが、すぐに飲み切ってしまうので焼酎に切り替える。

 

意識は朦朧とするが、さんざん寝たため、とても眠れないので更に焼酎を飲む。

 

めざましテレビで

〝今日のわんこ〟

のコーナーが始まる頃には、便器を抱きかかえるようにして嘔吐する。

 

『こんなに酒ばっかり飲んでちゃだめだ』

 

と、開店したばかりの薬局へ行き、咳止めシロップを二本買い、部屋で一気に飲む。

 

ベッドに寝転がると、まるで縛り付けられたようになる。

わずかに動く手でリモコンを操作し、録画したテレビ番組などを観るが、意味が理解できずに同じシーンを何度も何度も繰り返してみる。

日が落ちると、改めて焼酎をのみ、咳止めシロップの効能もあってたびたび眠りに落ちるが、すぐに目が覚めるを繰り返す。

 

気が付くと朝になり、這うようにして仕事へ向かう。

 

 

飲酒地獄

 

休日の前の日には

 

『なるべく、たくさん飲まなきゃ損』

 

『休日は二日酔いにならなきゃ損』

 

と思っていたけど、

 

『本当に、こんな休日を過ごさなきゃ損なのか?』

 

と、あの頃の自分に言ってやりたい。

 

(つづく)

【アル中と呼ばれて】 アルコール依存症への軌跡 中級編

きっかけは些細なこと

 

30歳くらいのときの話。

私は下戸のくせに、酔うと調子にのってパーパーパーパー喋るタイプで、
とある飲み会で、職場の先輩であり、酒豪のGさんが、焼酎をロックでガバガバ飲んでいるのを見て

 

「Gさん、俺と飲み比べ勝負しましょう!」

 

とアホ丸出しで挑み、ものの数杯でダウン。

いい年をして床に寝させられたりした。

翌日、目が覚めてみるといつもの二日酔いは無く、いたって普通。

Gさんにその旨を報告すると

 

「カクテルとかそんなのばっかり飲んでるとかえって悪酔いする」

 

と教えられ、私の体は適度に焼酎を飲む程度なら、翌日ボロボロになるほどの二日酔いにはならないと分かった。

 

また、焼酎は不味いので、飲むと食欲は失せるので

 

『ダイエットに向いている!』

 

と思い込み、毎晩、空腹に耐え、寝る直前に〝いいちこ〟の720mlのボトルのキャップに一杯だけ焼酎を飲み、
空腹を忘れ、ほろ酔い気分で寝入っておった。

 

 

アル中は加速する

 

焼酎を飲むからではなく、毎晩夕食を食べないので見る見る体重は減少していったが、

身体が酒に慣れていくので、
キャップ一杯では酔わなくなり、コップ三分の一、コップ半分、コップ一杯、コップ二杯と
わずか一か月あまりで健康診断で叱られるほどの酒量をのむようになった。

 

このあたりになると、どこまで飲むと立ち上がれないほどの二日酔いになり、どこまでならならないかの自分の適量もわかるようになる。

また飲まなかった頃には気が付かなかったが、二日酔いで仕事に来ている人は意外に多くいて

 

「昨日、やからしちまいましてね」

「お互いに、なんぎですな」

 

などというようになり、時間とともに酒が身体から抜けていく快感も味わうようになっていった。

そして、夜が待ち遠しくなり、酒のない生活など考えられない。
休日には用事がなければ、昼から飲むようになる。

また女性と飲みに行ったりすると、必ずといっていいほど相手が先に酔ってしまうので、
その後、会計だとか忘れ物のチェックだとか、介抱だとかをしっかりとして、
酒が強いところをアピールし、多少の畏敬の念も抱かれることになる喜びを感じるようにもなる。

 

また、飲み会があっても、飲み会では浅い酔いかたしかできなくなり、飲み会終わりで部屋に帰ってから改めて一人で飲むように
なったのである。

 

アルコール依存症患者誕生まであと一歩である。

 

(つづく)

【アル中と呼ばれて】 アルコール依存症への軌跡 初級編

父親との死闘

 

普段、とても優しい父親が、年に何回か、連続飲酒に陥り、昼夜問わず飲み続けることがあった。

そうすると、母親も気が強いのでそれを叱責し、真昼間から大喧嘩が始まるのである。
父親は実際に母親に手をあげることはなかったが、物を壊したり、一人で暴れたりする。

そういう状態のところへ私が高校から帰ってきて、慣れっこなので、しれっと制服から着替えて友人宅に遊びにいこうとすると
母親は私に対し

「やれ!」

と、父親を殴って大人しくさせろと命じるのである。

仕方がないので、父親の腹部に膝蹴を入れる。

倒れてうつ伏せになったところをインディアンデスロックをかけ、
父親が戦意喪失すると、母親から

 

「もういい」

と、再び命じられ、改めて友人宅に遊びにいくのである。

 

 

 ※写真はインディアンデスロック

 

友人宅では、既に仲間が集まっており

「なんで遅くなったの?」

と聞かれるが

「ちょっと親父にインディアンデスロックかけてきたから」

 

と答えてドン引きされていた。

 

「いや、母ちゃんの命令でだよ!」

 

とフォローすると、余計に引かれていった。

 

子供の頃から、そういう環境に育ってきたので、酒飲みに対して嫌悪感が強く、

『ああいう風にはなりたくない』

と思っていたこともあって酒は飲まなかった。

はずなのだが、その後、大酒のみになってしまった。

 

下戸でもアル中になる!

 

三十歳を過ぎてから飲むようになったのである。

 

それまでも友人と飲みに行ったり、合コンのような席では飲んでいたが、
酒はおいしくないが、酔ってみんながバカみたいになるのは面白い。

おいしくないので、一番、酒の味を感じずに酔えるカルアミルクや杏露酒をがぶ飲み。

飲み方をわきまえておらず、飲んだ翌日は必ず二日酔いに陥っていた。

二日酔いの日は

 

「二度と飲むまい」

 

と後悔極まりない状態でコンビニに行こうと試みるも、
道に落ちていた安焼酎の最たるものの、巨大な〝大五郎〟の空き容器をみた途端に、
吐いたりして

 

「絶対に、絶対に、もう酒は飲まんぞ」

 

と強く思っていたのである。

 

 

毎晩飲む友人に

 

「よく飲めるねえ」

「なんで毎日飲むの?」

 

と聞くと

 

「気持ちいいから」

 

と答えるので、

 

「シラフの方がよっぽど気持ちいいけどね」

 

と答えていたのである。

 

そんな下戸の私が、それから十年後から酒を飲みだし、わずか一か月ぐらいでアルコール依存症に陥ったのかは
わが身を振り返ってみても、まったく不思議である。

 

(つづく)